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俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


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138.土地から産出されるモノ

 昼間。

 俺はサクラとゴーレムと一緒に温泉周りの整備をしていた。

 というのも、この前、温泉に入った時に感じたのだが、


 ……温泉の中に座る場所があると楽だよな。


 そういうちょっとした部分を改良しようと思っての整備だ。

 作り上げてしばらく経ったし、掃除もしたかったのもあるけれど。


 魔力の含まれた温泉水は色々なモノを滅菌するようで、浴槽は綺麗だが、ちょっとした土汚れとかはあるし。 

 それを取り払えば、もっと気持ちよく入れるしな。


「ふう、とりあえずこんなものか」

「お疲れ様です、主様。はい、お茶です」

「おう、ありがとう」


 最近は森の中でも暑くなってきたようで、運動するとうっすら汗を掻くほどだ。

 だからこそ、冷えたお茶が美味しいんだけどな、とゴクゴク飲んでいると、


「……あれ? 主様、温泉の他に管を通したりしましたか?」

「うん? そんな覚えは無いが、どうしてだ?」

「いえ、その岩場に、水が動く反応が見えたので」


 サクラは脱衣所のすぐ近くの岩場を見ながらそう言った。 

 

 風呂を作る時、危なくないように適当に岩をどかしたりしたが、それ以降は手をつけた覚えは無いんだけどな。


「んじゃ、ゴーレム。ちょっと掘ってみてくれ」


 だから、魔石の槌をつけたゴーレムにゴリゴリと岩場の地面を掘ってもらった。すると、


「おっ?」


 地面からは、とぽとぽと、綺麗な水が湧いてきた。


「こんなところで、湧水?」

「みたいですね」


 やけに透明度が高い水だが、どうしてこんな所から出てきているんだ。

 地下水脈があるのは分かっているけれども、水が勝手に管を作って、この岩場から噴出したわけでもあるまい。

 

 そう思っていると、サクラが地面を見ながら頷いた。


「主様。どうやら水を含んだ魔石が、岩場の地下に生成されたようです」

「ああ、この前の青いアレみたいなやつか」


 この前、ダンジョンマスターから取得した魔石の半分は地面に埋め込んだのだけれども。

 それに近いものが、岩場に生まれたのか。


「はい。そして、そこから染み出た水がこうして出ているのかと」

「魔石からの水、ねえ。……飲めるのか?」


 不思議な事に湧いてくる水は土で汚れる事もなく、岩と岩で構成されたくぼみに溜まりつつある。

 どういう現象かは分からないが、これだけ透き通っているなら飲めそうな気もする。


「ちょっと調べてみます。ええと……成分的には、普通のお水のようですね。魔力で保護されて、清潔な状態を保たれているようです。……この家(私)の水道は龍脈にある水脈からくみ上げているのですが、それに近しいものですね」

「ああ、ウチの水道ってそういう風になっていたんだっけな」


 殆んど気にせず使っていたから忘れていたけれど。


「ともあれ、魔石から染み出ているだけなので魔力濃度的には薄いですが、菌類の繁殖もないので、飲用は可能です」

「飲めるのか。そうか」


 サクラの調査も終わったので、軽く手で触れてみる。すると、


「おー、つめてえ」


 予想以上にひんやりした感覚が手に来た。

 地下から染み出てきているからか、かなり冷えているようだ。


 その水を少しだけすくって、口に含んでみると、


「……うん、これはこれで美味いな」


 水道水よりも柔らかい気がする。

 水の良しあしなんて分からないので気のせいかもしれないが、少なくとも不味くない。


 ……折角、これだけの水が出ているんだから、何かに利用したいところだよな。


 思いながら、俺は近くにある温泉に目をやった。


「この位置だと……ちょっと場所を整えれば、温泉備え付けの水飲み場としても使えそうだな。あとは、そのまま飲むんじゃなくても、飲み物を冷やしたりするのにもいけそうだ」

「ああ、それは素晴らしいですね! お風呂上がりに、冷たいものをさっと飲みたい時便利です」


「そうだな。じゃあ、ちょっとこの辺りを綺麗に改装して、設備を作るか」

「はい!」


 どうやら、このウチの地下からは、温泉だけではなく、美味しく冷たい水が流れ出てくれるようで。

 天然のウォーターサーバーが、ウチの温泉に付いてくれたようだ。


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