表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

158/309

-side ディアネイア- 確かな強化

 ディアネイアたちは、洞窟の中にいた。


 天井の高い洞窟内部は魔石の光に照らされて明るい。

 それだけに彼女たちに襲いかかってくるモンスターの姿が良く見えた。


 それらをディアネイアたちは次々に倒していた。


「ふう、五分に一回くらいのペースで出会うと、中々消耗するものだな」


 と、汗を拭う彼女に、隣でスライムを叩きつぶしていたアッシュも同意する。


「ヒャッハー。出来たてのダンジョンなんてこんなものだから、そりゃ仕方ないぜ姫さん。ただ、もっとヤバイ所だと、何時間もぶっ通しで戦い続けなきゃいけない場所とかあるしな」


「それはそれで嫌だな。一斉に来てくれた方が、私としては火力で薙ぎ払えて良い気もするが。――っと、ファイアランス!」


 話している最中に来たゴブリンを、ディアネイアは遠距離から焼き尽くす。


「ヒャッハー、やっぱり姫さんの火力はすげえな」

「まあ、この程度のモンスターくらいならば、楽に倒せるさ」


 魔法一発で沈むなら、手間にもならない。


「これだと物量はあんまり意味がねえから、こういう連戦の方がきついわけか」

「そういうことだ。……まあ、単純にダンジョン探索に慣れていなくて、無駄に消耗している感はあるが」


 シャイニングヘッドたちに比べると、自分の体力消耗は激しいような気もするし。


「ヒャッハー。そりゃ、ダンジョンは人の心も体も削るからな。こんなところでゆったりできるのは、大型モンスターか化け物くらいさ」

「まあ、そうか。人に優しいダンジョンなどそうそうないか」


 壁から顔を出している魔石は明かりになるが、微量の魔力を発生させてきて、感覚を微妙に狂わせてくる。


「君たちがダンジョンに詳しくて助かったよ」

「ひゃっは、これが俺たちの専門分野だからな。そういう部分で負けてちゃおしまいだ。だから――テメエら! 俺たちが先行して引っ張ってくぞ!」

「おうよ、向かってくるモンスターは即座に処理だ――!」


 シャイニングヘッドの面々は元気そうに走って進んで行く。

 本当に彼らをやとっていて良かった、と思っていると、


「うおおおお! 一旦ストップ――!」


 走っていった連中が急に止まった。

 彼らの前方には、巨大な影があったからだ。

 その影は、ディアネイア達には見覚えのあるもので、


「……ダンジョンマスター、か」

「グ・オオオオ……!」


 いつぞやか、己をボコボコにしてきた、狂暴な敵の姿だ。

 大きさは、数メートルとそこまででもないが、既にサーヴァントデモンを生みだし始めている。


 その数は既に十体を越え、既に一個の群となっていた。


「やべえ……! 姫さんたちを守るぞ」

「おう!」


 シャイニングヘッドは、真剣な表情でディアネイアたちの周りに付いた。

 護衛の構えだ。


 有難く、頼もしい冒険者だ、と思いながらも、


「すまんが、ちょっと前に出させてくれ」

「ひゃっは、姫さん!?」


 ディアネイアは彼らの前に出た。


「お、お姉さま……な、何を!?」


 背後からは、アテナの心配そうな声が聞こえてくるが、

 

「さっき、アテナが言っただろう? 戦い方を見たい、と」


 ディアネイアは杖を振りかぶって、笑った。

 以前は恐れに恐れたダンジョンマスターだが、今では全く怖くはなかった。


 ……ダイチ殿の力になれすぎてしまったかな。


 笑みは苦笑に変わる。


「かつて敗北した時から、成長した証を見せてくれる……!」


 そして杖に溜まるのは、莫大な魔力の炎。 

 渦を巻いて集まる灼熱の光は、やがて槍の形に変形する。


 ……あの時とは、違う。


 自分は彼に憧れて強くなった。

 そして憧れた以上、同じ無様を繰り返すわけにはいかない。だから、


「プロミネンス・デュオチャージ!」


 気合を入れたディアネイアの振りおろしと共に、炎の槍は投擲された。

 オレンジと青の混じった、巨大な炎の槍はそのまま一直線に突き進み、


「グオ……!?」


 サーヴァントデモンごと、ダンジョンマスターを飲み込んだ。


 ダンジョンマスターの耐久力は凄まじく、その炎の槍のなかで数秒、立って耐えたが、


「……!」


 十秒後、その場で崩れ落ちた。

 彼らを一歩も動かす事なく、そのまま焼きつくし、消滅させたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●コミックス最新3巻発売のお知らせ
4/19(金)に『俺の家が魔力スポットだった件』のコミックス3巻が発売されます!
 面白いので是非お手に取って頂ければ嬉しいです! 
↓の画像はコミックス3巻の表紙です。クリックでコミックス3巻の公式サイトに飛べます。
avsf2uwqhujmfl939pohhpkl2j8k_1255_e6_k5_5sbz.jpg
  ●同時連載作品のご紹介
こちらの連載も応援して頂けると嬉しいです!
最強の預言者な男が、世界中にいる英雄の弟子に慕われながら、世界を回る冒険者をやる話です。
 100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます
https://book1.adouzi.eu.org/n2477fb/

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ