表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

145/309

124.いつもの調子で、ゆったりと

 街から帰ってきて数日、俺は、とてもよく眠っていた。

 近場の街といえども、やはり知らない土地で眠るよりも、自宅の方が寝付きがいい。


 街とは違ってとても静かな空間なこともあるだろう。

 だから今日も俺は昼過ぎまで眠っていた。


「あ、おはようございます、主様」


 目を開けると、ニコニコとしたサクラがいた。

 テーブルには温かそうな食事が並んでいる。


「おう、おはようサクラ。あと、用意がいいなあ」

「ふふ、主様の体調管理はしていますから、起きる時間はなんとなく予測できます。今、パンを焼いているので持ってきますね」

 

 サクラは微笑してキッチンの方に向かった。

 起きてすぐに食事が出来るのは有難い、と俺は顔を洗った後で飯にする。


 ここのところは毎日、睡眠時間を長く確保しているので、体は快調だ。

 だから寝起きでも、食事はバクバクと食べられる。


「ん? このパン、いつも以上に美味いな」


 普段からサクラ手製の料理は美味いと思っているが、なんだか、今日は特に美味しい感じがする。

 

「そうですか? 人狼の方々が持ってきた小麦粉でいつも通りに作ったんですが、高い小麦粉でも持ってきてくれたんですかね?」


 そうなのか。だとしたら、人狼たちには礼を言っておかないとな。

 あと、渡す金も多めにしておこう。


「祭りの時に出た売り上げも、かなり部屋を圧迫しているしな」

「そうですねえ。まさかリンゴが詰まっていた部屋が、全てお金の袋で埋まるなんて……」


 店から金の袋を運んできたらそうなった。

 結局、リンゴの在庫で埋まっていた場所が、金銭に変わっただけになった。

 いや、確かに圧迫感は少なくなったんだけど、重さ的にはむしろ増えたような感じもする。


 ……人狼も竜も、騎士たちも買い過ぎなんだよ……。


 作った分が全部売れたのは有難かったんだけどさ。部屋が使えないのは、結局同じだ。

 だから人狼達にでも渡して減らした方がいいかなあ、と思っているのだが、

 

「下手に渡す額を増やすと、あいつらドン引きするからなあ……」

「あ、あはは。主様が銀貨袋を二桁単位で渡された時は、引いた上に泣いていましたからね」


 そうなんだよな。実際、あいつらに大目に渡そうとすると、


 『お、恐れ多くて受取れません。どうか、なにとぞご容赦を』


 しか言わなくなった。前よりも親密になったから受け取ってもらえるかと思ったのに、あの態度はいつまでも変わらないらしい。

 で、結局いつも通りの額しか払えなかった。

 程度は考えなければならないようだ。


「まあ、金銭関係はあとで決めればいいか。今は庭の調整とかもしたいし」


 精霊がダンジョンに住んでから、庭の環境が微妙によくなった。

 樹木の成長は何もしなくても素早くなったし、実そのものも大きく育つようになった。


「やっぱり精霊の力なのかね」

「恐らくは。私の感じる限りでは、魔力の量的にはほとんど増加していないのですが……自然環境がより快適になった、と思います」

「へえ、なるほどなあ」


 もしかして、この寝付きやすくて目覚めやすい丁度いい環境を作っているのも、精霊の力があってこそなのかな。


「それにしても、あいつら、凄く役立つな」


 あれから、ダンジョンの空調管理とか、そこから染み出る温泉の温度管理とかもしてくれていたりする。

 なので、地下空間はかなり過ごしやすい状態になっている。


「ダンジョン管理人として有難い存在だよな」

「そうですねえ。彼らはこの家(私)や龍脈を刺激しないように丁寧にふるまっていますし、補助としてはとても優秀ですね」


 サクラとも上手くやっているようだし、彼らは上手くこの土地になじんだようだ。

 俺としても彼らがいてくれると、精霊の力の塊……精霊石とかいう素材を提供してくるので、色々実験で来て面白かったりする。


 ……今日も朝から精霊石を出してきたしなあ。


 数日に一個くらいのペースで俺の下へ持ってくるものだから、それはそれで溜まってしまったりする。

 ヘスティと一緒にどう使えば良いか、あとで会議してみようかね。


「っと、ごちそうさま。美味かったよ、サクラ」

「はい。ありがとうございます。……それで、外にディアネイアさんらしき反応がありますが、どうしますか?」

「へえ、ディアネイアが来てるのか」


 窓の外を見れば、確かにそれらしき人影は見える。

 祭りが終わって何日も経ってないのに忙しいことだが、何の用だろうか。

 

「まあいいや。腹ごなしの散歩ついでに、会いに行ってくるよ」

「はい、いってらっしゃいませ、主様」


 サクラに見送られながら、俺はいつものように、外へ出かけることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●コミックス最新3巻発売のお知らせ
4/19(金)に『俺の家が魔力スポットだった件』のコミックス3巻が発売されます!
 面白いので是非お手に取って頂ければ嬉しいです! 
↓の画像はコミックス3巻の表紙です。クリックでコミックス3巻の公式サイトに飛べます。
avsf2uwqhujmfl939pohhpkl2j8k_1255_e6_k5_5sbz.jpg
  ●同時連載作品のご紹介
こちらの連載も応援して頂けると嬉しいです!
最強の預言者な男が、世界中にいる英雄の弟子に慕われながら、世界を回る冒険者をやる話です。
 100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます
https://book1.adouzi.eu.org/n2477fb/

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ