表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

133/309

115.竜王の約束と力溜め

 昼飯を食ってから店の外に出ようとすると、同時にヘスティも出てきた。


「あれ、ヘスティも出かけるのか?」

「ん、……不本意だけど、今日は、アンネたちと一緒に回る。約束をしてしまった」


 ヘスティは滅茶苦茶、渋い顔をしていた。

 かなり嫌そうだが、なんでそんな約束をしてしまったんだか。


「先日、ラミュロスの面倒をみろと言った。その代わりに、最終日は自分と回れと、言われた」

「ああ、だから昨日、アンネとラミュロスは一緒にいたのか」


 どうして一緒にいたのか分からなかったけれど、そういうやり取りがあったんだな。


「なるほどなあ。あそこの街角にアンネがスタンバイしてるのもそのせいか」

「……え?」


 ヘスティは目を見開くが、気づいていなかったんだろうか。

 俺の店の反対側の路地に隠れるようにして、アンネが立っているじゃないか。


「姉上さま姉上さま姉上さま姉上さま……!!」


 目をキラキラさせてブツブツ呟いているのと、雰囲気が割と不気味だったので、見ないようにしていたけれども。


 そしてヘスティも、アンネを見ないようにしつつ、俺の顔を見上げてきた。


「どうやら、アナタの大きな力で、感知が上手くできていなかったみたい。そして、なんというか、アレの視線を浴びさせて、御免なさい」

「いや、謝られることでもないんだけどな」


 視線は明らかにヘスティに集中しているから、そんなにペコペコしなくていい。


 まあ、あの路地だけは空気がおかしなことになっているというか、人が全く寄りついていないけれども。


「……とりあえず、向かいのお店に謝ってから、一緒に歩くことにする」


 ヘスティは諦めたような目になって、頷いていた。

 なんというか、本当に苦労人だなあ、とヘスティを見ていると、


「あ、それと、出かける前に、ひとついい?」

「うん?」


 彼女はこちらに振り向いて、俺の手に触れてきた


「どうした?」

「やっぱり、アナタのコーティング、緩んで来ているから気をつけた方がいいかもしれない」

「緩んでいる? どういうことだ?」


 この街に来てからずっとコーティングを張りっぱなしだけれど、使用制限時間とかあるのだろうか。


「ん、ちょっと、違う。今までコーティングで、魔力をせき止めていた分が、体に溜まっているのが現状。だから、アナタは今、いつもより強い力が出る状態、ということ」


 へえ、コーティングってそんな効果があるんだな。


「いや……普通は、魔力をせき止めていても微々たるものだけど。アナタは、保有のスケールが違うから。多分、解放すると、凄いことになる」

「あー……もしかして、さっき魔力の波動とやらが出たのはそのせいか」


 ちょっと強い勢いで言葉を出しただけで、重圧みたいなものが出ていたらしいし。


「それも、あるかもしれない。だから適度に魔力を使って、発散すると、良いと思う」

「おー、そうか。前もって教えてくれてありがとうよ」


 こういった事前知識は本当に有難い。

 分かっていれば、適当にゴーレムを作るなりなんなりで発散すれば良いだけだしな。


「それじゃあ、我、行ってくるね。……地獄に」

「お、おう、色々、頑張れよー」


 ヘスティはアンネの元に歩いていった。

 その後、ヘスティの体をさらうように持ってから、アンネは走り出した。


 ……うん、まあ、楽しみ方は人それぞれだしな。


 色々と問題はあるだろうけれども、楽しいなら何よりだ。

 俺も今日は店を短時間で終わりにして、サクラと一緒に街へ出ようかね。


 そう思いながら、俺は三日目の店を開けることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●コミックス最新3巻発売のお知らせ
4/19(金)に『俺の家が魔力スポットだった件』のコミックス3巻が発売されます!
 面白いので是非お手に取って頂ければ嬉しいです! 
↓の画像はコミックス3巻の表紙です。クリックでコミックス3巻の公式サイトに飛べます。
avsf2uwqhujmfl939pohhpkl2j8k_1255_e6_k5_5sbz.jpg
  ●同時連載作品のご紹介
こちらの連載も応援して頂けると嬉しいです!
最強の預言者な男が、世界中にいる英雄の弟子に慕われながら、世界を回る冒険者をやる話です。
 100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます
https://book1.adouzi.eu.org/n2477fb/

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ