恐ろしい部族
そこそこな時間になったのでおばちゃん家に行くと料理を作っていたのでお手伝いした。
野菜を切ったりするだけだったけど、おばちゃんが張り切って教えてくれた。感謝である。
その間、ミーアはミュンちゃんが相手をしてくれていて助かった。
夕食の時間になったので食事を食べた後に、朝持ってきたメロンを食べたのだけれど、みんな口にした途端に夢見心地になってしまった。
私も久しぶりの赤肉メロンに満足である。
ミーアはメロンの種の部分を絞った甘い汁を口にして興奮していた。美味しかったようである。
自宅にミーアと帰って、お風呂に入り、魔法でミーアの髪を乾かすとぽあぽあになって素晴らしい触り心地だった。
幼児の髪ってふわふわしているよね。
寝る前に水分を摂らせてからベッドに2人で横になる。
日に日にお母ちゃんの匂いが薄れてきて泣きそうになる気持ちをミーアを撫でてまぎらわせる。子供の体温って高い。
ぽてっとミーアがスピスピと寝たのを確認してから私も眠りについた。
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む、む?なんか、顔に重みを感じる。いや、既視感がある。
寝起きのぼけぼけした頭で目を開けると、起きたミーアが私の顔を触っていた。
臭う。臭うぞ。
ゆっくりと起き上がり、臭いの元のミーアに浄化を掛けてからベッドにも浄化をかける。
あーあ、お母ちゃんの匂いが完全に消えてしまった。
ま、おねしょしたベッドで寝るのが嫌なだけだったんだけどね。
着替えをして、2人分の朝の支度をしたら、白桃を5つ創造して布製の鞄に入れてからミーアをおんぶしておばちゃんの家に行く。
え?洗濯はいつしてるんだって?
浄化が使えるから下手に洗濯するより衣類は綺麗ですよ?
手間もかからないので一石二鳥です。
「おばちゃん!おはようー!」
「あら、セーレちゃんもミーアちゃんもおはよう。よく眠れたみたいだね。今から朝食の準備をするからね」
「あ、待って、おばちゃん。果物のお土産があるんだ」
首にかけている布鞄の中から白桃を机の上に取り出した。今すぐでも食べれるくらいに熟されている。
「これはね、薄く皮をめくってから、中心におっきな種があるから切り方に注意しないといけないんだよ。でも美味しいからね!」
「毎日ありがとうね。でも、大事なお金が無くなるかもしれないだろう?もう、気をつかわなくても大丈夫だからね」
心配そうなおばちゃんに笑顔を向ける。
「大丈夫!昨日、初めて薬で大儲けしたから!ちょっと贅沢するくらいでお金は無くならないよ」
「ほう!もう薬が作れたのかい!良い職業をもらったね。セーレちゃん偉いよ!」
身近な人に褒められるって照れる。
えへへっと、ミーアをおんぶ紐から解放する。
おばちゃん家の床を転がっているスライムを追いかけにいった。あれだね、ル◯バだね。
ミーアがスライムに埋もれないように監視していると、おばちゃんが手早く朝食を作ってくれた。
「温かいうちにおあがりよ。ミーアちゃんは私に任しておくれ」
「うん。ありがとう、おばちゃん」
食前の祈りをしてから、まだ温かい料理を食べる。
お腹がぽかぽかしてきた。胃が動き出したぞ。
卵を美味しくいただきながらミーアを見ると、涎を垂らしながら料理を食べさせてもらっていた。もう少し早く朝、起きるべきかな?ミーアも私も身体が小さいから燃費が悪いんだよね。でも、お腹が空いたって泣かないから進歩だぞ。その分私がミーアの腹具合を管理してあげないといけないんだけどね。
ミーアは太っても痩せてもないから、間食・おやつを増やしても良いかもしれない。
う〜、地球の私が子育てをしていなかったから、子供の育て方がうろ覚えだー。
味噌汁を飲みながら、今日は白味噌かと味を確かめる。
そうです。この世界には『味噌』があるんです!
面倒くさがりの私が『味噌の木』を生やして、原住民に神託したのがきっかけです。
実を収穫したらあら不思議!味のする柔らかい物が入ってるぞ!塩の代わりになるんじゃないか!?ってね。
調子に乗って赤味噌、白味噌、合わせ味噌、田舎味噌を作ってしまった。
あ、実は醤油の木もあります。普及させたかったのです。
醤油は初めは警戒された。黒いから『毒』なんじゃないか?って。
でも、鑑定待ちが鑑定してみると「万能調味料だ!塩の代わりになるぞ!」とわっしょいわっしょいと挿し木で増やしてくれて、今は何処でも安価で収穫できる。昔の人に感謝だね。
魔力を注げば実が成るのが早くなるから専門の農家さんもいるくらいだ。魔力の多い村人やお年寄りの人が魔力を注いでいたりする。
野菜も同じで魔力が多い土地は作物の成長が早くなる。これは地脈に影響されるけど、大体の人は種を植えてそれに魔力を注ぎ続けると1日で収穫する事が出来る。
大体、魔力300で一個のキャベツが収穫出来るくらいかな?5歳の子供くらいになると親が子供に魔力を使わせる練習をさせるから、小さなお花を咲かせさせたりして達成感を覚えさせて、次は美味しい作物を育てさせたりする。
魔力は使えば使うほど増えるので、そうやって魔力トレーニングをする。
魔力が体から無くなると、強い脱力感を覚えてベッドの住民になる。そうやって子供は魔力の限界値を覚えながら育つので、物乞いをする者は基本的にはいない事になっている。孤児院に保護されるからね。
それでもひどい地域があって、勉強させてくれない場所や孤児院の無い地域で食うに困って子供を捨てたり食べたりする親がいる。そういう地域には神を信仰する人がいないから神官をつくれないし、10歳に職業を選ばない原始人のような人々が住んでいる。孤立集落だね。
地脈が薄い所に居を構えてしまって、実りは悪いけれど、地脈が弱いから強い魔物がいなくてなんとか暮らしが成り立ってしまう。
ほら、地球にも居たでしょ?未開の地域住む人達が。そんな感じになってしまっていて、正直見るのが辛い。本当に原始人の暮らしだよ。
一度、近くの王国から神託を与えて使節団を送り込んだら、あら大変!寝ている間に見ぐるみ剥がされて最後は食料にされちゃった。
それからは神託で「関わるな」と注意を促して細々と集落は大きくなったり小さくなったりする。当時の王国の人は混乱しただろうね。使節団が帰って来ないどころか、神が「助けよ」と神託したにもかかわらずに最後は「関わるな」だからね。私としては集落は自然消滅してほしいかな。可哀想だけど。時代に取り残された人々がいるんだ。
いや?今なら洗脳されていない5歳未満の子供達だけを保護という名の神隠しにして、一番大きな国の帝国の孤児院の前にポイしたらいいんじゃない?帝国は神の恐ろしさを受け継いでいるし、教会の権威も強いからお金はがっぽがっぽだし。
ミーアは巻き込めないからおばちゃんに預けて、私だけ動けばいいんじゃない?
ふぉー!地上にこんなふうに関われるなんて転生万歳だね!
でも面倒くさくもあるんだよね。そんな集落が1つじゃなくて広い大陸中に点在しているって事。
大仕事になるけど、いつかは理想の世界にする為に頑張らないといけない。きっと今が踏ん張りどころだ。
そうなると、受肉した身体が惜しくなるな。このまま寿命まで生きて朽ちるだけの肉体を健康なまま保持したくなる。
子神達も地上で遊ばせるつもりだし、でも生きている人には魂が入っているから神の好き勝手には出来ないので、新鮮な居なくなっても問題ない抜け殻の生身の身体が必要だ。
難しいなぁ。
死んだ探索者の身体は魔物に食べられちゃうし、街町や村で亡くなった死体は丁重に埋葬されるし。
意外と好き勝手出来る肉体がないぞー!
私が人を創造すると魂が入っちゃうからなぁ。
亡くなった人の死体が転生の渦に入ったのを確認してから死体の腐敗を再生して、神様コーティングしないといけない。人を殺すと罪になるから自然死が望ましい。
でも、ヨボヨボの年寄りの身体を子神達に与えるのは嫌だなぁ。




