表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は最愛の婚約者との婚約破棄を望む【連載】  作者: 水野沙彰
第2部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/76

オデット・ラマディエだった者1

オデット目線の後日談です。

中編程度になる予定です。


※第1部の騎士団長令息の名前を、アルノーに変更いたしました。

 (名前が被ってしまっていたため)

 よろしくお願いします。

「もうっ! マナーに、歴史に、文字の練習に……仕方ないじゃない! 私、元々平民なんだからぁー!」


 私──オデットは、光が当たると独特の桃色に光る艶のある銀髪を振り乱していた。夕暮れ色の丸い瞳は、対処できない課題に涙で濡れている。

 王宮に来るように言われた。私の時代が来ると思った。

 でも、私のピークって、きっと悪役令嬢の罪を断罪しようとしたあのパーティーだったのよ。十八歳にして人生のピーク終了。後は退屈な人生を送って、適当なところで死ぬの。


 ──逃げちゃう?


 咄嗟に甘い甘い誘惑の言葉を脳内の悪魔が囁いた。

 部屋は二階。あるのは扉と窓が一つずつ。扉の向こうには王宮に仕える屈強な騎士。


「……となればここでしょっ!」


 桃色の花弁のようなシフォンが重ねられたドレスに桃色のシューズ。頭にはやはり桃色の大きなリボン。……いかにもロマンス小説のヒロインのような可憐な服装で、私は窓枠を華麗に蹴って外へと逃げ出した。


 ──バイバイ、私の部屋。……また夜になったら帰ってくるけど。行くとこないし。


 まずは物陰に隠れよう。そう思って庭の方へと踵を返した瞬間、私の視界は深い緋色に覆われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ