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突破

「よし。ここなら十分に届くだろうな」


私たちはビルに到着後、その文明の叡智の一つであるエレベーターにより最上階に登り、屋上へと駆け上がるともう雲との距離は前回とは比べ物にならないほどの近さを纏っている。


「これなら私もあまり体力を使わずに容易に雲の上に行けますよ!」


正直、夢の世界でもエレベーターが使える可能性については微妙なところではあったが、全く問題なく目標の位置まで辿り着くことに成功し、次の目的地であるあの雲の上へと到達することが目標となる。


「じゃあ。兄上。サラ。準備はいい?」


「ああ」


「OKよ!」


シスは私たちに確認した後、瞼を閉じ、若干の深呼吸をし始めると周りを漂う風たちが一気に私たちの周囲へと集結を始め、渦巻状の大風を再び作り出す。


「二人とも。今回も少し息苦しいかもしれないが少しの辛抱。我慢してくれよ」


そして、徐々にフワフワと体が浮くような感覚が足の先から体全体へととめどなく感じられ、それと共に纏っている衣服たちもバタバタと駄々を捏ねる子供のように激しく揺れ動く。


上を見上げるともうすぐ目の前に雲があるのが見え、これならば少ない時間で目的地に辿り着けることを私は確信した。


あと少しだ......待っててくれ。必ず助け出して見せる。


だが、もう一つ私の中につっかえている不安は雲へと一つ一つその階梯を昇っていくごとに増していっている。


おそらく、あの上にこの前の敵とは違う黒幕とも言える敵が待ち構えているであろう。


「サラ。今シスが攻撃を受ければひとたまりもない。お前は十分周りを警戒してやってくれ。敵はどこに潜んでいるのかわからんからな」


「わかった。もしかしたらこの前に兄様を襲ったやつがまた来るかもしれないしね」


その会話を繰り広げているうちもどんどんとこの大風は上昇を続け、遂に頂の部分が雲の一部に触れているのが見え、私たちがそこに到達するのもあと一歩というところまで辿り着いている。


「二人ともー!!もう少しで到着するから準備しといて!」


その言葉がいい終わりそうになると同時にシスの体は雲の中へとすり抜けて入っていき、私とサラの目の前にも真っ白い雲の群れが建物の天井のようにかかっている。


「よし。サラ。少し飛んで早く上にあがろう」


「そうね!」


私たちは時短のためにスッと体を雲の上へと押し上げてみると、その足はピタッと雲の上に乗り、その世界は依頼内容にあった真っ暗な世界がそのままに一面広がっているのがわかる。


「おやおや。随分とお早い到着だったね」


誰だ!!.......声のした方向に体の向きを変えると何やら奥の方から不気味な人影らしきものがゆっくりとこちらの方へ歩み寄ってくるのが捉えられていた......







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