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異端を狩る者の詩は誰も歌わない  作者: 大嶋コウジ
ワールド弐の二:サダク編:キュンキュンブーメラン
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始めの魔物退治

 今日のバイトは、始めて魔物退治というのを選んでみた。もちろん、ポンコツ魔道士の私でも出来そうなやつね。まぁ、ポンコツって言ってもある条件を満たすと魔力が貯まるようになるんだけど、この"本物"世界ではどうなるんだ?


 ただ、結局、二人だけだし、初めてで不安だったから、サダク、フムアル、シェラの三人にも声をかけた。複数人でやるバイトだから一人分の報酬は少なかったけど、文句を言いながらも手伝ってくれた。ありがたい!しかも、あのイェッドも手伝うとか言ってきた、変な子……。


 バイトは、畑を荒らす鳥を退治して欲しいという内容だった。

 現場に到着すると、凄い鳥たちが畑で暴れていた。野生の鳥といっても私達ぐらいの大きさだから化け物みたいな鳥で人間を見ると襲ってくる獰猛なやつだった。これ初心者向けなの?嘘でしょ?


「えぇ~、あれぇ?目つきが怖いし、くちばしも鋭いし、足の爪も鋭くて、ヤバそうだよ……」


「なんだよ、レイラ。怖いなら帰っていいぜ?」


「ふ、ふざけないでよ、サダクッ!わ、私だってやれるわよっ!」


「わ~たよ、危なくなったら俺の後ろにいろよっ!」


「うう??うん……」


 ちぇ、格好いいこと言うんだよなぁ。私の顔は赤かったと思う……。


 ともかく、この鳥たち、数もめちゃくちゃ多くて、私達を見つけるなり、いきなり襲ってきた。


「いくぜ?」


 サダクはリーダーになってそう言うとみんなうんと頷いた。


 襲ってきた先頭の鳥たちはサダクとイェッドが剣で倒した。

 そして第二陣にギエナが切り込んでいった。ギエナって改めて思ったけど、戦闘向きなのよね。ハルバードを持っていて鳥が空を飛んでもピョンって飛んで切ったり、蜘蛛の糸で引き寄せて切ったりと、あの子は強すぎ!

 フムアルは補助魔法で二人を援護して、シェラが後ろから魔法で攻撃していた。焼き鳥が沢山出来るから見ていて面白かった。わ、私は……。


「おいっ!レイラは役立たずなんだから後ろにいろってっ!」


 ギエナってば調子に乗って!さすがに私もムカッときちゃった!


「ふざけないでよっ!見てなさいっ!」


 私は魔力回復の薬をがぶ飲みして強大な炎の魔法をぶっ放してやった。無駄に知性だけは高いから高度な魔法は覚えているんだからね。


<<ワ・ルユユ・ヤ!>>


 五、六匹は残っていたけど、全部焼き鳥にしてやったわ!さすがにみんな驚いた顔をしていた。えっへん!


「ぬ、ぬおぉ?!」

「や、やるじゃないか」

「すごいっ!」

「……」


 若干、一名何も言わない龍族がいたけど、私はそれどころじゃなくなった……。


「う、うっぷ……」


 魔力回復薬を飲むと、いっつも気持ち悪くなって吐くのが定番だった。ゲームではこんな設定は無かったんだけど。さ、さすがに今日は大量に飲みすぎた。


「お、おぇぇぇぇ……」


 これにはみんなさすがに引いていた。私は女子として何かを失った気がした。


「あ、あぁ、飲み過ぎだよぉ……」


「あ、ありがとう、ギエナぁぁ……うっぷ」


 ギエナは水を持ってきて背中をさすってくれた。


「はぁ……、はぁ……。お酒の飲み過ぎだよ、これはぁぁ……。うげぇぇぇ……」


「ぷっ!!あははははっ!面白すぎじゃまいかっ!」

「あははっ!酔っ払いみたいだな」


 ギエナもイェッドも笑いおってからに……。


「ふふふっ!」

「これが禍族かと思うと伝説なんて信じられないな、ぷぷぷ……」


 フムアルもシェラも笑って!もうみんなして大笑いしおって……。乙女のプライドはズタボロだぞ……。

 と、ともかくバイトは、クリアしたんだから良しとしよう……、うぇっぷ……


ワ 我は

ル おおきな

ユ 炎を

ユ (前文字の強調)

ヤ 放つ!

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2025/11/19 設定ミス修正(笑)

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