魔導学校の日常
この世界では、炎魔法に氷魔法、水魔法に雷魔法、風魔法、そう全部ゲーム通り、テンプレみたいな属性魔法が存在した。
ゲームだとファイアとかブリザードとかそういった名称だったけど、詠唱の仕方で魔法の種類が変わった。つまり、魔法文字を指先や杖を使って書く必要があった。書くだけだと効果は薄いので言葉に発する必要もあった。ゲームっぽい。
それに、この世界では、魔法は生活と切っても切れない関係にあった。
例えば、雨も無くて川も無いけど、幸い湿気だけはすごいのよね、だから水は空中から凝集する魔法を使って集めていた。魔法が出来る前まではどうしていたんだろうかって思う。
そんな魔法だけど、以前の私とは違って、こ、恋人……ゴホン……が出来てからは生活が徐々に変わっていった。なにせ「禍燃費ランプ」だった私が急に強力な魔法を使えるようになったわけで。学校のみんなはビックリしていた。
今日も魔法実技の授業で私は炎の魔法を唱えた。
<< ワ・ルルユユ・ヤ! >>
巨大な炎の塊が杖の先から飛び出して大きな音と共に巨木を燃やした。他の生徒達は歓声を上げて私はちょっと有頂天になった。自慢じゃ無いけど、いや、今までは劣等感しか無かったけど……、ともかく今は、これだけの強力な魔法を使えるゆーしゅーな生徒になった、えへへ。
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寮の洗濯は学生達が持ち回りでやっていた。こういったのってゲームだと全然表現されていない。当たり前だけどさぁ……。
んで、洗濯は魔法を駆使して水魔法やら風魔法やら、乾燥は炎魔法と風魔法と魔法同士を組み合わせ。半自動洗濯機って感じ。
ただ、魔法が苦手なギエナみたいな戦士タイプの魔族達とか、私みたいな魔法が使えない者達……つまり、魔法劣等生も居たわけで……、そんな彼らと一緒に手で洗ってた。つまり、原始的な手法ね……。
でも、今は違うぞ。
<< ワ・ルケメ・イソ・ツ・ル・ツ・ル >>
空中に水を集めて洗剤を混ぜてそこに服を入れて、グルグル回した。水の塊も超巨大!一気に洗濯物も洗えるようになったのだ~!
「おぉ、レイラすごいっ!全部洗えるんか~いっ!すごいんじゃまいかっ!」
「ふふっ!もっと褒めて良いぞ~」
ギエナが褒めてくれたから調子に乗ってしまった。少し自惚れてたかも。そしたらノリの良い女子魔族達が褒めまくってくれて、恥ずかしくなった。
「よっ!禍族ならぬ、洗濯女子っ!」
「助かるなぁ、今度、ご飯おごるね」
「はぁ~、禍族だったレイラも成長したね」
「もうすぐ上級組になるんじゃない?」
「あぁ、寂しいね」
上級組というのは魔法のエリートクラスだった。
「えぇ、やだよぉ……、みんなと洗濯したい」
「あたしらもそうだぞっ!」
ギエナがそう言ったらみんなもうんうんって頷いてくれた。強面もいるけど、良い仲間だなぁ。
「いいやっ!みんなにはすまんが、彼女は上級を超えた特急組だなっ!」
なんと唐突に校長が現れた。
「こ、校長先生!?」
どこから来たんだ!?みんなポカンと口を開けていた。あれ、特急組なんて無いぞ……。
「すばらしき魔導洗濯!やはり、私の見込んだとおりだったっ!」
「こ、校長先生、このぷりんちゃん……じゃなかった、この杖のお陰です」
実際、この校長からもらった魔法回復の杖から魔法が常に供給されているから無尽蔵に魔力が貯まった。普通は一晩寝るか、魔法回復薬を飲まないと貯まらないからね。ぶっちゃけ、あの薬を飲むのはもういやだ……。
「そうか、役に立っているようだな。それなら良かった……ふははははは……」
笑いながらサクッと消えてしまった。何しに来たんだろう……。
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少し前の時間……
少年は星の管理者と話をしていた。星を守る神とも呼べる存在の言葉は翻訳できない点、ご了承願いたい。
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│この星は多様な種族による魂修行が │
│テーマですよね │
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│…… │
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│種族が多すぎ?争いも絶えない? │
│そうですか…… │
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│…… │
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│それ以前に生まれ変わりが無くなって │
│星自体の成長も止まってますし │
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│…… │
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│はい、お困りですよね…… │
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│…… │
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│えぇ、そんなに長く? │
│これでは地獄界も拡大してますよね │
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│…… │
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│停滞しまったことは事故ですし、 │
│何とかしたいとお父様も考えています │
│そのためにこの地に来ましたので │
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│…… │
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│う~ん、地球からの使者との協力で │
│何とか出来るかと │
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│…… │
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│えぇ、最悪、霊界の崩壊で │
│星が極小化してしまいますから…… │
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│…… │
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│それだけは防ぎます!ご安心ください! │
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ワ 我は
・
ル 大量の
ケ 水を
メ 集め
・
イ 風で
ソ 固め
・
ツ・ル かき混ぜる
・
ツ・ル (再度強調)




