第10話 この世界のローマ帝国の建国と大復興、更にはエウドキヤ
さて、エジプトが第5部で独立しましたが、そうは言ってもオスマン帝国の属国、属領に過ぎず、完全な独立国とは言えない状況です。
かといって、エジプトがオスマン帝国に対して更なる戦争をするにしても、日本等の関係もあって、それなりの大義名分がエジプトには必要です。
そうしたことから、エジプトの対オスマン帝国の大義名分を造る必要が私には生じました。
そんなことから、自分の世界史に関する知識を総ざらえし、更に様々なネット検索を掛けた末に見つけたのが、ローマ帝国の建国でした。
モスクワ大公国(ロシア帝国)が第三のローマと称していて、その根拠の一つがイヴァン3世と(東)ローマ帝国の最期の皇帝コンスタンティノス11世の姪ソフィアと結婚したのを見つけたのか、思い出したのか、今となっては私の記憶がはっきりしませんが。
それを発端にして、当時のモスクワ大公国(ロシア帝国)の皇女を女帝として擁立して、更に浅井長政とお市の方との間の息子と結婚させた上でのローマ帝国復興というのを思いつくことになりました。
そして、更に私なりに調べたのですが、この当時のモスクワ大公国(ロシア帝国)の君主イヴァン4世に娘が3人、アンナ、マリヤ、エウドキヤがいたのは間違いないようなのです。
ですが、私なりに様々なネット検索を掛けて、近くの公立図書館のロシア史に関する書籍等をざっと斜め読みした限りでは、3人共に夭折したのは間違いないようなのですが、3人全員が生没年不詳としか言いようがありませんでした。
そうしたことから、作者として完全に割り切ることにして、この世界の1571年時点ではマリヤは死亡していて、アンナとエウドキヤは存命していることにしました。
この際、当初の設定通りに微妙な異世界なので、この世界ではイヴァン4世の娘2人は存命なのだ、と開き直ることにしたのです。
それでも、末娘のエウドキヤにしても生母の問題から下限が1560年生という問題が。
浅井長政とお市の方の間の息子の亮政は1563年生なので(本編では誤って一部では、1564年生になっていますが、誤記ということでお願いします)、余り女性が年長での結婚もどうか、と私は考えたことから、浅井亮政とエウドキヤが結婚することにしました。
そして、11歳の小学生が幾ら実母が死亡しているとはいえど、実父を捨てて外国に単身亡命するというのは、幾ら小説上とはいえどアリエナイとも私は考えたことから。
姉のアンナと前田慶次が惚れ合って駆け落ちするのに、エウドキヤも同行することにしたのです。
(これはこれで、アリエナイだろうとツッコミの嵐が起きそうですが)
そんなこんなの果てに、浅井亮政とエウドキヤは結婚して、エウドキヤを女帝とするローマ帝国が復興して、領土を拡大していくことになったのです。
ですが、エウドキヤがイヴァン4世の娘というのは、作中の後半部で想わぬ影響がでることになっていきました。
父親のイヴァン4世と同等以上の癇癪持ちで、更には暴君(といっても、父とは違い、それなりには理性的で、全く理由のない虐殺や粛清等はやっていません)にエウドキヤは成ってしまいました。
この辺り、ロシアやソ連では、イヴァン4世(雷帝)やスターリンが歴史的に評価され、現在のプーチン大統領もロシア国内評価は高いのを、私が踏まえたのもあるのですが。
最終部においては、世界史上最高、空前絶後の女暴君と言われても仕方のない存在にまで、エウドキヤがなってしまうとは。
本当に私の筆が奔ったためとしか、言いようがないのですが。
それにしても、ローマ帝国とエウドキヤが、ここまでになるとは望外としか私には言いようがない事態でした。
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