第66話
神殿を出てから、街中の散策を行った。
夕方になり、昨日泊まった宿屋に行き、今夜も泊まることにした。
4月12日 木曜日
宿で朝食を取り、チェックアウトをすると、外に馬車が停まっていた。
騎士が現れ、
「ハルト様で、よろしいですか。」
と聞いてきたので、
「そうだけど、何の用だ。」
と質問すると、騎士が、
「宰相殿が、御呼びです。官邸まで、お願いします。」
と言うので、了解して馬車に乗った。
官邸と言っていたが、着いた場所は、帝都の中心にある城の中だった。
「城の中に官邸があるのか。」
等と考えつつ、迎えに来た騎士とは別の騎士が案内をする。
しばらく、建物の中を歩くと、大きな扉の前に案内された。
「ここは、なんだ。謁見の間じゃないのか。」
と聞くと、案内をしていた騎士は、
「そうです。それでは、扉を開けますので、よろしくお願いします。」
と言ったところで、扉が開いた。
「なぜ、私が謁見しないといけないのだ。」
と思うと、頭にきた。
謁見の間に入ると玉座に帝王と思われる者が座っている。
鑑定を実施するが、本物の帝王の様だ。
まだ30歳位だろう。
「そこで、止まって戴けますか。」
と宰相が声を掛けてきた。
宰相は、50歳くらいだろうか。
見るからに腹黒そうな顔をしている。
宰相の方を見れば、近くに大司教も居たが、目を瞑ってブツブツ何かを言っている。
私は、立ったまま
「私は、宰相から官邸に呼ばれたんだが、何の用だ。」
と言うと、周りに控えていた騎士達が殺気立った。
すると、宰相が、
「ハルト様、申し訳ございません。帝王陛下も、お会いになりたいと申しましたので、急遽、予定を変更しました。」
と言うが、これは嘘なのが判った。
「がっ!」
と音がした瞬間、私の周りに半径2m位の魔法陣が出現し、私の周りに半透明の壁ができ、閉じ込められた。
脇に控えていた、魔法師が、
「それは、現人神とて破壊することは叶わぬ。絶対魔法封印だ。そこから出ることはできぬぞ。」
と言うので、魔法師を鑑定したら、魔法師団長だった。
そして、宰相が、
「エスリンゲン国を攻めたら、帝国を滅ぼす等と言っていたらしいな。愚か者め。」
と言う。
大司教は、私に向かって、
「申し訳ありません。申し訳ありません。」
と、さっきより少し大きな声で呟き祈っている。
どうやら、大司教に嵌められた訳ではない様だ。
「エリア・パラライズ」
今回は、天井裏や壁の裏に控えている者も含め、全てを対象にした。
そして、玉座に向かって歩いて行くと、絶対魔法封印の壁に当たったが、
「パリン」
と言う小さな音と共に絶対魔法封印は消失した。
「だいたい、この程度の魔法で、神を封印できると思っているのか。愚か者め。」
ストレージからソウル・イーターを出し、帝王の肩に突き刺した。
そして、帝王を刺したまま、玉座から放り投げた。
帝王は、麻痺しているので、受け身も取れず、頭から床に叩き付けられた。
席の空いた玉座に座り、床にソウル・イーターを突き刺した。
とりあえず、大司教のパラライズを解除し、
「説明しろ。」
と言うと、
「申し訳ございません。ハルト様からの御忠告を宰相に伝えましたところ、この様な事態になってしまいました。申し訳ございません。申し訳ございません。申し訳ございません。」
と途中から、「申し訳ございません」しか言わなくなった。
傷が付いたレコードか。
大司教、かなり怯えている。
歳だし、心臓麻痺で死にそうだ。
「大司教、落ち着け。私は嘘が判る。だから、落ち着け。」
と言うと、少し落ち着いた様で、
「本当に、申し訳ございません。私は、エスリンゲン国と戦を起こさぬ様に意見しました。そこで、ハルト様の事を話しました。すると、宰相殿が『排除すれば良い』と申し、この様な次第になったのです。」
と言い、だいたいの顛末が判った。
マジック・ブレイドを取り出し魔力を込めた。
離れた場所にいる魔法師団長の所まで伸ばし、魔法師団長の肩に突き刺し、帝王の隣に転がした。
少し高い所から、顔から床に落ちたので、ちょっと嫌な音がした。
最後は、宰相の肩に突き刺し、同じ様に床に転がした。
これで3人が、目の前の床に並んで転がっている。
3人のパラライズを解除し、
「何か言い訳することはあるか。」
と問うと、魔法師団長は、私に対し、
「サンダーボルト」
と、攻撃魔法を飛ばしてきたが、私の目の前で霧散した。
さっきから、魔法を練っているのは、魔力視があるので見えていた。
判っていれば、対策するのは簡単だ。
「お前如きの魔法が、神に通用すると思っているのか。」
と言い、同じくサンダーボルトを放ち、魔法師団長の頭を吹っ飛ばした。
「次は、どっちが死にたいんだ。」
と聞くと、宰相が帝王の後ろに隠れた。
宰相は、なかなか面白いな。
「さて、どう落とし前をつける。」
と聞くが、2人とも答えられない。
「じゃぁ、みんな死ぬか。」
と言って、ソウル・イーターを引抜き、玉座から立ち上がる。
大司教が、私の足にしがみ付き、
「おやめ下さい。お願いします。おやめ下さい。」
と言って懇願してくる。
「大司教、なかなか天晴な奴だ。」
と思うと、ドルトムントの大司教も、教皇も話の判る人だったし、この世界の宗教組織というのは、真っ当だな。
さて、どう解決に導こうか。
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