第65話
ギルドマスターは、ソウル・イーターをガン見し、目が離せない様だ。
「あと、こいつの処分について、意見を伺いたくてね。」
と言って、マジックバッグから、刺客の男をだして、床に転がした。
刺客の男は、パラライズで麻痺して動けない。
「この向きじゃ顔が見えないな。」
と言って、ソウル・イーターを背中に突き刺した。
そのまま、刺客の男を持ち上げ、ギルドマスターに顔を見せる。
「こいつ、知ってるか。私の命を狙った奴だ。」
と言うと、
「知らん。全く知らん。」
と言うが、目が泳いでいる。
刺客の男のパラライズを解除し、背中に刺したソウル・イーターを抜いてやる。
死にそうだったので、リジェネレイトで傷を治してやる。
「おい、お前に指示をしたのは、迷宮省の政務官で良いのか。本当の事を言って。」
と言うと、
「いや、そこにいるギルドマスターだ。俺らはAランク冒険者だ。エスリンゲン国のスパイが居るから始末してくれと依頼を受けた。ギルドマスターに『パーティでやれば簡単だろう』と言われた。」
と刺客の男は言う。
刺客の男の用は済んだので、パラライズで動けなくした。
「言い訳はあるか。」
と、ギルドマスターに向かって問う。
「どうするつもりだ。」
と聞いてきたので、
「そうだな。邪魔をするな。観光に来ただけだ。」
と言ってから、ソウル・イーターで、刺客の男の首を刎ねた。
「次は、お前もこうなる。」
と釘を刺して、部屋から出て行った。
今日は、帝都でも高級とされる宿に行き、そこで夕食を取り、そのまま泊まった。
たまに泊まる高級宿は、リフレッシュできて良い。
夜間に襲撃とか、そういうイベントがあるかと思いマップを見ていたが、静かな夜だった。
4月11日 水曜日
冒険者ギルドを出て、その足で神殿に向かった。
ここでも、身体がぼんやりと光る。
神殿に着いたところで、近くに居た若い奴を捕まえ、
「大司教に会いたい。」
と言って、大司教への面会を求めたところ、
「面会の約束は、有りますか。」
と聞いてくるので、
「そんなものは無い。使徒が会いに来たと言え。忙しいなら、明日また来る。」
と言ったところ、走って逃げられた。
仕方が無いので、マップを発動させ、こちらから行くことにした。
神殿の中に入ると、何やら言ってくる奴がいたが、邪魔だったので振り払った。
やっと、大司教の部屋にたどり着いた。
私は、扉をノックし、
「使徒だ。ちょっと話が有る。」
と言って、部屋に入った。
部屋の中には、70歳を超えた感じの細身の男性が、机に向かって座っていた。
「使徒様とは、ドルトムントの使徒様ですか。」
と言うので、
「そうだ。ハルトだ。」
と答える。
大司教は、椅子から立ち上がり、
「噂で聞いております。教皇様も、『使徒様を崇拝している』とお聞きしました。使徒様が、現人神であらせられるというお話は、本当だったのですね。」
と言うので、
「貴方も神気が見えるのか。」
と言うと、
「はい。噂通り、溢れる神気が見えます。」
と返答し、
「こちらに、お掛け下さい。」
とソファーに座る様に案内された。
私は、ソファーに座り、
「今回、ニュルンベルク帝国が、どんな国なのか、観光に来た。治安も良く良い国だと思ったが、早速、命を狙われた。」
と言うと、大司教は立ったまま、
「申し訳ございません。」
と、頭を下げて謝るので、頭を上げるように言い、
「お願いがあるのだが、私はドルトムントで生活をしている。エスリンゲン国と戦争にならない様、動いて貰えないか。もし、戦争になるなら、私が、ニュルンベルク帝国を滅ぼす。帝国には覇権主義を取らねばならない理由があるのか。」
と聞くと、
「私には、政治の詳しい事は判りませんが、私も神殿と教会に勤める聖職者です。無駄な戦は望んでいません。もちろん、使徒様に弓を引くつもりもありません。」
と言うので、
「判った。機会が有れば、使徒がそう言っていたと伝えてくれ。」
と指示した。
「判りました。できうる限りの事をしたいと思います。」
というので、
「もし、エスリンゲン国と戦争になったら、神殿の関係者や孤児院の子供達は、この神殿の中に集めてくれ。始まったら直ぐにだぞ。」
と言って、神殿を後にした。
神殿の外に出ると、騎士団に囲まれるとか、そういうイベントも発生しなかった。
私は、神殿の周りを一周し、その形状や位置を把握した。
場合によっては、ここ以外を焼け野原にするか。
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