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第44話

よろしくお願いします。

 私は、自宅の布団で寝たはずだ・・・ああ、これは夢か。

 私は、夢を見ている。



 5年前、私が35歳の時、私の父は、食道ガンと宣告された。

 医師の説明だと、手術して充分助かると言っていた。


 しかし、抗ガン剤による体力低下のため、状況はあまり良くなかった。

 そのため、病院からの外泊も入院中の土日に1度だけ、その後は、一度も病院を出ることができなった。


 常々、父は


「家に帰りたい」


と言っていた。

 私は、父に


「今は、ガンを治す事が一番大事。来月には、一時退院出来るから我慢しな。」


と言って、父を諫めた。

 父は私に、


「もっと見舞いに来い。孫を連れてこい。」


とも言っていた。

 しかし、私は、


「月に2,3回は行ってる。色々と忙しい。」


と言って、あまり取り合なかった。



 それから2週間後のことだった。


 3日ぶりに父の見舞いに行く。

 3日前に来た時より、格段に状況が悪くなってる。

 突然だった。


 呼吸が激しく、言葉も聞き取り難い。

 筆談すら出来ない。

 父の言いたいことが分からない。


 父は、貧血のせいか、所々で意識が飛ぶ。

 血圧は正常値

 しかし、体温は39度ちかい。

 父の死期が近い。

 そう感じた。

 思わず涙が出た。


 それを見た父が、


「なにを泣いとる。まだ死なん。」


という様な事を言った気がした。

 私に怒っていた。

 なぜか、それはハッキリそう聞こえた。


「明日、また来る。孫達を連れてくる。」


と言って夕方帰った。


 その日の午後10時頃、母から電話があり、


「病院から電話があった。お父さんが危篤だって。」


と連絡があった。

 私は、直ぐに病院へ行く。


 午後11時頃、病院に到着する。


 医師が、父の治療をしていた。

 私は、別室で待機する。


 数分して、父の病状について、医師が


「今日、明日がやま。意識は無い。敗血症になっている。血圧が低下している。抗生物質の投与など、やれることはやった。奇跡的に持ち越せば、持ち直すかもしれない。」


と説明をしてきた。


 父に会う。


 意識がない。

 呼吸が激しい。

 手足が冷たい。


 肩を叩きながら、


「お父さん」


と呼びかける。


 しばらくすると、母や親戚も病院に到着し集まる。


 何度か父に呼びかけると、意識が戻る。

 私が、父に


「医者が今日明日がやまだと言ってる。今日明日を頑張れば、持ち直す。頑張れ死ぬな」


と言った。

 父は、軽くうなずき、私の手を強く握った

 多少、血圧は上がり、脈拍が安定してきた。

 持ち直すと思った。


 その後も、


「頑張れ。父さん。」


等と声を掛けていた。



 午前2時頃

 父の意識がまた無くなった。

 呼吸は激しい。


 午前4時頃

 呼吸が落ち着いてきた。

 血圧は更に低下。

 父の片目が開いたので、瞼を閉じさせた。


 午前6時頃

 呼吸は静かになり、普通に寝ている様な感じ。

 血圧は低く、手足は冷たい。


 午前7時40分頃

 呼吸が止まる。

 頸動脈に指を当て、脈拍を計る。

 血圧が低いせいで、脈拍が弱くなっている。

 しかし、1分くらいの長い間隔で、僅かに脈を打っている。


 看護師を呼ぶ。


「ぷは!」


と息を吹き返す。

 しかし、また息が止まる。


 看護師が医師を呼ぶ。

 脈拍が止まる。

 頸動脈に触れている私の指には、何分経っても、何も感じられなくなった。


 午前7時48分

 医師が死亡を確認した。



 こうして、私の父は他界した。

 しばらくの間、信じられなかった。

 夢を見ていると思った。


 短くても、あと1年は、父が生きると思っていた。

 一時退院して、次の正月は一緒に過ごせると思っていた。

 退院したら、派手に快気祝いをしてやるつもりだった。


 こんな事なら、あの時、外泊を我慢しろと諫めなければ良かった。




 3月4日 日曜日

 目が覚めた。

 自宅の布団の中だ。


 あれから、5年経った。

 しかし、また、あの日の夢を見た。

 そして起きると、私はいつも泣いている。

 あの日の事を思い出すと泣ける。


 母も2年前に他界した。

 私に取って血縁者は、もう子供達だけだ。

 所詮、妻は他人だ。



 さて、日曜日だし、今日も子供と遊ぼうかな。

 次男に、


「今日は、どこに行きたい?」


と聞いたら、


「迷宮が良い!」


と言ってきた。


「まじか。」


と思ったが、


「魔法を教えるか。リジェネレイト(外傷、状態異常、疲労の回復)なら教えても、悪いことに使わないだろう。」


と思い、長女も連れて、迷宮に行くことにした。

 ダンジョンコアでの転移先は、名古屋迷宮にした。


 もっと、「言語習得の宝玉」が欲しいので、地下928階に転移し、960階を目指すことにした。

 子供達に、オリハルコンの刀を持たせ、一緒に戦った。

 長女も次男も、そこそこ戦えた。


 960階まで、3周し夕方になったので、家に帰る事にした。

 子供達に、


「強くなったな。」


と言うと、


「でしょう!」


と言ってきた。


「剣道とか習うか?」


と聞いたら、


「やりたい。」


と言うので、習わせる事にした。


「寝る前、自分にリジェネレイトを何回か掛けて、魔力が無くなったら、寝るんだよ。」


と、寝る前に魔法を使うことを教えた。



 今夜は、何を飲もうか。

 しんみりとした気分の時は、日本酒が良い。

 あ、日本酒が良いのは、いつもかもしれんが。


「今夜は、醸し人九平次かな。地元、名古屋の酒だしな。」


と言って、「醸し人九平次 別誂」を出す。


「美味い!やっぱり、美味い!はぁ、今夜は父と晩酌をするか。」


と言って、仏壇の前で飲むことにした。



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