閑話 学院でのオリビア編2
本日2話目です。
オリビア達が、学院の授業で、迷宮探索をした時の話です。
時系列的には、エルフの国に行く直前です。
しかし、何のドラマもありません。
3月19日 光の日
今週は、1泊2日で、迷宮探索の実習がある。
それが終われば春休み。
休みには、みんなでソフィーの国へ行く。
色々と楽しみ。
先生から、迷宮探索について説明が有り、班割りが発表された。
イザベラさんとアメリアが同じ班
ソフィーさんとアイラが同じ班
私の班は、アイビィーさんの外、
リリーさん 商家の女子で13歳 冒険者ランクF
ジャック君 貴族の男子で16歳 冒険者ランクF
チャーリー君 貴族の男子で15歳 冒険者ランクE
レオ君 騎士家の男子で15歳 冒険者ランクE
というメンバーだった。
それに、引率の先生が各班1人とBランクの冒険者が1人。
この中だと、ジャック君とチャーリー君とは、話をしたことが無い。
これを機会に、みんなと仲良くなろうと思う。
今日と地の日と水の日の放課後、模擬試合場で訓練して、連携の確認をする。
その翌日、火の日から迷宮探索の本番になる。
でも、翌日の昼頃、探索を切り上げ、学院に帰宅する予定。
概ね、地下50階のボスを討伐する程度の日程、と先生から説明があった。
私とアイビィーは、目が合った。
「本気でやれば、150階くらい行けそうだね。」
とアイビィーさんが、呟いたので、私も
「そうですね。」
と笑って答えた。
その後、班メンバーでのミーティングになり、班長決めになった。
「冒険者ランクが一番高いのは、俺たちだよな。」
と、チャーリー君が言う。チャーリー君とレオ君はEランクだ。
「違うよ。オリビアよ。」
と、アイビィーさんが言う。
「いくつだよ。」
とレオ君が聞いてきたので、
私は、
「Bだよ。」
と答えた。
レオ君は、
「はぁ、そっちもかよ。」
と少し悪態を付いた。
すると、ジャック君が、
「班長は、みんなの行動を指揮する必要がある。単純な強さだけでは駄目だ。迅速に判断できる能力が必要だ。」
と言い、
「私が班長をやろう。」
と言って、班長に立候補した。
「貴方、迷宮探索をした経験が無いでしょ。そんな人が、判断できるの?」
と、アイビィーさんがジャック君の駄目出しをし、
「私がやるわ。私とオリビアは、何回か迷宮探索をしているから。」
と、アイビィーさんが立候補した。
「じゃぁ、お願いするよ。」
と、ジャック君が悔しそうに言った。
ジャック君の家は伯爵家なので、侯爵家のアイビィーさんには遠慮している節がある。
「じゃぁ、私で決まりだね。」
と、アイビィーさんが言い、先生に報告しに行った。
次に、前衛、中衛、後衛と言った体制を決める事になった。
前衛は、チャーリー君、レオ君
中衛は、私とアイビィー
後衛は、ジャック君とリリーさん
という体制になった。
実際には、一番前には冒険者、一番後ろには引率の先生が居るので、罠や不意打ち、バックアタックの警戒は必要ない。
目指す階層も、一日かけて50階だし、
「なんだか、ピクニックみたいね。」
と言ったら、
「オリビアさんは、強いからね。」
と、リリーさんに言われた。
どうやら、リリーさんは迷宮探索が不安の様で、ちょっとナーバスになっているみたい。
「私とオリビアが居るから、大丈夫よ。」
とアイビィーが言う。
「なんだよ。俺らは戦力外か?」
と、レオ君が言う。
「だって、地下50階なんて、私一人で余裕よ。」
とアイビィーさんが言う。
レオ君のお父さんは騎士なので、強さへの憧れとプライドがあるみたい。
だから、ハルトの事をよく聞いてくる。
しかし、迷宮探索の経験があるのは、私とアイビィーさんだけだ。
だから、レオ君も強く出られないみたいで、悔しそうにしている。
そうこうしていると、ミーティングの時間が終わった。
放課後にやった連携の訓練が、意外と大変だった。
アイビィーさんは良いけど、他の人の動きが遅い。
動きの遅さが、まどろこしくて困る。
それでも、みんな一生懸命なので、水を差すような事は言えない。
アイビィーさんも、同じような事を思った様で、途中から普通の模擬試合に変えた。
3月22日 火の日
今日は、迷宮探索実習の日
先生から、鎧かローブを着て、剣を持って来る様に指示を受けている。
だから、いつもの鎧を着る。
腰に、愛刀を差す。
指輪は、右手と左手に分けて付ける。
いつもどおり、ペンダントもする。
冒険用の靴に履き替え、兜も被る。
最後に、グローブをする。
集合場所に着くと、早朝のため、まだ薄暗い。
でも、みんなもう集まっている。
「オリビア、凄いね。」
とリリーさんに言われえる。
「どうして?」
と聞くと、
「だって、全身光ってるよ。」
と言われる。
「あっ」
と思い、周りを観たら、チャーリー君、レオ君、ジャック君も、こっちを見ている。
アメリアとアイラを観たら、あの二人も光ってた。
「私も、あんな感じなんだ。」
と思うと、何だか恥ずかしかった。
「いいなぁ、今度、ハルトさんに言って、私の分もお願いしようかな。オリビア、兜は取っておいたら。」
とアイビィーさんが言うので、兜は外してマジックバックに仕舞う。
「オリビア、可愛い。」
と言って、アイビィーさんが抱きしめてくる。
「ちょっと、アイビィーさん、苦しい。」
と言って、止めてもらう。
ここからは、引率の先生と班員での行動になった。
みんなで、迷宮まで歩いて行った。
迷宮の入り口にいる衛兵に、全員ギルドカードを提示して、迷宮に入る。
そのため、迷宮に入れないGランクの生徒は、学院で自習になっている。
「さて、頑張りましょう!」
とアイビィーが言って、みんなで迷宮に入っていく。
引率の冒険者さんが、
「オリビアちゃんって、ハルトさんの娘さんだよね。」
と話しかけてきた。
「はい、そうですけど。」
と答えると、
「じゃぁ、君もBランクなんだよね。」
と聞いてくるので、
「そうですよ。」
と答える。
「普通そうに見えるのに、実際はSランク級に強いよね。」
と言ってくる。
「そんなこと無いですよ。」
と言うと、
「ははは、見れば判るよ。あと、アイビィーさんも、Aランク級の強さだね。」
と言う。
「え、私、そんなに強いですか?」
とアイビィーさんが話に乗ってくる。
「そうだよ。二人を見ていると、僕の危機感知がビンビンに反応するんだ。この反応具合は、なかなか無いよ。まぁ、ハルトさんを見た時は、別次元だったけど。」
と冒険者さんが言ってきた。
「やはり、ハルトさんは強いですか。」
とレオ君が、会話に参加してきた。
「あの人は、ある意味で神だよ。ドラゴンの群れを1人で退治するし。ここの迷宮も、あの人、1人で踏破したんだよね。」
と言うので、アイビィーさんが
「そう、みたいよ。ハルトさんと一緒に1,000階まで行って、ダンジョンコアの部屋に行って来たし。」
と言うと、冒険者さんが、
「一緒に踏破したの?」
と聞いてくるので、アイビィーさんが、
「違うよ。ハルトさんが踏破した後、訓練で950階から1,000階まで一緒に周ったの。」
と言うと、
「1,000階のドラゴンを倒したの?」
と冒険者さんが聞いてくる。
「私とオリビアちゃんとほかの友達と計6人でね。ハルトさんは、見てただけよ。」
とアイビィーさんが言う。
「凄いね。今日、僕、必要無いじゃん。ちょっと、その強さを見せてよ。」
と言うと、通路の先にいる魔物を指差す。
魔物は、ゴブリンが5匹いた。
「判ったわ。」
とアイビィーさんが言って、叡智の杖を出し、アイスアローの魔法を使った。
同時に5本の氷の矢が現れ、一瞬の内に、ゴブリンは氷の矢で貫かれた。
「いま、同時に5つの魔法を使った?それに凄いスピードだね。」
と冒険者は驚いていた。
ちなみに、引率の先生は、もっと驚いていた。
「多重発動は、まだ教えていないし、教えてても使えない人も多いのに。」
と先生は言う。
「じゃぁ、次はオリビアちゃんの番だね。」
と冒険者さんが言うけど、
「私、そういうのいいです。遠慮しておきます。」
と言って断り、
「みんなで、やりましょう。」
と、みんなの方を見て言う。
「そっか、ごめんね。」
と言って、アイビィーが私を抱きしめる。
「うー、苦しい。アイビィー、お前もか。」
と、私はアイビィーに悪態を付く。
そんなこんなで探索をし、お昼休憩を取り、その日の夜には地下50階に着いた。
「予定より、早く着いたな。」
とレオ君が言う。
「みんな、頑張ったもんね。」
とアイビィーが言うけど、ジャック君とチャーリー君は、しらけ顔だった。
二人は、アイビィーの魔法を見て愕然とし、迷宮探索が白けてしまったみたい。
逆に、レオ君は黙々と魔物を倒して、
「絶対に追い付いてやる。」
と闘志を燃やしていた。
「ここのボスは、ホブゴブリンが4匹だよ。アイビィーちゃんとオリビアちゃんが、1匹づつ。ジャック君とチャーリー君で、1匹。レオ君とリリーちゃんで、1匹。こういう配置で、どうかな。」
と冒険者さんが言う。
「判りました。」
とアイビィーさんが言い、みんな頷いて、ボス部屋に入った。
ボス部屋に入った瞬間、私の担当となったホブゴブリンを叩き斬った。
アイビィーさんも、サンダーボルト瞬殺した。
私とアイビィーさんは、他の4人が怪我をしない様に、見守っていた。
15分くらい掛かったけど、4人で2匹のホブゴブリンを倒した。
結構な接戦だった。
見ていて、手に汗握る良い戦いだった。
ホブゴブリンを倒すと、トレゾールとして「転移の水晶」が現れた。
じゃぁ、この先の部屋で、野営の準備をしよう。
と冒険者さんが言うので、そこでテントを張り、食事の準備を始めた。
食事の準備をしていると、イザベラさんとアメリアがやってきた。
「あれ、先を越されちゃった。」
と、イザベラさんが言ってきた。
「迷わなかったからね。」
と、アイビィーさんが言う。
「私達がドベなの?」
と、ソフィーさんとアイラもやってきた。
「みんな、ほとんど同じね。」
と、イザベラさんが言うので、アイビィーさんが、
「うちが、一番よ。」
と、一番であることを主張していた。
3つの班、全員が集まっての夕食になった。
みんなで食べるご飯は、とても美味しくて、楽しかった。
「他の組は、どの辺にいるかな。」
と、リリーさんが言ったら、レオ君が、
「たぶん40階にある小部屋だと思うよ。あそこが、野営の定番場所って聞いてるから。」
と言う。
「まだ、寝るには早いね。何かして遊ばない。」
と、イザベラさんが言う。
「これも、もっと試したいよね。」
と、アイビィーさんが相槌を打つ。
現在、居る場所は、転移魔法陣のある部屋だ。
いつもの6人が、転移魔法陣に集まる。
「ちょっと良いかな。」
と、私の班の冒険者さんから、声を掛けられる。
「僕達も一緒に、連れていってもらえないかな。」
と、私の班の冒険者さんとイザベラさんの班の女性冒険者さんが言う。
女性冒険者さんは、魔法師の様だ。
そして、
「どうせ900階とか950階とか、その辺に行くんだろ。」
と言われた。
どうやら、イザベラさん達の悪巧みは、バレバレだった様だ。
「うちのパーティーは、まだ600階までなんだ。もっと深い層が、どうなっているのか見たくてさ。」
と言われた。
「良いよ。」
とイザベラさんが了解をしたので、8人で行くことになった。
「地下950階よ。」
とイザベラさんが言う。
「アイビィー、魔法の先制攻撃は無しよ。私が斬り込んでからにしてよ。」
とイザベラさんが言う。
「美しいのに、案外、戦闘狂なんだね。」
と冒険者さんが言う。
イザベラさんは、剣を身体に馴染ませる様に、色々な動きを試していた。
アイビィーさんは、魔法の制御距離とか、多重発動の限界数など、色々と試していた。
ソフィーさんは、精霊召喚に挑戦していた。
ちなみに、アイラは風の精霊シルフや水の精霊ウンディーネを顕在化させて、遊んでいた。
ソフィーは、それが悔しくて、頑張ってる。
しかし、名も無い下位精霊の召喚しか成功できていない。
953階で、私がアブソリュート・ゼロの射程範囲を試したら、フロアのほぼ全域の魔物が討伐された。
「魔物が居なくなった。」
と言って、イザベラさんに怒られた。
冒険者さん達は、呆然としてた。
「全く、次元が違うね。」
と呟いていた。
アメリアが、ちょっと眠そうにしてる。
私が、
「そろそろ戻りませんか。」
と声を掛ける
「アメリアちゃん、眠くなっちゃった。ごめんね。」
とイザベラさんが、心配してくれた。
何事も無かったかの様に、元の部屋に戻り、テントに入って寝た。
そんな感じで、迷宮探索は終わった。
当然の様に、何のドラマもトラブルも無かった。
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