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ペンドルト基地、再捜索

 俺の部屋に下着姿のメラニー。

「何を考えている? いつもならこの姿の私を見てくれているはずなのに……」

 無駄な筋肉が無いメラニーの下着姿は美しい。

 そんなメラニーをじっと見たあと、恥じらったメラニーと寝るのがいつものパターンである。

「メラニー。このままじゃ俺が居ないとこの村は成り立たなくなる。魔力の供給源は俺だからね」

 現在この村の魔力を動力源とした機器への魔力供給は俺が担っていた。ドリスやベルトラン、ウハムなどのエルフでも可能ではあるが、俺の魔力の総量は比にならないほど多く、魔力枯渇を避けるためにも俺が数日に一度、魔力ローリーへ魔力を溜めるようにしていた。

 この生活は俺が居なくなれば破綻することはメラニーもわかっていたようだ。

「そうだな。しかしどのようにする?」

「前に話をしたことがあるかもしれないが、この村の近くにエルフの遺跡がある。そこにある魔力の供給ユニットをここに移設する。

 仮に言えば、魔力炉って感じかな?」

「魔力炉?」

「そう、魔力炉。魔力を発生するもの……そのまんまだ」

「そんなものを移設できるのか?」

「そこはわからないな。

 でもユニットがどうやって動いているのかを知るだけでもいいと思う。

 知ることができれば移設の方法も思いつくかもしれない」

「ふむ……、それでその遺跡に行くわけだな」

 メラニーは俺を見る。

「ああ、そのつもり」

 俺が言うと、

「アキトがこの村のために頑張ってくれているのはわかるが、無理をして欲しくない。

 何か嫌な予感がするのだ」

 と言ってメラニーが抱きしめてきた。


 メラニー、そういう言い方をされると、何か起こる気がする。

 言って欲しくないなぁ……フラグだよなぁ……。

 まあ、前回も何も無かったのだ。今回も何もないはず……。



 暫くしてペンドルト基地の魔力供給ユニットの移設のため、調査に行く。

 ケッテンクラートに乗り、ドリスとオレゴルで向かう。

 そして、とある岩を触ると再び扉が開いた。

「久しぶりじゃのう」

「ええ、あれ以来」

 スマホを手に入れた次の春、俺の足代わりになっているケッテンクラートを手に入れた時以来だ。


 未だに転がる白骨に両手を合わせ、奥に向かった。

 倉庫を漁り、衣料品などの再び必要そうなものをカバンに入れる。

 以前銃器が置いてあった棚を再び確認すると、見た目Gew43のような銃を見つける。

 歩兵銃? 狙撃銃? 近くにスコープがあって、取り付けのアタッチメントがあるってことは、狙撃銃か……。


 その横の箱にに弾倉のようなものが無造作に放り込まれていた。魔力のゲージがあり、空になっている。

 見た感じ拳銃と狙撃銃に突撃銃用のようだ。対物ライフル用は無いらしい。

 ただ、車輪が付いたボンベのようなものがいくつかあった。そのタンクには細いケーブルが巻きついている。

 エルフの言葉を読めるようになった俺は、その説明書を読むと、

「小型魔力タンク……魔力消費量が多い武器に使用。付属のケーブルでタンクと魔法武器を繋ぐと、魔力タンク内の魔力を使用し、魔法武器を使用可能。移動車の予備魔力としても使用可能である」

 とのこと。


 一応継戦能力の上昇を見込んだものは作られていたようだ。

 重くて携帯性が低いことで使われなかったのかね?


 あと、ケッテンクラートやハーフトラックの移動距離を上昇させることもできるらしい。

 今後のために回収しておかねば……

「ドリスはそこにある小さな箱を、オレゴルはそこにある大きめの丸い奴をここに持ってきてくれ、全部回収する」

「「わかった(のじゃ)!」」

 二人は回収に走る。

 ナイフやマチェットのような刃物も見つけたので回収。

 ハンドライトのようなもの

 一つ一つ部屋を開け、その中にある者を全てカバンの中に入れた。

 椅子や机、棚まですべてだ。


 最終的にはこの基地の動力はなくなる。

 あるものを全てカバンに入れても問題ないだろう。

 教室に本棚さえない、これを使うのもいいだろう。

 おっと、本を見つけたら回収しておこう。


読んでいただきありがとうございました。


誤字脱字の指摘、大変助かっております。

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