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万引き

 ふと思いつき、ブルワルスの街へ向かった。

 今日はドリスとメラニーである。

 入り口を掘り起こし、中に入ると相変わらずの建物が整然と並ぶ。


 ブルワルスの街に入った理由。

 それは、デパートに何かないかということ。スマホを作った文明が筆記用具や紙を持っていないはずがない。なんならPCのようなものがあってもおかしくはないと思う。

 ……というわけで、今更だが再び街漁りである。


 デパートまで行くと、一階から階段で上がる。

 女性の服や下着。

 どういうものか知らないが、痛みは一切なかった。

 エルフの技術というものだろう。

「あっ、これかわいい」

 ドリスが食いつく。

「このような乳バンドがあるのだな」

 メラニーはブラジャーを持っていた。

 レースが付いたもの。少し透けそうだ。


 この世界……今の世界にはブラジャーというものが無かった。ノーパンノーブラは当たり前で、メラニーでさえつけていない。

 だからどうだということは無いが、まあ、そんな感じ。


「ここで欲しいものを探すか?

 俺は俺で捜す」

「いいの?」

「いいのか?」

 ドリスとメラニーの声。

「ああ、別に問題ない。

 スマホもあるから連絡も取れるからな」

 こうして俺は二人と別れ上の階を見る。


 三階は紳士服か……。

 俺は軍服が気に入っていたのでスルー。

 つづいて、四階……。

 テレビのようなものや、扇風機、エアコンのようなものまでが並ぶ。まさに家電。

 そこにノートタイプとデスクトップタイプのパソコンっぽいの。タブレットもある。

 そのすべてをカバンの中に放り込んだ。ソフトらしきものも見つけ、それも入れる。実用ソフト以外に一部裸の表紙のものもあったが、それはご愛敬。


 エルフもエロフになるって事で……。


 PC関係のものを見つけ、すべて中に入れた。

 プリンターも発見。インクは使わず魔力を使う仕様。昔の熱感知用紙のようなものらしい。

 無線LANやLANケーブルのようなものも見つける。

 あと、カメラやハンディーカムのような撮影機器も入れておく。

 スマホの販売店のようなものがあったが、何も設定されておらず、電話番号のようなものの設定の仕方がわからず断念。

 最後に洗濯機らしき物と掃除機のようなものを収納袋に入れる。

 ルンバは無かった。


 これはベルトラン用だな。掃除洗濯が大変そうだから。


 興奮してて忘れていたが、文具を探さねば……。

 五階に行くと、家庭用ゲーム機のようなものはなかったが人形のようなオモチャが並んでいる。

 その奥には本が、そしてノートらしき物や筆記用具が並んでいた。


 近付いて説明書を確認すると、使い方が違う。

 ペンに魔力を通して紙に書くようになっているようだ。


 こりゃ、人間の子供には使えない。

 けど、何本かカバンに入れておこう。

 若干万引きしているようでドキドキする。

 まあ、人が居ないだけで万引きみたいなもんか。


 自分が使えそうな物を見繕うと、カバンに仕舞った。

 ノートとかの紙類の販売棚の物は回収。


 紙は高いらしいからなぁ……。

 これは俺が使えばいいか……。


 紙自体の普及率は低く、皮羊紙のようなものにペンを使ってインクで書いていた。

 これだけ見ても、エルフの文明は発展していたのがわかった。

 人に使い方が伝えられていないのは、情報を隠していたのかもしれない。


 ロストテクノロジー。

 これらは個人で使う分だろうな……。


 そんな事を思い五階から二階に進む。

 ドリスとメラニーが下着を合わせていた。

 半裸の二人が俺を見つけて寄ってくる。

「決まったのか?」

 俺が言うと二人は、

「これもいいけど、あそこにあったのもいい」

「選ぶのに悩むな」

 とのこと。

 特殊な包装だったようで、中の布は傷んでなかったようだ。

「この辺の全部持って帰るか?

 ドリスやメラニーだけじゃなく、オレゴルやベルトランも要るだろ?

 まあ、ここにある販売用のパンツやブラジャーだけでも結構ありそうだしね」

「それなら大丈夫」

「だな」

 ドリスとメラニーが言った。

 結局二階にあった女性用下着は全部回収する。

 俺は下着泥棒になるのだった。




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