ファーストコンタクト(メラニー)
彼と出会ったのは、とある宿。ハリオートと言う金持ちが、愛妾を愛でている時に命を落とした事件の時だ。
そのエルフの愛妾の要請を受けて、宿に報告したのが彼だった。
詳細を説明する彼。
特に何も疑うようなこともなく、その事件は終わった。
その愛妾を彼は手に入れたと聞いた。
その次に出会ったのはゴブリンの大発生で村を助けに行くとき。
募集をかけた冒険者たちの中から唯一参加してきたパーティーのリーダーだった。
圧倒的な力で、ゴブリンの群れを……ゴブリンキングを倒した。
村に入れば英雄であるはずの彼。
しかし、村へ討伐の報告だけを行うと街に走り始めた。
エルフと獣人がその理由を聞いたようだ。
私がその内容が気になっていることに気付いたのか、
「村の負担を心配して気を使わさないように去った」
と教えてくれた。
その言葉に私は彼に好感を持った。
「彼と一緒ならば、衛兵隊も楽しいのでは?」と思えた。
私は衛兵隊に彼を誘ったが、
「勘違いしないで欲しい」
と断られてしまう。
冒険者ギルドで彼の活躍を報告したあと、彼の報酬を見てしまう。
羨ましい。
あれがあれば、私は衛兵として出稼ぎなどする必要はない。
あさましい考えだとは思うが、そう思ってしまう。
詰所へ報告に行くとき、私は「結婚に興味が無いか?」と聞いてみた。
結婚へは興味があるようだ。
「既に二人居る」と言われてしまった。
「人間にも興味がある」とも……。
命を助けられた身だ。何かを返さねばならない。
とはいえ、私の体と騎士爵と、村ぐらい。それも寒村だ。
私は苦笑いするしかなかった。
そして、詰所に戻ると、
「生きて帰ってきたのか」
最初の言葉がそれだった。
馬を殺された事への罵倒。
彼はそのことに怒った。
そして、「養ってやる!」
と言ってくれた。
こんな私を……。
胸と尻を触られた。
彼はこんな私でも「美人だと思う」と言ってくれた。
今私は彼の横に座って彼の宿に向かっている。




