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キングとの戦い

 俺は、その群れに向かって再び軽機関銃を発砲する。

 向こうの対抗手段と言えば弓と魔法。

 その射程外からの銃弾の雨にゴブリン達は倒れていった。

 その集団の最後に、何か金属を加工した二メートルほどの盾と人には大剣と思われる剣をショートソードのように持った、四メートルを超えるゴブリンが現れる。


 キングか?

 このデカさ最前線で村を攻撃していたら村なんて終わってたんじゃないのか?


 軽機関銃での攻撃を手に持つ盾でいなすキング。

 貫通しないようだ。


「ウォー!」

 原因を作った俺達を襲いに来るキング。

「ドリス、下がれ。

 俺が行く」

 俺は荷台から飛び降りた。

 ドリスがバックを始めるのを確認すると、俺は剣を抜き、青い刀身を発生させてキングに向かって走り始める。


 錆が浮き赤くなった剣が俺を襲うがその動きが緩慢に見えた。

 その剣を逆袈裟に払う俺。


 下から上の払いだ。

 打ち下ろしのキングに負けるかな?


 などと思っていたが俺の剣で、キングの大剣を俺は跳ね上げる。

 ただの人間のオッサンが自分の剣を払いあげるとは思っていなかったのだろう。

 手からすっぽ抜けた大剣が高く上がりキングの背後に落ちた。

 脂汗を流すキング。

 何かを決めたのか、キングの目が据わる。そしてキングは大盾の後ろに隠れるようにすると突進してくる。

 そして、擦れ違いざまに右に避け盾を切った。

 すると、盾ごとキングの手首が切れ、そのままゴトリと盾が落ちた。


 これ、ダメな奴じゃ?

 斬れすぎだろ?


 なくなった手首から出る青い血。

 それを唖然として見るキング。

 キングはチラリとハーフトラックの方を見るとニヤリと笑い走り始めた。


 ハーフトラックに乗っている者たちのほうが弱いと思ったのだろう。


 俺はため息をつくと、空気中の水分から水分を抜き円盤状にして高速で回転させる。


 おっ、〇〇トラマンの八つ裂き光線っぽい。


 ポーズを決めてそれを投げつけるとキングの首は落ち、体だけが惰性で数歩走ると止まった。


 ドリスとオレゴルはその様子を見てヤレヤレ感満載で苦笑い。

 メラニーはバケモノを見るように俺を見ていた。


 ごめん、本当にバケモノだわ……。


 〇〇トラマンに関しては何もリアクションは無かった。


 当然か……。

 世界的ギャップを感じる……。

 まあ、〇〇トラマンを知っているのも向こうじゃ少なくなったかね?


 剣を仕舞いハーフトラックの方へ戻ると。

「相変わらず」

「相変わらずだのう」

 と二人に言われ、メラニーは無言のまま目線だけが俺を追う。


 まあ、ねえ……。

 規格外なんだろうけど、そろそろ戻ってもらいたいかな?


 荷台に上がり「フウ……」と一つため息をついたあと、

「さあ、村に入ろっか」

 と運転席のドリスに声をかけ、村の前まで行った。

 門の前に着くとすぐに扉が開く。

 村人たちが集まっていた。

 視線が俺に集中する。

 村人たちの感謝の目が痛い。

「一応、ゴブリン系はすべて倒したみたいです。

 まあ、別部隊も居るかもしれませんから、しばらくは外に出る時気をつけてくださいね」

 俺はそう言うと、

「ドリス、後退」

 と言ってハーフトラックをバックさせた。

 そしてUターンすると、そのままメドナスの街へ戻るのだった。

誤字脱字の指摘、大変助かっております。


ファーストコンタクト(ベルトラン)を追加しています。

戻って読んでいただけると幸いです。

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