表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/66

再び街へ

 ブロウスの街へ再び行く。

 俺としては「パンとか酒とかないかなぁ」ってところだ。

 ケッテンクラートで街に入ろうとすると門番が、

「昨日の兄ちゃんか。

 追っかけられてたのに大丈夫だったんだな」

 と聞いてきた。

「言わなくていいのか?」

 俺が聞くと、

「騎士団もそれどころじゃないさ。

 ここの領主が殺されてしまってな」

 と、門番は両手を広げていった。

「そりゃ大変だ」

 俺はギルド証を見せ、街の中に入った。


 ゆっくりとケッテンクラートを進め市場を探す。

 市場は馬車が通れるほどの幅があるので、ケッテンクラートでも問題なく走ることができた。

 エルフを連れているせいで目立つのだろう、周りからチラチラと見られていた。

 騎士はおらず、ケッテンクラートを進ませても絡まれることもない。

 ゆっくりと運転しながら、市場の中を探す。 


 パンらしいものが有るが堅そうだ。

 これじゃなぁ……。

 無いよりましってところか。


 一応小麦は流通しているようだ。

 粉は全粒粉っぽい。

 皮ごと粉にしているのだろうな。


 俺は小麦粉一袋を買った。

 持った感じで一袋二十キロだろうか。

 カバンに入れた。

「ご主人。

 小麦の種籾とかはないかい?」

「種籾は無いねぇ。

 欲しいなら村で買わないと」

「この辺だと?」

「この街の東にあるメドロスの村だな。

 あの村は小麦で有名だ」


 んー無いなぁ……。

 卵とかは売っていない。

 牛乳もなし。

 砂糖もない。

 ないない尽くしか……。


 蜂蜜は……あった。

 人間の字で「蜂蜜」と書いてある。

 一瓶の蜂蜜が金貨十枚。

「高いのか安いのかわからん」

 俺が言うと、

(ぬし)

 あれは水で薄めてある

 匂いでわかる」

 とオレゴルが言った。


 じゃあ、要らないか……。

 手に入ったのは小麦だけか……。

 まあ、まだましだろうな。


 服とかも売っていたが、モノ的には格段にエルフの基地の物のほうがいい。

 今三人が着ている服は歩兵用の緑の服。

 布は分厚く、頑丈そうだ。

 エルフの街の遺跡に行けば、ファッション性の高い服もあるかもしれない。

 でも、この世界では実用的じゃないかな。

 しかし、女性用の黒のスーツのようなものがあれば、二人とも似合いそうだ。



 買うものもなく市場がある通りも終わろうとした時、武器屋があった。

 そこにはさまざまな種類の武器が並ぶ。

 目を引いたのが片手剣。

 短剣と言ったほうが良いのか?

 刀身で三十センチぐらい。

 グリップの部分にナックルガードが付いている。

 ちょっと青みがかっているのは魔法が付与されているからだろう。


 俺はケッテンクラートを降りると、雑に置かれた剣を指差し、

「これが欲しいんだが、いくらだ?」

 と俺は言った。

「金貨百枚」

 店の中からドワーフが現れ当たり前のように言う。

 貨幣価値はわからないが、この剣が欲しい俺は、

「買った」

 と言って前日に貰った金貨の中から百枚を出して近くの台に置く。

「本当に買うのか?」

 店主は驚いていたが、

「ん?

 良いものだと思ったから買った。

 まあ、俺の見立てだからダメならそれでいい。

 貰って行くぞ」

 そう言うと、俺はその剣を取った。

 青みがかった刀身が真っ青になり、伸びる。

 長さが二メートルぐらいだろうか。

 別に剣が重くなった訳ではなく、棒のような光剣が伸びただけ。

 ヴンと音がして、周囲のものが切れる。


 例のセイバーっぽい。


 俺が驚いていると、

「その剣を実体化させる男を初めて見た。

 それはエルフの遺産。

 使える者しか使えない剣」

 と店主が言った。


 そのまんまだな。


「じゃあ、捨て銭じゃなかった訳だ。

 いい買い物をしたよ」

「これがホルダーだ。

 腰に差しておくといい」

 ホルダーを受け取るとベルトのように巻き付け短剣を腰に差すのだった。


 そういや俺、刃物を持っていなかったな。

 丁度いいか……。


総合評価が200を越えていました。

評価、ブックマークしていただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ