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石ころで……

 夜になり、

「壁は越えるためにある」

 って言って街の外壁を跳び越える。

 

 しかし、本当に越えられる能力になっているとはな。


 俺は壁沿いに走った。


 大体、領主ってのは一番大きな屋敷の中に居る訳で……。

 そういうのはこの街で一番大きいんじゃないかな?


 遠目に見える大きな屋敷と言えば……あれか……。


 俺はその場所に向かって走って行っていくと、ギルド前でたむろっていた騎士と同じ格好をした者がウロウロしていた。


 馬に乗っているのは俺たちの追撃のため?。


 こぶし大の石を一つ拾っておく。

「まだ見つからんのか! あの乗り物が欲しいのだ!

 完動のエルフの遺産など見たことが無い。

 儂はあれが欲しいのだ!」


 ハゲたオッサン……。

 まあ、俺もオッサンだが髪があるだけマシ……。

 ひっくり返って駄々をこねている。

 おーおー、いい歳して駄々っ子みたいだ


 〇ーっしーひゅうま!


 俺は足を上げ、大きく振りかぶって、石ころをその領主に向かって投げた。

 石に雲が巻く。結構なスピードらしい。

 ドン! と俺が居るところからでも聞こえるような音がすると、ガラスに穴が開き、オッサンの上半身がなくなっていた。

 周りに居た部下が血まみれだ。

 一応、なむー。


「さて、終わり」

 パンパンと手を叩いて埃を払った後、俺はスマホでオレゴルに連絡を入れた。

「オレゴル?」

(ぬし)! 今どこだ?」

「ブロウスの街だが?」

「騎士団に追われておるのだが……」

「ブロウスの街まで戻ってこれるか?」

 俺が聞くと、

「問題ない」

 とオレゴルが言うと、スマホ越しに

「ドリスよ!

 街に来いと言うておる」

「了解」

 と二人のやり取りが聞こえた。


 暫く待つ。

 とは言え街道に細工。

 道を柔らかくしたのだ。


 ウィーンと言うモーター音とドドド……と言う馬の蹄の音。

「来たな」


 あー、ライト点けてたら目立つだろうに……。


 ケッテンクラートはキャタピラーの表面積で沈まずに街道を通過。

 騎士たちは馬の前脚が土に埋まり、そのままつんのめると前方に放り出された。


 これでいい


 オレゴルに連絡をして合流する。

「逃げてもらっても良かったんだぞ?

 銃で攻撃しても良かったし」

「それでは依頼で使えぬだろ?

 領主所有の騎士を撃ち殺した武器だ。

 後々困ることになる」


 オレゴルなりに考えたようだ。


「ありがとな」

 俺はオレゴルの頭を撫でた。

「ドリス、交代」

「怖かった!」

 ドリスが半泣きで抱き付く。

「まあ、確かに夜走るのは怖いな」

 俺はドリスの頭も撫でた。


 この世界の夜は真っ暗だ。

 一寸先は闇である。


「あとで抱っこ」

「そっそれを言うなら(われ)もだぞ」

 ドリスとオレゴルが言う。

「わかった。

 人が居なさそうなところで家を出して、寝るかね」

 ケッテンクラートを走らせ、人気のない所を目指すのだった。



「この辺かな?」

 ケッテンクラートを停め、俺は土の壁を作ると、その中に家を出す。


 外からは土の壁で見えないはず。


「ほら降りた降りた」

 食事を食べて、風呂に入って、毛皮に包まって寝ようとすると、真っ白な下着を着たドリスと黒い下着を着たオレゴルが現れた。


 エルフがブラを開発しているとは思わなかった。

 まあ、文明レベル的には作っていても不思議はない。

 カップ数が合っているのか形の良い胸が更に形良く見える。


 一度エルフの街の遺跡にも行ってみたいな。


 そのまま俺に抱き付くと体を押し付ける二人。

 いろいろ擦りつけていたが、疲れていたのかそのまま二人は寝てしまう。

 ドリスの金髪とオレゴルの漆黒の髪を撫でると、俺も寝るのだった。


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