44こんな入浴シーンが良かったんだろ!なぁ!そうだろ!
ちゃぷん。
六道家のお風呂はごく一般的な浴槽である。
その特別大きなわけでもない浴槽に浸かれる最大人数は――
二人。
無論、このような最高なチャンスを逃すはずもない。
綾香が、凛が、千鶴が。
イヴとの入浴を願っていた。
どのような組み合わせで入浴するのか。
それはヒロイン会議のときに行われたものと同じ、じゃんけんである。
結果。
「結構いいスタイルしてるよな――ちーちゃんは」
千鶴。
「なんでまたテメェと一緒に入らなきゃならねぇんだよロリビッチいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」
血反吐と血涙を流し、のたうち回る綾香。
「…………」
ソファに力抜けて腰掛ける凛。そのぽかんと開いた口からは魂が肉体とさよならをしている。
ちゃぷん。
「そんなことないよ……イヴのほうがよっぽど……」
千鶴の顔はもうすでにのぼせたように真っ赤っかである。
だが、それは入浴する前、着替えをしているときからそうであった。
いや、さらにいえばじゃんけんで決まったときから少しずつ、熱を帯びていた。
順番が決まると、イヴはノリノリで千鶴を脱衣所へと手を引いていた。
イヴ自身、前回のお泊まりの際にはお風呂を楽しめなかった。
しかし、今回はイヴも参加できる。イヴにとってもお風呂は女子高生らしいじゃれあいが出来る最高の場である。
浴槽に浸かった二人。
スタイルを褒められた千鶴は横目にイヴを見る。
衣類に隠されないその体は、女性らしくて、でもほんのり筋肉も見えて。
恥ずかしくて、千鶴は体育座りしてスタイルを隠す。
「なんで? 全然いい身体してるじゃん」
揉。
「や、ちょ、ちょっと! どこ触って……」
「いや、全然いい体つきしてるじゃん。はー俺もこれくらい脂肪つけないとな」
さらに、揉。
ちなみにどこを揉んでいるのかは読者様の想像にお任せとしよう。
下手に執筆して運営に目をつけられては困るのでね。
でも、揉むと言ったらアレしかないよな????
描画に戻る。
「ちょ、ちょっとだめだったら……」
口ではそういうのに、千鶴は一切の抵抗を見せない。
恥ずかしいのは確か。けれど、こうやって好きな人に触られるのは――嫌ではない。
むしろ、嬉しい。
だけじゃなく、これをチャンスに千鶴もイヴを触ってもいい権利を得た気がしていた。
そして、権利は実行に移される。
「俺のも触ってみる?」
「……い、いいの?」
「遠慮すんな、ほれ」
おそるおそる――揉。
触っているのは自分なのに、何故だか恥ずかしくて仕方ない。
よくよく考えてみればイヴの〇〇〇〇を揉むなんて、どう考えても破廉恥。
「やっぱり……イヴのほうが、綺麗だし、大きいよ」
「そうかな。でも俺トレーニングしすぎて脂肪が減ったからな。もうちょっと脂肪つけないと」
「私の脂肪を分けてあげたいよ」
「なんで? ちーちゃんいい身体してるじゃん。脂肪もほどよく乗ってるし、割と俺の理想の体型なのになー」
イヴも千鶴を揉。
互いが互いのモノを、揉。
先に手を離したのは、千鶴だった。
これ以上触れていたら、頭がおかしくなりそうである。
なんというか――おかしなスイッチが入ってしまいそうで。
なのに、イヴは触るのを止めてくれない。
スタイルを褒めながら、イヴは色んなところを触る。
「ちょ、だめだったら、イヴ、ねぇ」
「あ、ごめん触りすぎたな」
もみくちゃにされて、千鶴は少しばかり息が荒くなる。
力は抜けてしまっていて、背をイヴの胸に預けると身体の火照りを感じる。
「もう……バカ」
「はは、ごめんて」
後ろからイヴの手が伸びる。
そのまま、火照った身体を抱きしめる。
「でもさ、女の子っていいよな。柔らかいし、こうやってぎゅっとすると癒されない?」
「……癒されない」
癒されるどころか、アドレナリンが出っぱなしである。
もう無理、もうダメと思っても、千鶴の身体はいうことを聞かないし、聞くつもりもない。
だって。
(幸福……)
なんて思ってしまうから。
「もう出る?」
耳元でささやく声。
「……もうちょっとあったまりたい」
「よし、じゃー肩まで浸かって30数えたら出ような」
「……うん」
「いーち、にーい……」
(これはいい思い出)
「ごーぉ、ろーく……」
けれど、あがれば二人がいる。
綾香と凛が待ち受けている。
この状況に、千鶴は爪痕を残したいなんて思ってしまう。
「じゅーう、じゅーいち」
「ねぇ、イヴ」
「ん?」
「あ、あのね……」
「どした?」
「私ね、耳が敏感なの……だから、その……耳元で数えられると、その……」
本日最初で最後の――
千鶴の大博打。
それはイヴの性格を知っていたから。
スイーツを食べにいったときに、イヴはふざけて面白おかしく耳元で囁いてくれたから。
あの時、イヴはわざわざ隣の席まで移動すると、千鶴を追い詰めて耳元で囁いた。
フリをすれば突っ込む。ボケれば、突っ込む。フラグを立てれば、突っ込む。
しかし、それは――千鶴の予想を上回ってしまう。
「ちーちゃん耳弱いんだ? へぇー」
かぷ。
「!!!!!!!!」
ちゅ。
耳を甘噛みし――
耳に口づけた。
咄嗟。
千鶴はもう意識が途切れそうなところで、その頭の奥深くの意識が攻撃に出る。
(ここで、終われない)
これは博打であった。
すでに千鶴が勝った。
しかし、千鶴もやられるまま終わることは――
(爪痕を――)
千鶴もイヴの耳を噛み返してやろうと、振り返――。
(あ)
「んむ!?」
振り返り、その唇は。
唇に。
カアアァァ――。
最高潮に赤くなる千鶴。
「あははは、ちゅーしちゃったな」
「え、あ、あの、しょの……ご、ごめんにゃしゃい……」
「いいっていいって。今のは事故だろ」
「あぁ、ごめん……しょ、しょんなつもりじゃ……」
「いいってば。気にすんな。それに女の子同士のちゅーくらい大丈夫だろ」
それでも。
千鶴にとっては初めての。
「う……うぅ……」
「な、なんで泣くんだよ!? そんなに俺とチューしたくなかった?」
違うのに、違うのに。言葉が出ない。
「ごめんな。ちょっと俺も悪ふざけがすぎた……すまん」
(違うの、違うの)
両手で顔を隠す。もうイヴのほうなんて振り向けない。
「ちーちゃんごめんな、本当ごめん」
なんて言って頭を撫でる。後ろから抱きしめてくれる。
(卑怯でごめんね、ごめんね――)
涙は嘘じゃない。
でも、泣いている間、イヴは抱きしめて頭を撫でてくれる。
後、どれくらい泣こう。
なんて考えがよぎって。千鶴は心底落ち込んでいた。
涙はまだ、枯れてはくれそうにない。
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