43.ぱふⅩⅩⅩⅩぱふぱふぱふ
ぱふぱふ(((っ・ω・)っ
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
異世界転生してまだ数日ですが、私は今冒険をしています。
ええ、冒険者さんが行う冒険をしているのです。
「ぱふぱふ、ここら辺にあるのはどうだ?」
「ぱふぱふ」
バルディさんが指さす食べ物を私は鑑定し、目的の食材でないので首を横に振ります。
「そうか、違うか」
そう言ってバルディさんは森の奥へと歩を進めます。
バルディさんはトンガラシを採取してくるぜ!とカッコつけたのはいいですが、肝心のトンガラシがどんな色形をしているのか知りませんでした。
そこで目を付けたのが私――ぱふぱふです。
先程までのスパイス集めで私が鑑定を持っているのが判明したので、トンガラシ集めに私を連れて行く事にしたのです。
「これでトンガラシを見つけられなければベティに完全に嫌われるなぁ」
「ぱふぱふ」
自業自得だと思います。
当然私をトンガラシ集めに迷いの森に連れて行くのを反対したのはベティちゃんです。
何とか説得して私を連れて行く事に納得させました。
ただし、絶対に美味いカレーライスを食べさせることとなりました。
「っと、またビックフットラビットか」
種族:ビックフットラビット
特徴:1m大の大きな兎。体長の半分の長さを誇る脚から繰り出される一撃は強烈。
バルディさんが襲い掛かってくる大きな兎さんの攻撃を避け、手にした剣を一閃させます。
斬り裂かれた兎さんはバルディさんが手早く解体し毛皮と肉を背負い袋に詰め込みます。
「ぱふぱふ」
思いがけずにカレーライスに入れるお肉が手に入りましたね。
「何言っているか分からねぇが探索は順調だと思っていいんだな」
ううう、相変わらずぱふぱふはコミュニケーションを取るのが難しいです。
って、あ! 見つけました! トンガラシです!
「ぱふぱふ! ぱふぱふ!」
「何だ!? 何かあったのか!?」
私は必死にバルディさんを叩き、トンガラシに前脚を向けます。
「お、もしかしてこれがトンガラシか?」
「ぱふぱふ!」
トンガラシは唐辛子のように赤いのですが、その形状は矢のように先が尖って刺さると痛そうでした。
「よし、これでカレーライスが食べれるぞ!」
「ぱふぱふ!」
そうですね!
……まぁ、実際食材――スパイスを見つけたからと言って簡単に食べられるわけじゃありませんでしたが。
何せ、カレーはそのスパイスの調合が胆なのですから。
バルディさんが持ち帰ったトンガラシを加え早速店長さんとカレーを作成した訳ですが、私のぱふぱふ言語だけでは上手くレシピの配合率を伝えきれなかったのです。
ですが、店長さんと私の試行錯誤の末、漸くカレーが完成しました!
「うめー!」
「美味しい!」
「はふはふ、カレーライス美味しいよ」
ブリード君たちは美味しそうにカレーライスを食べてます。
「もぐもぐ、確かに癖になる味だな、これ。匂いもまた食欲をそそる。噂に違わぬ食べ物だな」
「これもバルディさんのお蔭です。本当にありがとうございます」
店長さんはバルディさんに感謝の意を示します。
私? 勿論私もカレーライスを食べています。
う―――――ま―――――い―――――ぞ―――――!!
でも
か―――――ら―――――い―――――ぞ―――――!!
「ぱふぱふ! ぱふぱふ!」
まさか異世界にてカレーライスを食べれるとは思いませんでした。
ですが、カレーライスを食べると何かを忘れているのではないかと気になります。
ぱふぱふ……?
ぱふぱふ(´・ω・`)モキュ?




