41.ぱふⅩⅩⅩⅩぱふ
ぱふぱふΨ(。・∀・。)Ψ
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
あの日以来、冒険者さんのお兄さんことバルディさんはブリード君たちに戦い方の簡単なアドバイスをしては仲良くなっていきました。
そんな中で、バルディさんが呟いた一言は私に衝撃を与えました。
「そういや、この辺でカレーライスなる珍しい食べ物があるって聞いたけど、ブリードたちは知ってるか?」
な、なんですと!?
異世界にカレーライスがあるのですか!?
それは是非、私も食べてみたいです!
「ぱふぱふ!! ぱふぱふ!!」
「おわ! どうしたんだぱふぱふ? 急に暴れ出して。んー、バル兄の言うカレーライスの店はあるけど……最近、開いてないんだ」
「そうなんだよね。暫く食べてないから食べてみたいんだけど、幾ら待っても開かないんだよ」
「カレーライス美味しいよ。お婆ちゃんに連れて行ってもらったんだ!」
どうやら珍しい食べ物のようですが、一般庶民でも食べれる身近な物のようです。
とは言え、カレーライスを扱う唯一のお店が閉まっているみたいです。
「そうかぁ、店は開いてないのか~ ん~、良し。ブリード、その店に案内してくれ」
「いいけど……どうするの?」
「何で店を開けないのかその理由を聞いて、解決できるなら解決してやろうと思ってな。もしかしたら俺の冒険者としての力が役に立つかもしれないだろ?」
「ぱふぱふ! ぱふぱふ!」
むふー、及ばずながら私も力を貸しましょう!
「そっか、ぱふぱふちゃんも食べたいんだ!」
私を抱いたベティちゃんが私の意図を汲み取ってくれます。
「お、ぱふぱふも食べたかったのか。よし、じゃあバル兄と一緒にカレーライスを食べれるようにしようぜ!」
ブリード君たちは私達をカレーライスの店まで案内してくれます。
連れられて行った先にはごく普通のお店がありました。
但し、現在は閉店状態で、店の中にはお客さんは1人も居ません。
「こんちゃー」
バルディさんを先頭に、店の中へ入っていきます。
「あの、すいません。今はお店の方は開けてないんです」
お店の奥から店長さんらしき人が出てきました。
おそらく何度も謝罪してきたのでしょう。出てきながら申し訳なさそうにお店が開いてない事を告げてきます。
「ああ、それはこいつ等から聞いて知っている。この店はカレーライスを扱う店で間違いないよな?」
「はい、カレーライスの店で間違いありません」
「なんで今は店は閉めている状態なんだ? もしよかったら理由を話してくれないか? もしかしたら力になれるかもしれないぜ」
「それが、その……当店自慢のカレーライスは、私が開発した物じゃないんですよ。旅の行商人から出来上がりのカレーを仕入れてそれを販売していたのです」
「と言う事は……その行商と連絡がつかなくなったのか?」
「そうなんです。定期的に行商人さんが来ていたのですが、最近めっきり来なくなってしまって……」
「その行商人の名前は?」
「……ケンタと言う行商人です」
「ケンタ……聞いた事ないな。商人ギルドに聞いたり、冒険者ギルドで捜索の依頼を出したりはしたのか?」
「行商人ですので商人ギルドに登録はしています。なので行方を聞いたりはしたのですが、商人ギルドでも行方は掴めてません。冒険者ギルドにも依頼を出したのですが……」
見つからない、と。
それはそうですよね。当店自慢の一品が出せなくなったとなってはその行商人の行方を必死になって探すのは当然です。
「そうか、既に冒険者ギルドには依頼済みか……ああ、そういや、冒険者ギルドでそれらしき捜索依頼が出てたっけ」
どうやらバルディさんは冒険者ギルドで行商人さんの捜索依頼を見ていたいようです。
と言う事はまだ見つかってないと言う事なのでしょう。
うーむ、どうしたらいいものか。
「はぁ……こんなことになるなら現物だけでなくレシピを無理やりでも聞いておくんだった……」
はっ、カレーのレシピ……? 私、カレーのレシピを知っている……?
ぱふぱふ。
ぱふぱふ(`・ω『+』




