40.ぱふⅩⅩⅩぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふ
ぱふぱふ(θ・ω・`)
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
裏路地の奥に迷い込んだベティちゃん達。
そこへ獲物が来たとばかりにベティちゃん達にターゲットロックオンした野犬が現れました。
私も頼りない姿ながらも野犬の前に立ち塞がりましたが威嚇にもなりませんでした。
このままでは野犬の餌食になってしまう、と言う時に現れたのが冒険者さんのお兄さんでした。
「いいか、ぼーずども。ああいった場所には安易に近づくもんじゃないぞ」
「あ、あんなの俺1人でもなんとかなったよ!」
冒険者さんのお兄さんはベティちゃん達に注意をしましたが、やんちゃ盛りのブリード君は強がりを見せます。
「はは。そうか、俺はぼーずの活躍の邪魔をしちゃったか」
「そ、そうだよ」
まさか肯定されるとは思ってなかったのか、ブリード君はちょっと戸惑います。
「お詫びと言っちゃなんだが、ぼーずどもに戦い方を教えてやろう」
「ほんとか!?」
「教えてくれるの!?」
うーん、男の子ですね。ブリード君とビート君はさっきまでの野犬に襲われた恐怖を忘れ冒険者さんのお兄さんに食いつきます。
女の子であるベティちゃんはあまり乗り気ではないのは言うまでもありません。
それにしても……この冒険者さんのお兄さんはどういうつもりなのでしょうか?
5歳の幼児に戦い方を教える……あまり普通じゃありませんよね?
それとも魔物等が溢れかえる異世界ではこれが普通なのでしょうか。
「ぱふぱふ」
もしよろしければその真意を教えてもらえるでしょうか?
「お? その生き物……ぱふぱふか?」
私が声を掛けた事で冒険者さんのお兄さんはベティちゃんに抱えられている私の存在に初めて気が付いたようです。
「そうだよ! ぱぷぱふちゃんなの! 可愛いでしょ!」
ベティちゃんはここぞとばかりに私を掲げ見せびらかします。
「大昔は沢山居たって聞くが……見るのは俺も初めてだな」
「ぱふぱふ!」
そんな事よりもどういうつもりでしょうか。
いたいけな5歳児に何をするつもりですか?
「あれ? 何かこのぱふぱふ怒ってないか?」
「あれー? ぱふぱふちゃん、どうしたの?」
あうう、やっぱり私の言葉は通じてないようです。
おかしいですね。前はぱふぱふだけでも会話が出来ていたような……
前は……?
何でしょう、何か大事な事を忘れているような……
はっ、そんな事よりブリード君たちの事です!
「あー、もしかしてぼーずたちにちょっかい掛けてるのに警戒してるのか?」
「ぱふぱふ!」
そうです! さぁ! きりきりとその企みを暴露するのです!
「そういやぱふぱふは頭が良いって話しだったな。まぁなんてことないよ。俺も昔、こうやって通りすがりの冒険者のおっちゃんから戦い方を教えてもらったんだ。その真似事みたいなもんだよ」
ふむ、嘘をついているようには見えませんが……
「まぁ、戦い方と言っても簡単な護身術的みたいなもんだよ。さっきのような場所から直ぐにでも逃げられるような。そんなに心配すんなよ」
そう言って、冒険者さんのお兄さんは私の頭をぼんぽんと叩きます。
どうやら本当に親切心からブリード君たちを心配しての事みたいですね。
それならお任せしても大丈夫でしょう。
もし何か良からぬことを企んでいるのなら……この私が成敗して差し上げます。
とは言っても今の私にはなんの力も無いのですが。
魔王の眷属……ただの飾りの称号なのでしょうか……
そんな私の心境を余所に、冒険者さんのお兄さんはブリード君とビート君に簡単なアドバイスをしています。
因みにベティちゃんも一緒に教えられてますが、あまり興味が無いようでお座なりに聞いていました。
ぱふぱふ。
ぱふぱふ!!o(`・д・´)o!!




