38.ぱふⅩⅩⅩぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふ
ぱふぱふ(*´-ω-)
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
子供は時には残酷にもなります。
「何だこの生き物。変!」
「変じゃないよ! 可愛いんだよ!」
「変だよ。なんな顔! 変な体! 変な手足! あはは!」
「変じゃない! 変じゃない! 変じゃないよぉ~!」
ぱふぱふと言う謎の生き物に転生した私を飼う事にした5歳くらいの幼女のベティちゃん
そしてベティちゃんは同年代くらいのお友達の2人の男の子たちに私を見せびらかしに来たのですが、男の子たちは私を見て変と言ったのです。
と言うか、変って言うなぁ!
可愛いと言って下さい! でないと凹みますよ!
転生したのに変な生き物と言われると凹むんですよ!
「ぱふぱふ!!」
私も抗議の声を上げますが、出てくる鳴き声はぱふぱふです。
「何だこれ。鳴き声も変だ!」
「変じゃないよ。変じゃ……うぁあぁぁぁぁん!」
あまりにも変って言われ過ぎてベティちゃんが泣き出してしまいました。
「ぱふぱふ! ぱふぱふ!」
女の子を泣かすなんて酷いです! 謝って下さい!
「あ……な、泣くなよ」
「ちょっ、あっ」
流石に男の子たちも泣き出したベティちゃんを見て戸惑ってます。
「うぁぁあぁぁぁぁぁん、うわぁぁぁぁあぁぁぁぁぁん!」
「悪かった! 悪かったよ! だから泣きやめよ!」
「変って言った事は謝る、謝るから泣くなよ!」
おたおたす男の子たちを見てベティちゃんも落ち着きを取り戻しました。
「ひっく……ぐすっ……じゃあ、ぱふぱふちゃんは可愛い?」
「あ、ああ! 可愛いよ!」
「そうだね! よく見たら可愛いじゃん」
「えへっ! でしょう? このふわふわもこもこしたのがまたいいんだよ!」
さっきまでガン泣きしてたのがもうニコニコの笑顔です。
「え、あ、本当だ。何だこの感触。ふわふわのもこもこだ」
「え? 僕にも触らせてよ」
あ、ちょっ、変なとこ触らないで下さい。くすぐったいです。
「ぱふぱふ」
私を撫でまくりようやく落ち着いた男の子たちは、大層私を気に入ったみたいで物欲しそうにベティちゃんに抱かれた私を見てます。
さっきまで変って言っていたのに現金ですね。
まぁ、子供だから興味が移りやすいのは仕方がないのでしょうけど。
「なぁ、ベティ。そのぱふぱふ?って生き物どこで手に入れたんだ?」
「裏路地で拾ったの!」
「うーん……他に落ちてなかったか?」
「このぱふぱふちゃん1匹だけだったよ」
「ねぇ、何処の裏路地で拾ったの?」
「八百屋さんの通りの裏路地だよ」
「あ、ビート。お前さては裏路地に探しに行くつもりだな!」
「勿論! ブリードも行くんでしょ? 早い者勝ちだよ!」
そう言って男の子の1人――ビートくんは駆け出しました。
それを見てもう1人の男の子――ブリード君も追いかけていきます。
「あ、待ってよ~」
ベティちゃんも慌てて追いかけます。
私が最初に居た裏路地ってあの人気のないところですよね?
うーん……幼児たちだけで大丈夫なのでしょうか?
よくよく考えれば最初にベティちゃんが裏路地に来たのだって危なかったのかもしれません。
ここは年上のお姉さんとして注意しなければ!
「ぱふぱふ! ぱふぱふ!」
「はは、待ってろよ、ぱふぱふ。お前の仲間を見つけてやるよ!」
駄目でした。ぱふぱふしか言えないこの体では注意が届きません。
逆に鳴いた事によりブリード君に催促したように聞こえたようです。
何事も無ければいいのですが。
ぱふぱふ。
ぱふぱふ!∑(ll゜Д゜ノ)ノ




