37.ぱふⅩⅩⅩぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふ
ぱふぱふ(。-`ω´-)
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
「ぱふぱふちゃん、美味しい?」
「ぱふぱふ!」
ベティちゃんは私がミルクを飲んでる姿を見てはニコニコして訊ねます。
私は勿論と答えますが、出てくる鳴き声はぱふぱふです。
因みに歩くときも足音はぱふぱふです。
何でしょうか、このぱふぱふ尽くしのぱふぱふは。
「ねぇ、お婆ちゃん。このぱふぱふ飼っていい?」
「ああ、いいとも。じゃが生き物を飼うからにはしっかり世話をするんじゃぞ。途中で投げ出さないと約束できるか?」
「うん! 約束する!」
そんな安請け合いしていいのでしょうか?
まぁ、ベティちゃんは幼女なので仕方がないのでしょうが。
もっともベティちゃんが私の世話を放棄しても追い出されることは無いでしょう。
何故ならお婆ちゃんが私の生活を保障して下さってるのですから。
「ようこそ御出で下さいました。ぱふぱふ様」
そう言って私を迎えて下さったお婆ちゃん。
いきなりの態度の変化に私は驚きを隠せません。
「ぱふぱふ……」
ちょっと警戒しながらお婆ちゃんに応えます。
「ああ、警戒なさるのも無理はありません。ですが魔王様の眷属と知っておれば蔑ろな態度を取るわけにはいかんのです」
Oh……やっぱり魔王の眷属ってばれてます。
「ベティには変な価値観を与えないよう普段通りの態度をしておりましたが、それはご容赦願いたい」
「ぱふぱふ」
あ、それは構わないです。
と言うか、お婆ちゃんの言う通り小さな子供に畏まった態度を取られるとなんだか悲しい気持ちになります。
子供は元気でいなくちゃ!
「ぱふぱふ様はある程度知名度はありますが、魔王様の眷属と知る者は少ないです。なので儂のように接する者は少ないと思われますが、どうか機嫌を損なわないでもらえると有難いです」
あ、それも大丈夫です。
寧ろ普通に接してもらえると助かります。
何しろぱふぱふ歴はまだ数分ですので。
「ぱふぱふ」
「了承していただいたと思ってもよろしいでしょうか?」
私がぱふぱふと答えても、お婆ちゃんには通じてないようです。
お婆ちゃんは頷いた私に了承したと判断したみたいです。
「うむむ……何年経ってもぱふぱふ様の言葉は分からんのぅ」
それからお婆ちゃんはぱふぱふの歴史を教えてくれました。
歴史と言ってもそれ程多くはありません。
何十年……もしかしたら何百年前にですが魔王から放たれたぱふぱふは世界中に溢れていたそうです。
ですが今ではそのぱふぱふは数を減らし、絶滅危惧種として認定されています。
もしかしたらもう既に絶滅しているかもしれないと言う事です。
それは何時の時代にも存在する愚かな人間の欲望が招いた結果だそうです。
見世物にして無理やり言う事を聞かせようとする貴族。
その身に宿した魔力を奪おうとする魔導師。
その体を覆う摩訶不思議な毛に目を付けて狩ろうとする商人。
魔王の眷属と言うだけで滅ぼそうとする聖職者。
そうした欲望に塗れた人間によりぱふぱふは数を減らしたのだそうです。
……よく魔王に滅ぼされませんでしたね、当時の人間たち。
「何はともあれぱふぱふ様を歓迎いたします」
「ぱふぱふ!」
こちらこそよろしくお願いいたします!
ぱふぱふ!
ぱふぱふ!(*>▽<*)ゝ




