36.ぱふⅩⅩⅩぱふぱふぱふぱふぱふぱふ
ぱふぱふ!(`・д・´)ノ
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
ここは何処でしょう?
私は確か交通事故で死んだはず……
ですがこうして五体満足で生きています。
五体満足……?
よく見れば私の体は人間じゃなくなっていました。
犬? 毛玉? ふわふわもこもこの丸い毛玉に顔文字の(・ω・)を張り付けたような顔に、関節の無い短い4本足が付いただけの生き物。
何ですか、この可愛い生き物は。
テンプレでよくある転生ものでしょうか?
だとしたら鑑定とか使えるかもしれません。
名称:無し
種族:ぱふぱふ
性別:♀
状態:魔王の眷属
おお、鑑定できました。
……って種族がぱふぱふ?
この毛玉犬がぱふぱふなのでしょうか。
と言うか、最後の魔王の眷属って何ですか!
え? この世界には魔王が居るのですか?
実は私ヤバい生き物に転生したのでしょうか?
そんな風に悩んでいると私に声を掛ける人物がいました。
「何これ? かわいい!」
声のする方を見ると、5歳くらいの幼女ちゃんが私を抱きかかえてきました。
「ぱふぱふ!?」
思わず声を上げてしまいます。
……声もぱふぱふなのですね。
「わー、ふわふわもこもこ! 鳴き声もかわいい!」
幼女ちゃんは私を抱えて歩き出します。
どうやら私を飼うみたいです。
今更ですが私は今居る場所が町中の裏路地みたいなところに居ることに気が付きます。
幼女ちゃんが大きな通りに出るとそこには異世界の町の光景が広がってました。
必死に目をそらしてましたが、認めないといけないみたいです。
どうやら私は異世界転生をしたようです。
幼女ちゃんは私を連れて幼女ちゃんの家に帰りました。
「お婆ちゃん! 可愛い生き物見つけたー!」
「おやおや、ぱふぱふじゃないか。随分とまぁ珍しい生き物を見つけたのぅ」
家の奥から出てきたお婆ちゃんが私を一目見てぱふぱふと見抜きました。
「ぱふぱふって言うんだ! 名前も可愛い!」
「どれ、ぱふぱふはお腹を空かせているようじゃ。ベティや、ぱふぱふにミルクを持ってきておやり」
「うん!」
幼女ちゃん――ベティちゃんは私を置いて家の奥へ行きます。
ベティちゃんが居なくなると、残された私にお婆ちゃんが佇まいを正して頭を下げました。
「ようこそ御出で下さいました。ぱふぱふ様」
ぱふぱふ様!?
え? もしかしてぱふぱふって偉い生き物なんでしょうか?
って、よくよく思い出したらぱふぱふは魔王の眷属です。
これって畏れられてるじゃないですか―――!
ぱふぱふ。
ぱふぱふ……(´・д・`)




