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ぱふぱふ  作者: 一狼
ぱふぱふⅠ(転生編)
3/43

3.ぱふぱふぱふ

ぱふぱふ((((((( ・ω・)トコトコ

 吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。


 どうもぱふぱふです。


 今日も元気にぱふぱふです。


 雨露を凌げる住処を捜して幾星霜。


 すいません。まだ3日と経ってません。


 取り敢えず木の根元で夜は過ごしてます。




 夜が明けて目を覚ますとそこには人間の冒険者さんが居ました。


 男の人と女の人です。


「お、珍しい。こんなところにぱふぱふが居るじゃないか」


 やはりぱふはぷは珍しい種族のようです。


 もしかしたら希少(レア)種族の特殊能力でもあるのでしょうか。

 期待してしまいます。


「きゃー! 可愛い!」


 女の人は私を抱きかかえます。


「ああ、可愛いなぁ。流石可愛いだけ(・・)の種族だな」


 が―――――――ん!


 どうやらぱふぱふは可愛いだけで何も特殊能力は無いみたいです。


「あら? 元気がないわね。お腹でも減ってるのかしら。

 ぱふぱふちゃん、これ食べる?」


 ショックを受けて元気をなくした私に女の人は食べ物をくれます。


 クッキーです。


「ぱふぱふ!」


 思わず歓喜の鳴き声を上げました。


 まさか異世界に来てこの姿になって人間のお菓子を食べられるとは思いませんでした。


「ぱふぱふぱふぱふ」


「ふふふ、可愛い」


「ああ、癒されるな」


 必死にクッキーを食べている私を冒険者さん達は微笑みながら眺めてます。




 そこへ1匹の狼さんが現れました。


 すわ! 冒険者さんと狼さんの戦闘か!


 と思ったんですが、冒険者さんと狼さんは動きません。


「なぁ」


「ええ」


 男の人が女の人に何かを促すと、女の人は私を地面へと置いて少し離れました。


 そうすると狼さんが近寄ってきて前足で私を転がします。


 短い足の私はあっさり転がり、必死に起きようとします。


 ぱふぱふ。


 狼さんは必死に起きようとする私をまた前足で転がします。


 ぱふぱふ。


 起き上がっては転がされ、転がらされては起き上がり。


 何でしょうか。遊ばれているのでしょうか。


 ぱぷぱふ足音を鳴らしながら起き上がる姿を狼さんと冒険者さんは微笑んで見ています。


 どうやら遊ばれているみたいです。


 いえ、遊んであげられているみたいです。




 何故か狼さんはひとしきり私と戯れた後、満足したようで去って行きました。


 冒険者さんも私を愛でた後はその場を去って行きます。


 冒険者さんと狼さんが争うのかと心配していた私は拍子抜けです。


 どうやら私のラブリーな姿に魅了されて冒険者さんも狼さんも争う事は無かったみたいです。


 すいません。言ってみただけです。




 ぱふぱふ。







ぱふぱふ(`・ω・´)

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