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ガチャ086回目:使徒指定

 昨日ルミア姉さんの元を訪れた人が、俺を狙ってる? どういう事だ……?


「まず大前提として、昨日の訪問者は、この土地で異変は起きていないか調査をしに来ていたの」

「異変ですか。……それってダンジョンが再稼働した事じゃないんですか?」

「それも十分異変ではあるけれど、彼らにしてみれば問題にもならない小事でしかないわ」


 ダンジョンが小事と切り捨てられるなんて、そんなの普通の人間ではあり得ない。となれば、上位存在が治める国の側としか思えないな。


「その上位存在の目的が実は俺だったというのが、理解できませんね」

「あたしも不可解ではあるけど、言ってる事は間違いなくあなた達なのよ」

「あなた()?」

「その子更に上位存在から指示があったそうよ。『使徒の少年と、万色のスライム』を探すようにって」

「ああー……」


 使徒が俺かどうかはさておき、万色のスライムとか、間違いなくイリスの事じゃん。


「一応知らないって言っておいたけど、何かしら確証を持って行動しているみたいよ。それに、この街に来ているのは一人みたいだけど、この国全体に手が回っているとみて間違いないわ」

「それでルミア姉さんは、どう対処したんです?」

「南の森にダンジョンが復活したけど、今は機能停止している事は伝えたわ。だから、そっちを見に行ってるんじゃないかしら」

「それって昨日の事ですよね? となると、もう調べ終えてる可能性もあるのか……」


 不味いな。タイミング的にその人がルミア姉さんから情報を貰ったのは昨日の昼過ぎだ。その人の行動力次第では、もう調査を終えた上でこの街に戻って来てる可能性すらある。


「それは無いと思うわ。だってその人、だいぶ抜けてるというか、かなりのマイペースみたいだから」

「そうなんですか?」

「本人に自覚は無いみたいだけどね。その上、極度の方向音痴みたい。この街に来たのは3日前だっていうのに、ギルドに辿り着けたのが2日前で、ここに辿り着けたのが昨日。今も気配は追ってるけど、南の森で彷徨ってるみたいだから」

「はぁ……」


 よくそんなポンコツを派遣させたな。そんなに人材がいないのか?


「とりあえず、ありがとうございます。目的が分からない以上、俺としては出会いたくない存在ですから」

「良いのよ。坊やは大事な弟子候補だし、特別な運命を背負ってるみたいだもの。なるべく助けてあげた方が、見返りも多そうだわ」

「まあ、恩は感じてますよ。おかげで良い感じに魔法スキルも取得できましたし。……それで、その追っ手はどんな見た目の人なんです? なるべく近付かないようにします」

「ああ、そうだったわね。その子は『%#$£』を主神とする国の天使見習いよ」


 相変わらず奴の名前は知覚できないみたいだな。ノイズが走って音として認識できなかった。しかしシンボルマンの国の配下か。良いように思えば味方というかサポートのために遣わしたのかもしれないけど、その国の連中が本当に一枚岩なのか俺にはまだ分からないからな。

 本当に敵意が無いのか判別できない内は、接触しない方が良いだろう。


「……ん? 天使?」

「ええ、天使よ。見た事は……流石に無いかしら? でも使徒なのよね?」

「使徒と云われるようなことをしてはないですけどね」


 この世界では。


「2日前、街をブラブラしてる時に見かけたんですよ。道に迷っていて道行く人達に聞きたいけど、怖がって誰も近付いてこなくて困ってた様子の天使ちゃんが」

「それで、坊やは……手助けしちゃったのね?」

「はい。知りたいことがあるっていうんで、ギルドの事を教えました。まあ、彼女は迷いもせずに逆方向に歩いて行ったので心配はしたんですが……方向音痴の子だったとは」

「数奇な縁ね。でも、そこまで接近したのにイリスちゃんの事は気付かれなかったのね」

『プル~ン』

「ルミア姉さん程勘が鋭くないのかもしれませんね。見習いだって話だし」

「それはまあ、不幸中の幸いかもね。ただ、天使に自ら話に行くなんて物好きは本当に珍しいわ。だから向こうには顔を覚えられているでしょうから、気を付けるのよ?」

「はい……あ、そうだ。今日はこれを売りに来たんでした」


 そう言ってゴブリンキングの王冠と、ゴブリン王の玉座を取り出した。


「買い取ってもらえます?」

「……王冠はさておき、なんてものを持って帰って来てるのよ」

「いやー、特殊効果付きみたいだし、何かしらに使えるのかなと」

「特殊効果? ……あたしには視えないんだけど、どういう効果なの?」

「え、そうなんですか?」


 ルミア姉さんの鑑定系スキルじゃ見えないのか。スキルレベル的な問題なのか、それともスキルの格の問題か。……まあとりあえず、その辺の深堀はされないみたいだから見えてる効果を伝えるか。


 名前:ゴブリン王の玉座

 品格:『最高(エピック)

 種別:家具

 説明:ゴブリン王の象徴とされる椅子。これに座るとゴブリンに対する支配力が高まり、保有者が戦闘中、玉座の付近にいるとステータスが向上する。

 ★現在の保有者:なし


 これで家具ってんだから面白いよな。3メートルのゴブリンキングが使う物としての椅子だから、人間にはデカすぎるんだよ。


「へぇー、面白い効果ね。わかったわ、買取しようじゃない」

「ありがとうございます」

「王冠は銀貨10枚、玉座は銀貨15枚でどうかしら?」

「それで大丈夫です!」

「毎度あり~」


 そうして残高は38万2210Gとなったのだった。

 鞄も空きができたし、早速西側のフォレストウルフが出るっていう場所に向かうとしますかね!

読者の皆様へ


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