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ガチャ076回目:異文化交流

 イリスが食事をしている間、ルミア姉さんから貰った解体の本を読み進める。『特殊鑑定』で見た通り所々注釈が入り、分かりやすく解説されていた。

 そうしてページ数がそこまで多くなかった事もあり、すぐに読み終わることができた。後は実践あるのみだが、俺にはイリスがいる。いくつかの工程をイリスに手伝ってもらえれば、かなりの速度で解体を済ませられるかもしれないな。


『プルー、プルーン』

「ん?」


 そう思っていると、イリスが間に入って来た。


「食べ終わったのか?」

『プル!』

「どうだ、新鮮なお肉の味は」

『プルーン。プル、プルル。プルーン』


 いつになく饒舌だ。美味かった事は間違い無いのだが、焼いた方が美味しいかな的な事を言ってる気がする。

 まあ結局、イリスが暴食の王になろうと、味覚は俺と大差ないからな。俺が好む味付けをするのが一番良いんだろう。


「さてイリス。解体のことを考えたらここで引いておくべきなのかもしれないが、ダンジョンがどうなっているか気になるところではある」

『プル』

「ていうか、図鑑に書いてたことと実際のウサギの数が合わなさすぎるからな。実際問題ダンジョンは稼働状態にあると思うんだよ」

『プルプル』

「だから、まずは様子見でダンジョンを見に行こうか。ギルドでも正確な位置は把握してなかったっぽいから、とりあえず川沿いに森を進んで行こう」

『プルー!』


 そうして行動開始した俺たちは、ウサギを蹴散らしつつ森の中へと侵入した。そして――。


『キィキィ』

『キィ……』

「ん?」

『キィ!』

『キィィ!』


 なんか、キラーラビット同士で争ってる現場に遭遇した。片や先ほど倒しまくっていた真っ白な体毛の、向こうでもよく見たキラーラビットが2体。そしてもう片方は、体毛が緑色のキラーラビット2体だった。

 もしかして別種か?


*****

名前:ハーブラビット

レベル:3

腕力:7

器用:8

頑丈:8

俊敏:12

魔力:4

知力:5

運:なし

スキル:なし

装備:なし

*****


 マジで別種だった。しかも弱いし。

 もしかしてこっちが、ダンジョンが無くなった後に根付いた種か? キラーなんて物騒な名前をしてない以上、人間とは敵対していない種族なのかもしれない。相変わらず危なそうなツノは生えてるけど、先っぽは尖っていなくてちょっと丸くなってるか?

 ハーブって名前の通り、薬草ばっか食って環境に則した形で変異したのか。


『キィ!』

『キィ……!』


 うーん、見るからに白い方が交戦的で、緑の方は気が弱そうだ。もしかすると、白い方に生存圏を追いやられてるのかもしれないな。どこの世界も弱肉強食だが、そもそもダンジョンが稼働しなきゃ彼らは今も森で平和にモシャモシャしてたはずだ。

 どちらもモンスターなら、本来は両方とも討伐しちゃうのが正しいのかもしれないが、こういうシーンを見せられるとなぁ。


「おい、そこのウサギども」

『『『『キィ!?』』』』


 ひとまず声をかけてみると、全員が同じ反応をする。だが、緑は後退りをして白い方は突っ込んで来た。

 性格の違いが出てるなぁ。


「フンッ!」

『プル!』

『キィ……』

『キィ……!』


 1人1殺。向かって来た白い方は倒したが、ここで緑の方にも追撃を仕掛けるほど落ちぶれちゃいない。


「おいお前ら、ダンジョンの位置とか……って、言葉はわかんねーよな」


 どうしたものか。

 そう思っていると、イリスがぐにょーんと縦に伸びて、必死にアピールしてくる。


『プル! プルプル!』

「ん? イリスが聞いてみてくれるのか?」

『プルーン!』


 モンスターとの会話かぁ。イリスも特殊な立ち位置とはいえ、一応元モンスターだ。ワンチャンあるかもしれないし、任せてみるか。


『プルーン。プルル、プルーン』

『キィ……?』

『キィ……』

『プル! プルル! プルルルルン!』

『キィ……?』


 イリスが必死にジェスチャーしているが、ハーブラビットは困惑している様子が見て取れる。まあ、こうしている間も敵意は見せてこないし、こいつらは平和なモンスターなのだろう。いうなれば危険のない野生動物のようなものだ。これからは見かけても、極力倒さないようにしてあげよう。


『プル、プルルン。プルルン』

『キィ……? キィ?』

『プル~~?』

『キィ!』

『プルプル!!』

『キィキィ!!』

『プル、プルル! プルプルル』

『キィキィ、キィ!』


 なんか、途中から意気投合したかのように盛り上がり始めた。もしかして、会話通じた? 視てみるか。


*****

名前:イリス

存在位格:『普通(ノーマル)

コア:極小魔石


レベル:22

腕力:135

器用:135

頑丈:135

俊敏:135

魔力:135

知力:135

運:なし


(ユニーク)スキル】魔物言語理解Lv1

(パッシブ)スキル】炎耐性Lv1、暗殺術Lv4

(アーツ)スキル】暗視、チャージアタック、吸血Lv2、悪食Lv2

(マジック)スキル】基礎マナ理論Ⅱ、魔力操作Lv2、風魔法Lv1、水魔法Lv1、魔力回復Lv3

(スペシャル)スキル】形状変化Lv4、性質変化Lv2

*****


 おー、覚えちゃったか。さすがイリスだな。

 こうやって会話ができちゃった以上、ハーブラビットは討伐対象ではなく保護対象だな。


「イリス、話は聞きだせたようだな?」

『プルーン!』


 嬉しそうにドヤるイリスだが、彼は肝心な事を忘れているようだ。


「なあイリス、1つ問題がある」

『プル?』

「お前が会話できて情報を聞き出せたとしても、俺がお前の言葉を分からないままなのは変わらずだ」

『プルー!?』


 ガーン!

 とイリスはショックを受ける。まあ、一方的に話しかけてYES/NOの確認はできるから、そこまで問題はないけどな。

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