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ガチャ052回目:モンスターリザルト1

「そういやさっき、集落の外まで行ったとか言ってやがったな。あれはマジだったのか」

「ああ。中央の像の真下に、王冠をつけてたやつがいた。そいつがボスだと思う」

「「キング!?」」


 2人とも驚いている様だが、少なくともおっさんの顔には安堵の表情が見え隠れした。エンペラーとかの上位種じゃないことに安堵してるんだろうな。それは俺もそうだが。

 エンペラーなんて、今の俺は逆立しても勝てないぞ。この世界の基準で言えばあちらのエンペラーよりももっと弱い存在だろうけど、それでも不可能だ。せめて、ガチャを1回くらいは回した後でないとな。


「坊主、今日の行動について詳しく話せ」

「……わかった。俺が道中で倒したのは5人1組で行動する集団で、その中にはホブを2体編成した工作部隊も存在した。あとは、集落の周りを警戒するようにぐるぐる回っていた連中を80体ほどだな。声を発する前に倒しては死体を隠してを繰り返してたら、80倒したところで次は来なくなったから、その隙に本陣の外から中の様子を伺って見て来たんだ。集落の中には木と皮と藁なんかで出来た住居が少なくとも20個ほどはあったから、元々何体くらいいたのか規模が読めない」

「それで『暗殺術』のスキルが増えてたのかよ。……工作部隊ってのは、具体的には?」

「シャベルと斧を持ったホブで、道中落とし穴を作ってるみたいだった。穴の深さは4、5メートルほど。穴の底は木の槍が敷き詰められていて、上には申し訳程度の葉っぱと木の蔓で誤魔化してる感じだった。ちゃんと足元を見てれば違和感がすごいけど、無警戒だと引っかかるだろうな。実際、アホのゴブリンが1体掛かってた」

「それの工作部隊が、集落から街に向かう直線距離で遭遇したんだな。リザルトの数からして2部隊か」

「そう。俺もそんなのには引っかかりたくないから、見つけ次第奴らから奪ったシャベルで塞いできたけどな」


 いやー、あれは腰にくるかと思った。若返ったとはいえ、ああいうのはできればやりたくないな。けど、俺の戦い方は動き回ることが多いからな。うっかり自分がスルーした罠に引っ掛かったら目も当てられない。

 まだまだ俺の『運』も低いし、できるだけ危険の芽は早いうちに摘み取っておきたいところだ。


「おお、やるじゃねえか。敵の本拠地付近でそんなものを見つけても、基本的に罠にかかりたくないから近づかない奴が多いんだ。だが、そうすることで他の誰かが引っ掛かってしまう可能性があるから、できることなら潰しておいて欲しいってのがギルドとしての総意だ。ベテランの冒険者ならその辺分かってくれてるんだが、新米や中堅だとどうもな」

「まあ、罠を潰したところで自分の稼ぎにはならないからな」

「ガハハ! それでもやってくれるとは、やはり小僧は分かってるな!」


 あくまで自分のためなんだが、おっさんからは良い方に解釈されたようだ。


「おーいミランダ、そろそろ計算は終わったか? 小僧が時間を気にしてるようだし、早く終わらせてやれ」

「今やってます。話しかけないでください」


 まあ、数が多いもんな。それにレベルによって値段の算出方法も違うみたいだし、大変そうだ。


「んじゃもうちっと話すか。坊主、お前明日も行くんだよな?」

「当然。せっかく大量討伐のチャンスなのに、このまま放っておいてあの森を去られたら厄介だからな」

「だな。あそこに留まってくれる分には結構なんだが、他所に行かれちゃ生態系がぶっ壊れる。キングがいるならなおさらだ。それと、坊主が言ってたようにダンジョンが本当に動いていないのか確認する必要もあるから、明日のあの森は、更に騒がしくなるぞ」

「……つまり、陽動をしてくれるという訳か」

「キングと戦いてえってんだろ? 安心しろ、失敗しても骨は拾ってやるよ」

「ここで死ぬ気はないんで。ヤバそうならちゃんと逃げるしな」

「だが念のためだ。明日は出発前にここにある店に行け。お前の冒険の役に立つアイテムが置いてあるはずだ」


 そう言っておっさんは、地図を広げてとある店を指で示した。この場所は、ギルドから東門の方に行った先にあるな。丁度宿屋とは逆方向にあるから、そこに店がある事自体知らなかった。

 何があるかは知らないが、おっさんが言うんだし、間違いはないだろう。


「ここって提携店?」

「おう。だから金をジャラジャラと持っていく必要はねえから安心しな」

「それはよかった」

「終わりました!」


 ミランダさんがばっと顔を上げた。そして手元のポーチから機械とお金を取り出し、精算処理を進めてくれる。


「あ、ショウタくん。内訳はいる?」

「一応お願いします」

「ちょっと待ってね~……はい。どうぞ」


・ゴブリンレベル2:4体×15G=60G

・ゴブリンレベル3:3体×20G=60G

・ゴブリンレベル4:5体×25G=125G

・ゴブリンレベル5:7体×40G=280G

・ファイターゴブリンレベル5:2体×60G=120G

・ファイターゴブリンレベル6:7体×70G=490G

・ファイターゴブリンレベル7:6体×80G=480G

・ファイターゴブリンレベル8:8体×100G=800G

・レンジャーゴブリンレベル5:3体×45G=135G

・レンジャーゴブリンレベル6:7体×50G=350G

・レンジャーゴブリンレベル7:6体×60G=360G

・レンジャーゴブリンレベル8:11体×80G=880G

・スピアゴブリンレベル5:4体×60G=240G

・スピアゴブリンレベル6:4体×70G=280G

・スピアゴブリンレベル7:3体×80G=240G

・スピアゴブリンレベル8:8体×100G=800G

・ナイトゴブリンレベル5:3体×80G=240G

・ナイトゴブリンレベル6:7体×100G=700G

・ナイトゴブリンレベル7:4体×120G=480G

・ナイトゴブリンレベル8:8体×140G=560G

・ホブゴブリンLv8:4体×1000G=4000G


・リーフ草 判定S 12本×(120G+特別報酬80G)=2400G

・解毒草 判定S 15本×400G=6000G


「しめて、20080G。残高を合わせて161180Gですっ」

「ガハハ! ゴブリン討伐だけでここまで稼ぐ奴は十数年前でもいなかったぜ!」

「おー」


 ゴブリンだけでも銀貨11枚とちょっとか。武器に比べれば物足りないが、まああれは本来あり得ない稼ぎだからしょうがないか。

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