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ガチャ029回目:調査開始

「お、少年。見違えたな」

「あ、ザインさん。おはようございます」


 にこやかに挨拶をしてくれたザインさんと軽く雑談をする。


「そうか……。やはりギルドの方でもダンジョンの復活の可能性が懸念されているのだな」

「まあ依頼された内容は調査ですけどね。とにかく、今日を乗り切ればザインさんにばっちり返済ができそうです」

「そうか。まだ半分も期日が過ぎていないというのに働き者だな。だが、ダンジョンが無かったとしても、ホブが出てくるというのは異常事態だ。くれぐれも無茶はしてくれるなよ」

「はい、命大事に行ってきまーす!」



◇◇◇◇◇◇◇◇



 そうして森に到着すると、イリスが懐から飛び出してきた。今日もやる気いっぱいだな。


『プル~ン!』

「さて、イリス。道中でこの森の位置関係は説明したとは思うが、南東は危険地帯だ」

『プルプル』

「そして昨日の行動経路を思い出せば、俺達は採取アイテムを確保するためにあちこちに蛇行しまくっていたけど、最終的には南東寄りだった気がするんだよな」

『プル~』


 行き順だけでは不明瞭だったが、木の傷痕を辿った帰り道を思い起こしてみれば、自ずと自らが迷い込んだ場所が大体どの方角だったかの見当がついてくる。森の規模感からして、俺達が辿り着いたのは、森の北端にある入口と集落予測値との、丁度中間地点付近だったと予想される。にもかかわらずホブと遭遇したのだ。

 下手すれば、集落はもっととんでもない事になってる可能性すらある。


「だからもし、ダンジョン跡地に行って得られる物がなかったとしても、集落近辺にいけばまたホブかそれに近い存在と対峙できるかもしれないわけだ。連中はダンジョンからの自然発生以外にも、高サイクルでの繁殖や進化ができるみたいだしな。しばらく誰も辿り着けていないなら、キングクラスの上位種が出ていてもおかしくはない」

『プル~?』

「ま、流石にそのクラスがいるようなら全力で撤退するさ。ただ、ホブすらいなかったとしてもゴブリンは大量にいるだろう。だからその時は質より量だ。大量に『鉄の短剣』をゲットして、お金に換えていっぱい食べよう」

『プル~! プルプル!』


 意気込み十分にテンションを上げるイリスを抱え上げる。


『プル~?』

「とりあえず今は移動重視だから、イリスは頭にでも乗っててくれ。ただ、利益率の高い『リフレス草』と『解毒草』だけは採取しようか」

『プルル!』


 そうしてゴブリンと遭遇することなく、森を直進し続ける事30分ほど。収穫は『リフレス草』7本に、『解毒草』5本だ。前者の判定はBになりそうなものが今回も2本ほどあるが、他はAを取れそうだし『解毒草』は言うまでもない。この時点で2850Gは確定な訳で、稼ぎとしては十分な訳だが、本来の目的ではないので浮かれすぎないようにしなきゃな。

 うーん、文字通り途中で道草を食ったとはいえ、そろそろ目的地の目印が見えて来ても良い頃合いなんだが……。


「お」


 噂をすればなんとやら。ダンジョン跡地付近に目印として建てられた、巨大な木の杭だ。モンスターには程度の差はあれど、なまじ知性はある為に簡単に真似できるような安直な目印を建てると模倣され、情報が錯綜してしまう。そのため用意されたのがあの杭であり、自然物では出せない純白で塗装されている。また、なんらかの魔法的な力でコーティングされているそうで、汚れたり破損する事無くその場に残り続けているそうな。

 こんな目立った目印を見逃すはずもないし、間違いなくこの先に件の洞窟があるはずだ。聞いた話によれば、ここから大体南に300メートルほどらしい。そしてゴブリンの集落はそこから真東に3キロほど離れているという。つまりはここが最後の安全地帯であり、しばらくは油断が許されない時間が続くはずだ。


「……となれば、ちょっと早いけど飯にするか」

『プル~!』


 取り出したるは巨大サンドイッチ。パンの大きさもそうだが3層からなる具の数も膨大で、イリスがリピートするのも頷ける。

 確かにこれ1個で普通の人間は腹が膨れ満足するかもしれないくらいにはデカい。だが俺は一般的に見てもよく食べる方だ。元々は普通だったはずだが、地球での生活が尾を引いているのか、それとも暴食の王が隣にいるからか。その辺は分からないが、こちらでも変わらず腹が減りやすいんだよな。


「そんじゃ、いただきまーす」

『プル~ン!』


 ちょっと早い食事だったが、森の中を歩いて採取をしたことでそれなりに腹は空いてたらしい。イリスは当然として、俺も2人前をぺろりと平らげ、最終確認をする。


「イリス、念のためこの武器2本とも、再コーティングをしてくれ」

『プル!』


 森に着くまでの間に、イリスには2本の武器のコーティングを頼んでおいた。新調した新武器ということもあるが、切れ味はすさまじく、通り道に邪魔な枝木を斬り落とすだけでもその切れ味の高さは伺えた。


 名称:磨かれた鋼鉄の長剣

 品格:≪希少≫レア

 種別:片手剣

 武器レベル:11(+2)

 説明:精錬された鋼鉄を、更に特殊な手段で磨き上げた長剣。扱いやすく折れにくく、更には威力も上昇しているバランスの良い武器。


 名称:磨かれた亜銀の長剣

 品格:≪希少≫レア

 種別:片手剣

 武器レベル:15(+2)

 説明:特殊な手段で磨き上げた亜銀の剣。攻撃能力は更に高まり、頑丈さも上がっており希少(レア)武器の中でも高水準で纏まっている。


 これをゴブリンに試せるのか。今から楽しみだな。

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