表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/75

冒険の仕掛けー2

俺たちは再び隠し部屋に戻り、例の装飾の中の穴に鍵を差し込んだ。

すると、ただの棒を差し込んだだけなのに、かちんと音がしたと思ったら青い石が浮いて台座から外れる。



マジで鍵だったのか。

どうなってんだ?これ?



「とれたよ。サイ。ありがとう。」

「いやあ。マジで見つけるとはなあ。お前さんすげえわ。」



オルとヤジスさんに褒められるけど、何とも言えない気分だった。

鍵にも驚いたけど、お地蔵様を見たせいかアサイー帝が日本人だったって方がショックでかいんだよな。



「お前の手柄だ。喜べ。」

「そうよぉ。サイちゃんすごいんだからぁ。」

「はい…。あの、それがカギっていうのが不思議で。」



ホントは違うが、嘘でもないので誤魔化しておく。

船長にはアサイー帝が同郷だって言ったからか、頭を撫でられる。



く、首がもげる。

もうちょっと加減して欲しいんだけど。まあ、船長だしな。



「ああ。これはアサイー帝の遺産だよ。」

「遺産?」



「そう。どういう作りになってるのかはいまだになぞでね。魔法だってことしかわかってないけど、アサイー帝は物をペアで作るのに長けたひとだったんだ。魔法で鍵の対象物を固定できて、それがあらゆる場所に使われたんだよ。ビンギス帝国が大きくなれた一つの要因だね。」



あ~。セキュリティ万全な鍵があれば、そりゃ違うわな。

身分の高い連中への良い売り物にもなっただろうし、自国の防衛にも役立っただろう。



魔法で鍵の固定かあ。それこそチート技だな。

ただの棒に見えたから不思議だったけど、チートの産物なら疑問を持ってもしゃーないか。



「すごい鍵なんだな。」

「そうだね。代わりは無いから、鍵が紛失したらもう使えないのもあって、数はずいぶん減ったけどね。持ち運べる鍵のセットは未だに巨額で取引されるよ。これは持っていけないけどね。」



「壁に作ってあるもんな。」

「そう。削ろうにも「不死身の壁」じゃねえ。」

「はあ。もったいねえ。何で壁が再生するかなあ。」



オルが苦笑すると、ヤジスさんがため息をつく。

他の皆も頷いてたから、同じように惜しいと思ってるんだろう。



「欲張んな。これが取れただけでもめっけもんだ。」

「そうだね。ごめん。」

「すみません。欲は厳禁でした。」



船長が諌めると、オルとヤジスさんが頷いてその場の空気が変わる。

きりりと気持ちが引き締まって、次に行こうって気になった。



シメるところはシメるってわけだ。

やっぱ、船長ってかっこいいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ