終末決戦・〖勇者と魔王の未来の為に〗No.3 分散
『ソロモン山脈中腹』
俺達は今、ソロモンの峰へと目指し移動をしている。そして、先程の襲撃がまたあると考え、空間操作術〖匣〗の力で結界を造り。この中を浮遊魔法で浮かせながら移動していた。何故、移動なのかというと。ソロモン山脈の中へと入った時から何故か、転移魔法が安定して使えなくなったからだ。
「……刹那。ここは何なのだ? 四角の結界の様だが」
「フレイヤ地方で新しく手に入れた力〖匣〗ってやつだよ。エスフィール、この〖匣〗を展開しながら移動していれば、外部から攻撃や干渉を余り受けなくてすまなくなるんだ」
「九条先生との修行の時は使っていなかった力か。お主。また密かに修行して力を付けておったのか……ハァー、それにしても刹那は私に隠し事が多いのう。特に魔法や魔道具に対する秘密が特に多いのう。さっきの殲滅人形とやらもそうじゃが……」
エスフィールはそう告げて、溜め息を漏らした。いたいこんな時に何なんだろか?
「解答……魔法使いはだいたいそう。自身の力を余り他人には見せないもの。これは魔術院の教えでもあるわ」
「ほう。魔術院の教えのう。私が居た北東魔法学院では、魔法は皆に等しく教え合い、共に学ぶが当たり前じゃったから。その考えは少しピンとこんのう」
「判別……四大魔法学校の教え方もそれぞれ事なるのね」
「二人共。そろそろ開けた場所に着く。警戒してくれ」
エスフィールとスカサハがそんな会話をしている間にソロモン山脈の中腹部へと辿り着いた。そこには黒い扉があった。俺達は開けるか戸惑った末。扉を開けて中へと入って行った。
『黄昏の花園』
扉を潜った瞬間。そこは黄金の麦畑……白銀の花園……月夜の崖の上にある城……美しい巨大な湖……等。人がこの場所を見れば美しいと感じる景色が広がっていた。
「……幻想郷か? ここは」
「何ともちぐはぐな場所じゃのう。ここは」
「黄昏……伝説の神話具現空間ね」
各々がこの奇怪な場所の感想を述べている時だった。二人の人物がいきなり現れた。
「来たか……あれが魔法大陸の勇者か」
「ああ、そうだ。アルゴン。分かってはいると思うが、君の命は……」
「了承している。擬似的蘇生なのだろう? 良い……我が魔術の友。ホーエンハイムの願いが成就するなら冥界から呼び出され、消す命だろが許そう……それで? どちらを相手する。愚者」
「……それでは。私は魔王の相手を」
「そうか。ならば俺は……霊王の娘だな。征服者アルゴンが相手だ。小娘! 影魔槍〖呪昆〗」
「……征服者アルゴンに感謝を。物質魔法〖白金の矢〗」
「……何だアイツ等? いきなり攻撃してきたぞ。それに〖愚者〗と〖征服者〗って言ったか? それって……大アルカナのNo.0とNo.7の事だよな? そんな奴等がまだ残っていたのか?」
「……そう。魔法使いは秘匿が大事」
「俺は冥界から先程呼び出されただけだがな。死ね。魔法大陸の勇者!」
愚者と征服者を名のる奴等は一瞬で俺達との間合いを詰め。何の迷いもなく俺だけへと攻撃を繰り出して来た。
「させぬは! 闇魔法〖闇影〗」
「……つっ!」
「不意……卑怯者! 〖赤晶〗」
「グオッ?!」
「エスフィール……スカサハ……」
「刹那よ。ここは私とスカサハ殿に任せて先に行け。お主は……お主は勇者としてあのギアートルとやらの企みを止めて来い! こ奴等を倒したら私達も直ぐに追いかけるからのう!」
「明答……貴方なら、あのギアートル・ホーエンハイムを止められるは貴方しか出来ないわ。だから行きなさい」
「二人共……だが相手は大アルカナのNo.0とNo.7何だぞ! 君達だけじゃ……」
「勝てる! その為に九条先生の元で私は修行したのだ」
「無敵……それに私は無敵だから大丈夫よ。勝って……白い世界を止めましょう。カミ君」
「……分かった! ギアートルを倒しに先に行く。君達も必ず勝てよ。エスフィール、スカサハ……転移魔法〖次元突破〗」ブオンッ!
「……余計な事をしてくれたな。魔王……お前が私に勝てると?」
「ああ、勝てる。その為にこれまで厳しい旅と修行をしてきたのだからな」
「勇者と影の国の者ががまた我々、〖神々の黄昏〗の邪魔をするか」
「殲滅……させてもらうは五百年前の亡霊アルゴンさん」
◇
『ソロモン山脈・峰』
「……何しに来た? 勇者カミナリ」
ブオンッ!
「アンタを倒しに……ギアートル・ホーエンハイム」
「ならば返り討ちにし、終末を完遂しよう。この世界の未来の為に」
「違うな。アンタを止めて終末を止める。この世界の明日の為に」
各々の最後の戦いが始まる……終末の決戦が遂に始まる……




