ラグナログの始まり
アテナ地方とヘラ地方の境目
『ソロモン山脈頂上』
「ギアートル……イシスの気配が消えた」
「………そうか。まさか。極東の列島大陸からこの西の大陸まで戻って来るか。〖救国の担い手〗……そして、〖異界〗を一日もせず破壊するとは」
「どうする? 今、奴等はティアマト地方の上空移動しているが」
「ロキの動きはどうだ? ゼロ」
「〖破壊〗と別れて、一人崩壊しイシスへと向かっている」
「ならばゼロよ。お前はティアマト地方へと〖無闇〗で向かい、〖救国の担い手〗を地球側へと送り返しに行ってくれ。あれがこちらの世界に居ると邪魔されのでな」
「ああ、直ぐに向かおう。君の為ならね」ズズズ……
「よく気がきく伴侶だ……始めるか……かの地よ。応えよ。応えよ! この地の主たる〖ギアートル・ホーエンハイム〗が命ずる。ソロモン山脈よ。終末の城へと姿を変えよ。終末の時、ラグナログを始める為に」
【………主のご命令のままに】
意思ある山脈……〖ソロモン山脈〗がその姿形を変える巨大な巨城へと変貌していく。
「神話時代と全く変わらぬ姿で何よりだ。ソロモンよ……そして、集え我が有能な眷属達よ。〖不死騎士〗〖婦人〗〖英雄〗〖博士〗〖機甲〗〖大魔女〗〖魔神〗……七人の有能な部下……七死霊達よ」
ゴロゴロ……バリバリバリバリ!!
ソロモン山脈の頂上に六つの落雷がギアートル・ホーエンハイムの前に落ちる。
「「「「「「我等の主たるギアートル・ホーエンハイム様。神明に従い我等〖七死霊〗が此処に!」」」」」」
「時は来た。ユグドラシル、アテナ、ヘファイストス、ヘスティア、フレイヤ、ティアマト、ヘラ各地方に進み制圧せよ」
「「「「「「御意………」」」」」」シュンッ!
「………今回は誰にも邪魔をさせん。全てはあのお方の為に……」
◇
『ティアマト地方 魔道船ユピテル』昼頃
「では、僕はこのまま〖アヴァロン〗へと向かうので失礼します。エリスさん、フェンリルさん、セシリアさん、勇……弟君。また何処かでお会いしましょう。さようなら」
「バイバイニャー!」
「ええ、さようなら」
「お世話になりました。アーサー殿」
「さようなら……数分でティアマト地方まで帰って来れるとは、いったいどんな魔力量してるんだ。アーサーさんは……」
俺がアーサーさんを見ながらそう言っていると……
「ほう? あれがかの有名なアーサー王なのか? そして、この三日間、何処に行っておったのだ? セツナよ」
「……何でエスフィールさんが此処に居るんだい?」
「……それは朝からずっと、ユナ姉が兄弟子を探していたか……モガ?」
「黙っておれ。サーシャ……そんな事よりもセツナよ。お主、本当に何処へ行っておったのじゃ? 三日前にお主を起こしに行ったら、どこにも居らなかったから心配たんだぞ」
「いやー、色々とあったんだよ。色々とさぁー、詳しい事はサーシャと三人の時に……」
「む?……ああ、そういう事か。了解した。それと何故、ここにセシリアも居るのじゃ?」
「メイエス! 久し振りニャアア! 聞いてほしいのニャア! わっち、エリスに何度も殺されるかけたのニャア」
「おお、久し振りじゃな。セシリア……それで? エリス殿にどんな迷惑をかけたのだ?」
「ニャー! 違うニャア。わっちが迷惑をかけられたのニャア!!」
「セシリア女王が元気になって良かったですね。エリス様……? どうかなさいましたか?」
「いえ……何だか弟君とあの金髪の方のやり取りを見ていると胸がチクッとしたものでして」
「……胸がチクッとですか? そんな乙女の様な事をエリス様が述べるとはあぁぁあ!! 痛!」
「相変わらず。口が軽いですね。フェンリル……は…!……来る!」
「来る...…何がですか? エリス様」
シュンッ!
「擬似的な転移では数秒しか居られないが、まぁ、良いか。救国の担い手と魔王は邪魔、帰りなさい。地球へ。〖戻す《リバース》〗」
「は? この声は……君はまさか?」シュンッ!
「な、何じゃ? いきなり?!」シュンッ!
「ニャー! メイエス!!」シュンッ!
「……これで邪魔な存在は消えた。これより始まるは最終決戦……ラグナログが始まる」シュンッ!
こうして俺とエスフィールは謎の仮面を付けた何者かに、強制的に地球へと帰還させられてしまったのだった。
最終部〖七死霊・決戦〗編
開幕




