短い期間の忠誠を
『ヘル・デアル』大館
「あっ!やっと来た!ちょっと!神成君。貴方、何処に居たのよ?ヘル・デアのあっちこっち探します回ったんだからね」
委員長の怒りの声が聞こえてくる。何でだろう?久しぶりにあった様な気分だ。
「あ、あぁ、済まん。冒険者ギルドでセシルス王子から昨日の事を詳しく聞いていんだ」
「セシルス王子?誰よそれ‥‥‥‥」
「おぉ、麗しいうる若き乙女よ。なんと美しい姿か‥‥‥‥‥始めまして、私はガリア帝国の第三王子セシルス・ガリアと言います」
偽造100%の外交スマイルとおべっかトークを委員長に向かって放つ。それを委員長は‥‥‥‥‥
「セシルス王子?‥‥‥‥‥あ、そうなの。宜しく。セシルスさん」
冷たくあしらわれてしまった。
「‥‥‥‥‥‥おぉ、なんという。冷徹なる対応‥‥‥‥ゾクゾクする‥‥‥‥‥いや、毅然とした姿に見惚れしてしまいました」
「な、何?この人‥‥‥‥‥バカなの?」
おや?‥‥‥‥‥何だ?委員長も満更でもないのか?それにセシルス王子もなんだか‥‥‥‥‥顔が赤いぞ?
つうか、ウリエルの奴、セシルス王子に何をしたんだ?昨日とは少し性格が変わってる様な気がするぞ。
武術美少女×男装美少女王子か‥‥‥‥‥‥凄い組み合わせだな。
「あっちは‥‥‥‥‥良い雰囲気になりそうな予感だからそっとしておこう」
「では、此方の対応をお願いします。セツ君」
「やっと来たわね。セツナ」
おっと次はアヤネとラファエルか。
そういえば、昨日のシリウスとの闘いはこの二人が地下に幽閉されていた人達を解放してくれたお陰で、闘いの形勢が此方に傾いたんだったな。
ちゃんとお礼を言わないとな‥‥‥
「あぁ、対応するよ。アヤネにラファエル。昨日は君達のお陰でシリウスに勝つ事が‥‥‥‥‥」
俺が二人にお礼を良い終えよとした瞬間。
「我が名はギルフォード。魔族にして軍人である。此度の解放の礼の為、貴殿に仕える」
《魔王領・元軍隊長ギルフォード・サイウォール》
「私は神代から生きる者。ハルピュイアよ。宜しく」
《神鳥・ハーピィー・ハルピュイア》
「ギギギ‥‥‥‥‥解放のお礼をする‥‥‥‥絶対に‥‥‥‥ラルラウネ」
《アルトネ大陸・禁忌の森の防人・聖霊樹・アルラウネ》
「グルルルル!元気そうで何よりだ。短き付き合いになる解放者よ。グルルルル!」
《異界の守護獣・神猫・ケット・シー》
「そうか‥‥‥‥‥君が我々を開放し、ロマ・テレシアを滅亡させる間までの契約者なのか‥‥‥俺はオリオン。宜しく頼む」
《神人・《星の狩人》・オリオン》
「グルルル!以上。我々、五名が解放された『契約者』達の代表だ。良かったな。解放者よ。我々、一人、一人が神話級の力を持った強者達だぞ。グルルルル!」
ケット・シーがそう言いながら、俺の右肩へと登って来た。
「代表?何のこっちゃ?神猫様よ」
俺はそう言ってケット・シーの首元優しく撫でた。
「グルルル!お、おふ、こ、これはなかなか‥‥‥‥‥」
「貴殿が解放し、一時的に契約を交わした者達があまりにも多かったのだ」
「えぇ、だから、半分はそのまま『ロマ・テレシア』の各都市を蹂躙しているわ。貴方に言われた通りにね」
「ギギギ‥‥‥‥‥残り半分は西と東の‥‥信徒達を狩りに行ったんだ‥‥‥‥ギギギ」
「そして、残った俺達で君の闘いの手伝いをすると『星』との闘い後の夜明け前に話し合って決めたんだ。神成‥‥‥‥いや、ナルカミ」
「あぁ、宜しく!オリオン‥‥‥‥いや、皆!」
「はっ!」「えぇ!」「ギギギ‥‥‥」
「グルルル!任せよ。解放者」
オリオンはそう言って俺の前に来てくれた。長身でとてもハンサムな顔をしている。昨日のシリウスの隕石もこのオリオンが何かしたとセシルスは言っていたんだよな‥‥‥‥‥仲間にする計画だったとはいえ、とんでもない奴等が一気に仲間になってくれたものだな。
「ところでセツナ。あんたに聞きたい事があるから私とちょっと一緒に来なさい」
ラファエルがそう言って、ヘル・デアル大館の庭園を指さした。
「ラファエルが俺に聞きたい事?いったい何を‥‥‥‥‥あっ!」
「そうよ‥‥‥‥‥あの子の事よ!分かったら、付いてきなさい。早く!」
「分かった。行くよ!皆、少しここで待っていてくれ‥‥‥‥」
「ま、待って下さい!わ、私に対するセツ君からのご褒美は?」
「後よ、後。お預けよ。アヤネ」
「そ、そんな‥‥‥‥‥あんまりです!」
「あんまりで結構よ。今は私の用件の方が退治なの。ねぇ、セツナ」
「‥‥‥‥‥そうだな。行こう」
そうして、俺とラファエルは庭園へと二人だけで移動した。
ヘル・デアル大館・庭園
「‥‥‥‥‥ウリエルは‥‥‥‥何処に行ったのかしら?ねぇ?色男さん」
「‥‥‥‥‥‥‥俺の心の中(心理世界)で休んでる‥‥‥」
「‥‥‥‥‥やってくれたわね。あんた達‥‥‥‥それがどういう事か分かって同化したんでしょうね?」
「同化?何じゃそりゃ?」
「知らないでやったわけ?‥‥‥‥いや、これもあの子が決めた事だし‥‥‥‥仕方ないのかしら‥‥‥色々と思い詰めてたし‥‥」
「だから、同化って何だよ。ラファエル」
「同化は同化よ。あんたの心とウリエルの心が一緒の場所になったって事よ」
「あぁ、ヘスティア様の〖心理の祝福〗の権能なんだとかウリエルは言ってたな」
「権能?‥‥‥‥‥あの―女神―様。何してくれてるのよ。まぁ、私が視た感じだと心の相性も悪くないみたいだし、ウリエルにとっては一番良いポジションに収まったみたいだから良いのかしら?」
「良いのか?つうか、ウリエルと俺が心が同化したら、どっちかの心が無くなるとか‥‥‥‥」
「あー、ないない!無いわよ。ていうか、あの子がそんな事。望む分けないし、あんたの事で頭がいっぱいでしょうしね‥‥‥‥まぁ、同化なんであの子なら何時でも解けるし‥‥‥あの子がセツナの中に入れば色々と助けてくれるだろうから。暫く様子見ね‥‥‥‥大切にしてあげなさいよ。泣かせたら殺すわよ」
「‥‥‥‥はい」
ラファエルの目はマジだった。
こうして、皆と合流し、新な仲間との邂逅も無事終わった。だが、ウリエルが俺の心の中にいる事がラファエルにバレてしまった。
つうか、良く分かったな。このツンデレ天使。同じ天使族だからか?友情パワーか?
謎である。
当のウリエルは俺の心の中で寛いでいるし、どうしたものかと俺は考えるのだった。




