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赤白と金星の新たなる航路 No.6 あの日から私は歪み始めた


「ゴボッ‥‥‥‥‥‥‥‥‥」


沈む、沈んで行く‥‥‥‥‥。


さっきまで教会があった場所。


さっきまで地下があった場所。


さっきまで‥‥‥‥‥私の楽しい、楽しい、玩具達を隠していた場所。


それがたったの数刻で変わった。


教会の地下は魔法とは言えないよな不可思議な力で持ち上がり、大きな空き穴を作り。


私の周りには意味が分からない異常気象。


そして、空き穴には暴雨が降り始め。汚濁となって私を地下へと沈めていく。


許さない、許さない、許さない。


ラインバッハを許さない。


こんな状況にした、金星(ポースポロス)ラダ・テラを許さない。


私に水星(スティルボーン)の地位を譲らない。ディエース御姉様を許さない。


‥‥‥‥‥‥‥私を苦しめて歪める人は‥‥‥‥【教皇】様。以外、許さない。



現代・『ロマ・テレシア』大聖堂


「御初に御目にかかります。私はホスフィン・アウェンティヌス」


「ほーう、お前が時期、水星(スティルボーン)と一族から期待されている『水石』のホスフィンか。ディエースと似て美しい容姿をしているな‥‥‥‥‥」


「あ、ありがとうございます。【教皇】様にそう言って頂けるなんて、夢のようです」


「しているが‥‥‥‥‥‥社会性に欠け‥‥‥‥‥野心があるな。心の奥底では俺様をも見下し、ふんぞり反ってやがる」


「い、いえ!私はその様な事、一切思っておりません!」


「そうか、苦しい言い分けだが。気に入った!貴様には特別な『星』の力を与えてるよ‥‥‥‥ラスト。あれが‥‥‥‥‥あったろう?それをコイツの心象に植え付けてやれ」


「はっ!‥‥‥‥‥‥【教皇】様も‥‥‥‥人が悪いですな‥‥‥‥‥ヒヒヒ‥‥‥‥」


「黙っていろ。ラスト!それに、俺様は人ではないだろうが」 


「ヒヒヒ、すみません‥‥‥‥‥娘、【教皇】様からのお慈悲だ。何か危なくなったら上手く使え、ヒヒヒ」


「は、はい!ありがとうございます。『東星』ラスト様」


「‥‥‥‥‥‥くっ!」


「なんですかな?シリウス殿」


「いや‥‥‥‥‥‥何でもありません」


「?」


「よしっ!力は渡した‥‥‥‥‥ハハハ、上手く使い出世しろよ。野心家で利己主義のホスフィン・アウェンティヌス『水石』」


「はっ!」


ガチャッ!‥‥‥‥‥‥。


「【教皇】様‥‥‥‥あれは」


「面白そうだろう?シリウス。あれは良い実験になる。あの、美しい容姿がどんな醜い信徒へと変貌するか楽しみだ!ハハハ!!!」


「はい、このラストも大変に楽しいです。我が恩人の【教皇】様」


「そう‥‥‥‥ですな」



全て聴こえているんです‥‥‥‥‥‥何が「はっ!」だ。【教皇】様と『東星』様のあの反応‥‥‥‥‥‥ただの『嫉妬』を引き出す実験に使われる石、捨て『石』にされただけじゃないですか。


でも、逆らえない。逆らったらいけない、逆らった瞬間に一族もろとも皆殺しにされる。

でも、もう死にそうな今、もう良いのです‥‥‥‥『嫉妬』を力に‥‥‥‥変えて‥‥‥‥私に酷い目に合わせたラインバッハを殺します。



元教会地下・水没地


「‥‥‥‥‥此方は終わったな‥‥‥‥早急にメリュジーヌ氏に合流するか。しかし‥‥‥‥‥まさか援軍として『セルビア』の最高戦力の一角を送り込んで来るとは、ナルカミ氏も容赦が無い‥‥‥‥‥ん?地下から変な気配が?」



ゴボッ!‥‥‥‥‥‥ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


ドバアアアアンンン!!!!


「シャアアアアアア!!!殺します。ラインバッハ・エゴル!!!!」


教会地下に貯まった汚濁から勢い良く飛び出して来たのは、藍色の鱗と軽く全長10mはあるだろうかと思われる藍色の蛇に変貌した。新官候補・ホスフィン・アウェンティヌスだった。


「これは‥‥‥‥‥‥‥蛇か?いや、水蛇か!‥‥‥‥‥頭部にホスフィン・アウェンティヌスの顔が付いてやがる」


「こ、殺、殺します!!ラインバッハ!!!ズザアァアアア!!!!」


「よくもまぁ、‥‥‥‥こんな、少女に魔法世界(アリーナ)の禁忌の域を越えさせたものだな。『ロマ・テレシア』は『暴風雨(テンペスト)』よ!」


「遅い、遅いのです!!水石‥‥‥魔法『邪水・石弾』」


「なっ!俺の『暴風雨(テンペスト)』よりも威力が?!くっ!」


変貌前の水石魔法とは比べ物にならないくらい威力が上がり、その攻撃を油断していたラインバッハは辛うじで避ける。


「シャアアアアアア!!立場が変わりましたね‥‥‥ラインバッハ。先程までの上からの物言い!その美しい容姿!立場!許さない!!御姉様も!容姿!立場!強さ!!許さない!!許さない!!私をこんな風にした、ラダ・テラも!地位も!名誉も!ディエース御姉様まで持っていて許さない!!許さない!!許さない!!私よりも優れて、強くて、立場ある人達は絶対に許さない!!!!!!!!」


「‥‥‥‥‥‥感情が壊れ初めているぞ。ホスフィン・アウェンティヌス」


「キャシャアアアア!!ー!黙って!黙って下さい!!許さない!!!許さない!!!」


「『オアシス』の時の闘い、ベルフェゴールとか言う奴の話とそっくりだな‥‥‥‥‥航路を間違えたな。ホスフィン‥‥‥‥‥‥感情は死ぬが身体は戻してやろう」


「黙って!許さない!!!私は!!!神代・回●・水石魔法『水石汚濁』」


「‥‥‥‥‥‥終わりだ。神明‥‥‥回帰黄金航路(アウルム・ペリプルス)・『黄金と虹の航路(アウルム・イーリス・ペリプルス)』」


「キャシャアアアア?!許さない?!?‥‥‥‥」


それは黄金と虹色の航路。八つの彩りの色彩が嫉妬に狂ったホスフィンを包み。元の人の姿へと変えていく。


「今回、俺がここに来たことを一生感謝しろよ。ホスフィン・アウェンティヌス。元の容姿へと戻れるのだからな‥‥‥‥‥」


「キャシャアアアア!!?!あぁぁ!!!!」


シュン!ホスフィンの身体は八つの色彩が消えると同時に元の姿へと戻っていき、ホスフィンの周りを覆う『暴風雨(テンペスト)も収まっていった。』


「此方は終わったぞ。メリュジーヌ氏よ。後はラダ・テラだけか‥‥‥‥頼むぞ」


ラインバッハはそう言うと快晴の空を見上げるのだった。



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