目的地は?
ヨワイーノ知事の失脚を目の前で見せられ、後々、聞いた話に話になるが、ルドルフさんが次の『オアシス』の新知事になるとの事。
何でルドルフさんが?という疑問が浮かんだが、ルドルフさんは元々、このオアシスの行政機関の初代知事だったとか。
昔からオアシスで政治的な問題が発生すると舞台装置的な役割で問題を解決してくれるとか、帰り際に受付の人が言ってたな‥‥‥‥‥
鍛冶師のルドルフさんが知事とか、最初は笑いそうになったが。今、思えば確かあの人。ガリア帝国とかの古い武官だったんだよな。
それなら、政治や多少の荒事にも対処できる知識と武力もあるルドルフさんはが適任者なのだろう。
その新知事。ルドルフさんからは今回の報酬として今回、汚職や裏切りによって処罰された人達の財産まるまるが俺達に贈与という形で押し付けられたのだった。
《中央特区・一等地》
「わぁー!凄い屋敷ですね!セツナ殿」
「うん!実家よりは少し小さいけどな‥‥‥‥それでも拠点にできる家ができたのはありがたいな」
「ここが今回の報酬で頂いた。ヨワイーノ氏の屋敷ですか?」
「あぁ、そんな感じだ。つうか、いつまで入るんだ?パーシヴァル卿。そろそろ、帰ってくれよ」
「なっ?!一方的に喚んでおいて何ですかその言い方?脱ぎますよ?!脱いで報告しますよ!あのお二人に!!」
「うわぁ!こんな人通りが多いところで脱ぎ始めるな!変態痴女!!‥‥‥‥‥そして、あのお二人に報告するのも止めてくれ!殺される」
「そうですか?では、殺されて下さい。ナルカミさん」
「何でだよ!つうか、《ロンギヌス》!!マジでそろそろ、パーシヴァル卿を『セルビア』に帰してやれよ!だんだん可哀想になってきたぞ」
(‥‥‥‥もう暫くの間。様子を見ます。脅威が何時来るか分からないので)
「脅威‥‥‥‥‥‥脅威だと?」
(お忘れですか?主様。『悪魔』との闘いの時、ルシファー様が言っていた事を‥‥‥‥)
〖‥‥‥そうかも知れないわ‥‥‥でも本当の‥‥‥‥あの戦争の引き金を作り出した『黒幕』は北の大地に入るでしょうね〗
『悪魔』‥‥‥黒羊戦後の消える前の言葉。
【黒幕】は北の大地に入るのでしょうね‥‥‥‥か。
「北の大地は‥‥‥‥‥ヘスティア地方の事だよな」
(はい、ですから‥‥‥‥)
「その為の戦力増強にパーシヴァル卿を喚んだってか?それはそれで強引過ぎると思うが‥‥‥‥北の大地か‥‥‥‥‥」
ヘスティア地方の北の大地。
ソロモン山脈を背に控え。ヘスティア地方の実権の約五割を保有する宗教国家〖ロマ・テレシア〗の《教皇》という人物が永らく統治している。
この〖ロマ・テレシア〗という宗教国家。
宗教国家と謳ってはいるが、実態は南部の紛争地域国家の紛争を支援、暗躍、介入を繰り返し。エウロペ大陸でも危険地帯を意図的に造り出しているなどと悪い噂が絶えない国だ。
「‥‥‥‥‥ロマ・テレシアか‥‥‥」
「ヘスティア地方に行くのですか?セツナ殿。でしたら、ぜひ、夜叉の故郷〖ニーズヘッグ〗に一緒参りましょう。母上と父上にも夜叉の新しき主と
紹介したいですし」
夜叉巫女は興奮気味に俺の襟首を掴んでくる。
《ニーズヘッグ》‥‥‥‥‥エウロペ大陸の西の際奥にあるとか以前、夜叉巫女が言って国だよな?
「いや、遠すぎるだろう。それに行くなら先ずは運河を渡って紛争地帯を抜けないといけないしな‥‥‥‥‥グレイとタマキは食料調達の旅に出てるしな」
「グレイ殿とタマキ殿からは数日前に手紙が来ましたよ。運河の向こう側。ヘスティア地方の港。ヘスア港で合流しようと」
「はぁ?手紙?俺、全然、来てないんだけど?何で夜叉巫女に?」
「セツナ殿に書いても。どうせ、『殺人鬼』の事件を解決したら地球に帰ろうとするだろうとの事で、夜叉の方に送ったと書いてありましたよ」
「なっ!アイツらぁ!!勝手な事を!」
俺は憤慨した。
だが、それも当たりである。今回の『殺人鬼』の問題が解決したら帰る算段だった。
そもそも、今回の旅の目的は神煌具達の修復及び、武器の調達だ。その目的も果たそうとしている今、此方の世界の荒事にこれ以上介入するのも損というものだ。
ましてや、今回はアヤネと委員長も連れてきている中、七地方の中でも二番目に危険な地方。ヘスティア地方に向かうのは余りにもリスクが大き過ぎる。
「‥‥‥‥‥ヘスティア地方へ行くか、行かないかは、考えさせてくれ‥‥‥‥夜叉巫女」
「は、はい。分かりました!セツナ殿」
「あぁ、済まない。それと今回、手に入れた報酬はきっちり五等分に分けて貰ったんだ。後でヨワイーノの元屋敷。俺達のここでの新しい拠点に運んでくれるとか言っておいたんだ」
「私達にも?」
「報酬ですか?」
「今回の戦いは君達無しじゃ勝てなかった‥‥‥‥これはせめてものお礼だ」
「何が?」
「お礼なのかしらね?神成君」
「‥‥‥‥‥この声は?アヤネと委員長?」
あぁ、またか‥‥‥‥‥‥この流れ。
「やぁ、二人共。『オアシス』観光は楽しかったか?」
「はい!とても楽しかったですわ!セツ君」
ガシッ!
アヤネは俺の右腕を掴む。
「えぇ、さっきまでわね!拷問の時間よ!」
ガシッ!
委員長は俺の左腕を掴む。
「ま、毎度、毎度!同じ手は喰らうかよ!!魔法紋章!快楽門!、契約の輪!同時、発動!!!」
「フ、フ、フ、」
「ニ、ニャ、」
「フニャアア!!!」バタリ!
「ニャアアアアア!!!」バタリ!
二人は昇天し意識を失った。
「‥‥‥‥アヤネ殿と恵殿の扱いがどんどん酷くなっておりまする」
「う、羨ましいですね! (ジュルリ!)」
「はい?!」
変態パーシヴァル卿は涎を滴しながらアヤネと委員長を見上げていた。




