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黄昏の園と星と放浪者


無闇(むや)の部屋》には選ばれた者達しか入れない場所が存在する。


最上の位を持つ者達だけが招かれる異空間。


そんな場所がこの冷たく暗い空間の先に存在するのだ。


その異空間の名は‥‥‥‥‥‥‥


黄昏(たそがれ)の園》と呼ばれている。



キイィィ!ガゴンッ!


数世紀ぶりに《黄昏の園》の扉は開かれ、彼等は喚ばれるのだった。



「緊急招集とは何事だ?『代理人』よ!どういう事だ!説明しろ!」


「【教皇】か‥‥‥‥久しぶりだな」


「そんな挨拶で時間を稼ごうとするな!さっさと俺様が喚ばれた理由について答えろ!『代理人』!!」


「‥‥‥‥‥まだ他のNo.達が集まっていないのだ。少し待て」


「なんだと?!俺様は忙しいんだぞ!それは貴様も‥‥‥‥」


「ちょっと!ちょっと!何やってんだ?!こんな大事な場所で何をしようとしてるだい?【教皇】君」


「‥‥‥‥その声は皇帝様かよ‥‥‥何しに来やがった!てめえは自分の国の統治でもしてろ!」


「おー、おー、大昔と変わらない短気な性格だ!【教皇】君は!緊急招集だよ?それに応じない馬鹿はいないと思うけどね」


「フフフフフフフフフフフフフフフ!私もいるの。フフフフフフ。相変わらず、五月蝿い男」


「てめえは!魔女かよ!『代理人』!!何でコイツまで喚んでんだ!」


「同じ上位No.なのだがら喚ぶのは当然だとも。これで後、三人か」


「三人だと?!まさかアイツらも来るのか?」


「その通りですよ。【教皇】。こんにちわ?こんばんは、かしら?イ◯ス」


「‥‥‥‥‥‥こんばんわで合ってますわ。司祭の御姉様」


「君達も喚ばれたのかい?司祭さんにイ◯ス」


「‥‥‥‥‥‥ふん!仲良し同士で出勤とは偉いもんだな。おい!」


「‥‥‥‥‥あら、こんばんわ、プリンスに皇帝様」


「相変わらず。吠えてるわね‥‥‥‥プリンスちゃんは子供ねー!」


ガタンッ!


「おいっ!今、俺様の事を愚弄したのか?阿婆擦れ司祭!!」


「誰が阿婆擦れ司祭ですの! 言葉使いには気をつけなさい。【教皇】君」


「何だと! 貴様! 女の分際で俺に指図する気か?」


「その女よりも弱いのがあんたですわよね? 【教皇】君」


司祭と【教皇】がぶつかり合おうとした瞬間。


バリバリ‥‥‥‥ズドオオオン!!!!


大きな落雷が《黄昏の園》に落ちてきたのだった。


「同胞同士で争うのは頂けないな‥‥‥‥《司祭》に【教皇】」


「アナタは‥‥‥‥‥‥‥《道化》?!‥‥‥‥‥‥っ!!ごめんなさい。ふざけすぎたわ」


「‥‥‥‥‥‥あぁ、反省するならば良し。【教皇】?」


「何だ!!《愚者》!!いきなり現れやがって!!俺様に何の様だ?」


「左腕の『審判』をアルトネ大陸で失ったのは同情するが‥‥‥‥‥‥余りにも五月蝿いと何かしらのペナルティを与える事になりかねないということは伝えておく」


「お前!何でそれを知ってやがる?‥‥‥‥‥‥‥‥ちっ!分かった。大人しくしてやるから、さっさと緊急招集した理由を説明しろ。丁度、今いる一桁No.はこれで全員集まったんだしよう!」


「感謝しよう。【教皇】。『代理人』、進行を頼む」


「あぁ、《愚者》殿‥‥‥‥‥もう、知っている者達もいると思うが‥‥‥‥大アルカナNo.9『隠者』である。『殺人鬼』ジャック・ザ・リッパー【ベルフェゴール】が何者かに倒されてしまった」


「『隠者』君がかい?‥‥‥‥‥彼は確か、ヘファイストス地方の『オアシス』を攻略中だったんだろ?」


「あぁ‥‥‥‥それに『隠者』だけではない。南部の支配を任せていた『悪魔』も討伐され、『節制』は我々、『ラグナログ(神々の黄昏)』を裏切った。そして、数日前にはアルトネ大陸の進行を任せていた『審判』も死んだのだ」


「あぁ、だから、プリンスちゃんがさっきから五月蝿いわけね!納得したわ」


「‥‥‥‥‥‥はい、その通りですね。司祭御姉様」


「フフフフフフフフフフフフフフフ!!本当に五月蝿い男。みすみす、大アルカナの一人を失わせるなんてなんて無能‥‥‥‥フフフフフフフフフフフフ!」


「聴こえてるぞ!女共!!!喧嘩売ってんのか?」


「‥‥‥‥【教皇】。今は抑えろ」


《愚者》は静かにジプシープリンスに言い放つ。


「ちっ!‥‥‥‥済まない。取り乱した」


「あぁ、分かってくれれば良い。それと《司祭》、《イ◯ス》、《魔女》よ。余り仲間を侮辱するな。行き過ぎた行動と己がとらえれば、お前達にペナルティを与えなければいけなくなる」


「‥‥‥了解よ。《愚者》さん」

「はい‥‥‥‥‥」

「フフフフフフフフフ!馬鹿みたい」


「話を再開する。数ヶ月前の『死神』敗北後から幾日も経たないうちに『隠者』『節制』『悪魔』『審判』が居なくなった‥‥‥‥‥『節制』については《あのお方》のご配慮次第だがな」


「うんうん。つまり、話を纏めると。上から『恋人』『征服者』『隠者』『死神』『節制』『悪魔』『審判』の椅子が空白状態になったって事では良いのかな?『代理人』君」


「あぁ、それで合っている。皇帝」


「そして、今回は一桁No.の『隠者』が誰か単独の力で倒されたから、それを危惧しての緊急招集って事か!成る程だね」


「そして、問題は『審判』ラスト・エレギュットだ」


「おいっ!ラストが何だ?!奴を侮辱する事は俺様が許さないぞ!『代理人』!!!」


「話を最後まで聞け。【教皇】」


「あぁ?」


「『代理人』。良い、【教皇】には私からちゃんと説明する。『審判』は【教皇】の‥陣営の者だったんだ。『審判』の主であった。【教皇】には真実を知る権利がある。なくてはならない!それが公平である」


「‥‥‥‥‥‥あぁ、では代わりの説明を頼む。『愚者』」


「心得た。説明するが良いかな?【教皇】」


「‥‥‥‥‥《愚者》。何でお前はそんなにも公平であろうとするんだ?裏でもあるのか?」


「悪いがその質問には答えられない。【教皇】。今は『審判』の事だけ答える時だ」


「そうかよ。なら教えてくれよ!俺様の可愛い側近についての報告をな!」


「あぁ、勿論‥‥‥‥‥‥『審判』のラスト・エレギュットはカンナギの姫君によって倒されたのだ」


「何?あの『征服者』のアルゴンの野郎を倒したとか言うアルトネ大陸の不死身姫が?おいおい!嘘つくのも大概にしろよ!《愚者》。奴はアルゴンの死を犠牲に何も考えられない不死身の生者になったんじゃねえのか?」


「それは数ヶ月前の話だ。今はアルトネ大陸の神ノ使徒が位を返上して、カンナギの姫君の呪いを解き、現代魔法の知識を付けさせてるとの事だ」


「何んと?あの厄介だったカンナギが呪いから解かれたと‥‥‥‥‥これは悪い情報だね。【教皇】君」


「‥‥‥‥‥あぁ、それで?そんな話を俺様に聞かせるって事は何かあんだろう?《愚者》様よう?」


「そうだ。アルトネ大陸の神ノ使徒だったエドワード・ユグドラの仲間が現在、ヘファイストス地方の『オアシス』に入ると報告が上がったのだ」


「あら?丁度良いじゃない!プリンスちゃん。貴方の支配地域はヘスティア地方辺りでしょう?」


「‥‥‥‥‥直ぐに迎えますね。司祭様」


「フフフフフフフフフフフフ!小間使い‥‥‥受ける」


「‥‥‥‥てめえら!」


「【教皇】。今は耐えろ」


「ちっ!それで?『審判』の話はそれで終わりか?《愚者》」


「あぁ、他にはない。それとだ。私が教えた対価に【教皇】はヘファイストス地方へと向かってくれ、そして、発見次第。抹殺を許可する」


「‥‥‥‥対価ときたか。それは【契約】か?」


「そうだ!絶対の【契約】だ。あのお方とのな」


「了解した‥‥‥‥‥準備ができたら向かおう」


「プププ、素直なプリンスとか!馬鹿みたい」


「‥‥‥‥‥はい、司祭様。その通りですわ」


「フフフフフフフフフフフフフフフ!ウケるフフフフフフ」


「お前ら覚えてろよ!」


「気をつけて行って来なよ!【教皇】君」


「用心していけ、【教皇】」


「皇帝‥‥‥‥『代理人』‥‥‥‥お前らは本当にこの中ではまともだな」


「では、話し合いを終了とする。【教皇】は好きに動く事を許す。そして、他の一桁No.がこの件に関しての接触は無しとする」


「えぇぇ! つまらないわ! それじゃあ」


「‥‥‥‥‥そんな、発言は許していないと‥‥‥立ち去れ。《司祭》」


「はぁ?貴方、少し特別だからって‥‥‥‥」シュン


「し、司祭様」


「お前も五月蝿いな」


「なっ?!」シュン!


「五月蝿のは嫌いなんだ‥‥‥‥では皆の検討を祈る‥‥‥‥‥‥解散の前の祝詞を捧げよう‥‥‥‥‥‥創造主に祝詞を‥‥‥‥‥‥‥」


その場に残った者達全てが目を瞑り。静かになる。


「「「「「「我等は我等の主人の為に!我等は我等の世界の為に!そして彼らに終末を!全ては我等、『神々の黄昏(ラグナログ)』の為に!!!!!」」」」」」


「ハハハ、相変わらずの公平だね。《愚者》さんはじゃあ、僕もそろそろ消えるよ。久しぶりに皆に合えて良かった。では、さようなら」シュン!


「フフフフフフフフフフフフフフフ!私は今晩は晩餐なの」シュン!


「ではな‥‥‥【教皇】。また会おう」シュン!

「報告待っている」シュン!


「あぁ、じゃあな『代理人』《愚者》」シュン!


キイィィィ!‥‥‥‥ガゴンッ!


こうして『黄昏の園』での緊急招集は幕を閉じたのだった。




ヘスティア地方・とある大国


シュン!!


「お帰りなさいませ!◯◯様」


「おう!帰ったぞ。シリウス」


「《黄昏の園》での緊急招集。お疲れ様でした。何かございましたか?」


「『隠者』を倒した野郎を炙り出せだとよ、それと。ラストを餌に《愚者》が強制的に契約してきやがった」


「『隠者』を倒した者の捜索ですか?」


「それと抹殺だとよ‥‥‥‥たくっ!本業が忙しいつうのに押し付けて来やがって。数日は開けることになる留守は任せたぞ。シリウス!」


大アルカナNo.17 《星》

【シリウス・クラウディウス】


「はい!教皇様。お気をつけて」


大アルカナNo.5《教皇》


【●●●●●・アトス】


「あぁ、行って抹殺してくるぜ。なぁ?正体隠しの卑怯野郎。正体を炙り出してやるからな。この俺様!【教皇】がな!」



二人の大アルカナが動き出す‥‥‥‥‥


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