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エンジング・ストリート

『オアシス・ウエス』


エンジング・ストリート通り



俺達はある仕掛けを施す為、鍛冶の都市地区である『オアシス・ウエス』へと来ていた。


そして、現在、魔術院に在籍中にヘファイストス地方へと留学していた頃にお世話になった思い出の場所を眺めていた。


「魔法新聞で読んではいだが‥‥‥‥‥まさか、ここまで酷いとはな。カンナにルドルフさんは上手く避難できたのか?‥‥‥‥」


「‥‥‥まるでゴーストタウンですわね」


「建物も何でここら辺だけ廃墟みたいになっているのかしら?戦闘の後もかなりあるし」


「鍛冶の都と言われている『オアシス・ウエス』がまさかの様になっているとは思いませんでした。他の地区は賑わっていましたのに」


俺達が周りの景色に対する感想を述べていると。


「‥‥‥‥アイツらが来てからおかしくなっちまったんだ。夜な夜な職人達を追いかけ回して、最初に捕まった人は何処かに連れて行って拷問された。そして、翌日の朝には中央特区(セントラル)の大時計塔に胴体だけ吊るされてた。残りの上半身は鍛冶ギルドの入り口に無惨は状態で放置されてたんだ。クソッ!ロングの奴は『オアシス・ウエス』北地区では1番の鍛冶師だったのに!」


リップはそう言って、瓦礫の山を蹴った。


「‥‥‥‥エウロペ大陸で1番の鍛冶師が集い、武器の生産地でもある『オアシス・ウエス』の生産活動が止まれば、加工が止まり、武器も無くなり、貿易も回らなくなる‥‥‥そして、最後は中央特区(セントラル)の機能にも支障をきたして。混乱した後に『モンスターズ・サンド』や『白銀の高原』の魔獣達が容赦無く都市部を蹂躙させるって感じか?」


「それを察したグレイ殿が魔獣狩りに(おもむ)いたのでしょうか?セツナ殿」


「多分な‥‥‥まぁ、1番の理由は俺達の力だげ今回の件を解決してみろって事だろう。後顧の憂いは気にせずにって感じでな」


それを証明する様に休み無く魔法の袋(黄金の宝物庫)内に魔獣の死骸やら素材やらが送り込まれてくる。つうか、アイツらどんだけ狩ってんだよ。



『モンスターズ・サンド奥地』


「ブオオオオオ!!!」


「おぉ、これは、これは、極大サイズの砂塵マンモスか。『大地剣能力』」


ズバアァンン!!!


「ブオオオオオ?!!!オオオオ!!!」


「ウキウキウキウキ!!まさか、一撃の太刀で倒されるとは!素晴らしい剣技ですね。グレイさん」


「ふむ!これから、これから、増え過ぎて肥えた魔獣共を狩り尽くしましょうぞ!タマキ様」


「ウキウキウキウキ!!はい!剣聖様。そして、ウチは貴重な素材を集めて一儲けを!ウキウキウキウキ」




‥‥‥‥‥とか、今頃、やってそうだよな。


鍛冶ギルドの彼処には最後の設置を無事に終えたし、次は‥‥‥‥


「夜になる前に『鍛冶屋の里』へと行かないとな。なぁ、リップ」


「くそ!くそ!くそ!それに兄貴の奴はまだ、行方不明だし!僕はどうすれば良いんだよ!ジャックの兄貴!!」


まだ瓦礫を蹴っていた‥‥‥‥ん?ジャックの兄貴?リップに兄貴何かいたのか


「なぁ、リップ」


「くそ!‥‥‥‥って?!何だよ、セツナ。用事はもう済んだのか?僕はまだ心の整理がだな」


「君、兄貴なんていたのか?それにさっきジャックって?言ったのか?」


「ん?兄貴の事だと?‥‥‥‥あぁ、入るよ。兄が一人な。自慢の兄貴だったんだ。鍛冶師としての才能はあの『魔道具鍛冶師・カンナ・イズルギ』になるとまで言われていたのに」


「あのカンナと?」


「そうだよ。それなのに突然、行方不明になって‥‥‥‥5年振り位に帰って来たと思ったら、僕や家族の事なんて忘れててさ、昼間なんか『オアシス・ウエス』の都市を毎日、毎日。何かを探すようにさ迷ってたんだ」


「毎日、さ迷う?」


「あぁ、そんであの『殺人鬼』達が暴れ始めた頃、兄貴も忽然(こつぜん)と姿を消したんだ」


「昼だけ‥‥何かを探す‥‥‥殺人鬼‥‥‥‥名前がジャック‥‥‥か」


「神成君。それって‥‥‥‥んぐっ?」


委員長がその名前を言おうとした瞬間。俺は彼女の口を手で塞いだ。


「ストップ。ストップ。委員長、まだ予想の範囲内だから言わないでくれ。もし、相手が神明魔法の使い手だったら地球側の逸話や伝承の『力』まで与えかねない」


「むぐっ!んぐっ!はぁ、はぁ、んぐぅー!」


‥‥‥‥最近、委員長にこうするとなんだかしらんが、興奮し始めるんだよな。マホアコのアズ○ルさんみたいになってきたな。この子。


「なぁ、セツナ。その子も変態なのか?」


「ん?リップは変態はキライか?」


「いや、僕は僕、以上の美顔の子は苦手なだけだ」


おっと、コイツも変態でしたね。


「んー?んー?んー?」


委員長は委員長で何やら騒ぎだした。この子もだいぶ、あれになったよな。


「セツ君!!セツ君が探していた。変な模様の印見つけましたわ」


「此方にもありまする~」


アヤネと夜叉巫女はルドルフさんの店の壁を指差している


「やっぱり、以前の入り口はルドルフさん家だったのか‥‥‥‥でも、今は魔力反応も何もない」


「当たり前だろう。『殺人鬼』いや『トルソー』達がこのオアシス・ウエスを荒らすようになって直ぐに、皆がルドルフの店に駆け込んで『鍛冶屋の里』に避難して行ったんだからな。あの時は最後の1人が脱出門を潜った瞬間。奴等に気づかれてな、1人だけ残った俺が脱出門を爆破したんだ」


「それでここら一帯がこんなに破壊されてるんだな。それと鍛治場の破壊も目的か‥‥‥‥」


「そんなところだろうよ!‥‥‥アイツらは容赦を知らないんだよ。人を見つけては容赦なく殺し、貴重な建物もだろうが躊躇(ためら)いなく破壊する。しかも、オアシス・ウエスだけを徹底的にな」


「んー、んー」


「何?委員長。疲れた?良いよ横になって」


「んー?んー!んフフフ!」


「はいはい、どうぞ」


「‥‥‥‥おい、人が悲壮感に浸ってる時にイチャイチャすんなよ。つうか、その子何でそんな恍惚な笑みを浮かべてるんだよ!変態か?」


「変態だな」


「‥‥‥‥そうか‥‥‥‥そんな事より、そろそろ移動するぞ。今季の『鍛冶屋の里』への入り口に『案内人』である。僕、ジャック・リップが案内してやるよ」


リップはそう言ってある建物を指差した。俺や委員長はそんなリップの影に潜む『何か』に意識を向けていたのだった。

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