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『モンスターズ・サンド』

ガザード砂漠最大の都市。砂漠の都『アヌビス』で数日過ごした後、俺達は目的地である『オアシス』へと車で移動していた。


ドガァン!


「くっ!正面にまた、サンドワームです!セツナ殿」


「了解!『雷糸』」


ズバズバズバズバ!


「うわぁ、右から人面スフィンクスがあぁぁ!!」


「ワハハハ!!拙者に任せよ!『地束剣』」


スパンッ!


ガザード砂漠を越えた地。『オアシス』に向かう為の最後の難関。『モンスターズ・サンド』の地へやって来た俺達一行。車の運転を夜叉巫女に任せ、グレイと俺とで、止めどなく現れる砂漠の魔獣達の対処に追われていた。


「こ、こんな時にアヤネ殿と恵殿は何をしておられるのですか?セツナ殿!!」


「ん?あの二人は‥‥‥‥天使達に囲まれて、赤ちゃんプレイで色々と分からされている最中だ」


「はい?言っている意味が意味不明ですが?」


「だから、分からされてるんだってっ!バブみだよ!バブみ!あの二人も新しい扉を開いちまったんだよ!天使達によってな」


「は、はぁ、とりあえず、目の前のレッドスコーピオンの対処をお願いしまする」


「はいはい、『雷霆』!!」


ズバアアアンン!!


「どうもです!」


「それより、『アヌビス』での情報収集はどうだったんだよ?二人共」


「ワハハハ!ん?情報収集?‥‥‥‥そうだな、『オアシス』の都市はヘファイストス地方の建物文化と北の地。ヘスティア地方の文化の両方を取り入れた都市文化を形成していると酒屋の亭主は言っていたな」


「それは知ってるよ。それに酒屋?また、どっかで飲んでたのかよ!グレイは」


「うむ!毎日、深夜は吐いていな。ワハハハ、それでだ。最近の『オアシス』は昼は不気味な曇りが都市を覆い尽くし、『さ迷う者』が現れ、夜は霧が突如、立ち込め『殺人者』達が夜な夜な姿を表すという話でな」


「『さ迷う者』に『殺人者』‥‥‥達?達って事は『殺人鬼』は複数人入るって事なのか?」


「それにしては魔法新聞で見た被害者の人数が少ないように感じまするが?複数人の殺害者が入るのでしたら」


「被害は大きいよな?‥‥‥‥奴等は鍛冶師しか狙っていないのか?魔道具技師や『神煌の再生師』は狙わないんだ?」


「‥‥‥‥もしくわ、狙いたくても狙えない場所にカミナリ様が言った者達は隠れたのかもしれん、確か魔道具技師や『神煌の再生師』等を『世界の刀匠(ワールドワーカー)』と呼ぶ重要人物達なのだろう?」


「隠れてる?‥‥‥‥確かに。彼処(あそこ)には魚介類無しには入れない。それに奴等は何人もの鍛冶師を手にかけている。そもそも、入る資格も剥奪されているのか」


「セツナ殿?」


「‥‥‥‥『オアシス』に蒔いておいた『ラミア』の擬装も急激にヘリだしているし、相手は行きたい場所も見つけられてないのか。なら、そこをついて罠に嵌めるのもいいかもしれないな」


「罠?ですか?‥‥‥‥って!セツナ殿!グレイ殿!前方に巨体な鯨が!サンド・ホエールがあぁぁ!口を開けて此方に来まする~!!」


会話に集中していた俺達は数百メートル前に現れた。サンド・ホエールに全く気づかなかったのだ。


ふむ、そろそろ、長旅になりつつあるこの生活にも疲れが見え始めたのだろうか


「セツナ殿。何を静かにしておられるのです?前、前です!」


夜叉巫女は前方のサンド・ホエールのあまりの巨大さに慌てふためいている。


「ん?あぁ、済まない。考えを纏めていた」


「そんな余裕はありませぬ~」


「まだ、喰われるまで距離がある。心配するな!夜叉様よ!ワハハハ」


「良いからどうかしてくだされ!夜叉は今、運転中で動けぬのですよ~」


‥‥‥‥夜叉巫女とグレイの奴。以前よりも砕けて話してるな。確か、俺達。3人がいない時は2人で仲良く話してるんだよな。


「セツナ殿!!!」


「あ、あぁ、悪い!聖雷魔法『雷白針』」


「おお!複合魔法とはやりますな。それに魔力の質も濃い」


「本当なら神明魔法に昇華させたいだが、何せこの世界じゃあ、知名度や逸話が俺には無いんでね!!」


俺はそう言って車の窓を開け、一針の針をサンド・ホエールへと飛ばしたのだった。


「針?セツナ殿!それではあの巨大鯨は止まりませぬ。もっと強力な魔法を‥‥‥‥」


「サンド・ホエールの皮膚は鉄よりも固いし、魔法耐性も極めて高いから意味ないよ。それよりも一点に集中させた針を奴の体内に入り込ませて‥‥‥‥‥」


「ブオオォォ!!!ブオ?!!!‥‥‥‥‥」


「あれ?サンド・ホエールの動きが鈍くなりました」


「そして、体内の臓器に致命的な穴を開けてやった方が簡単に倒せるんだ。こんな風にな!『雷聖孔』」


ザクッザクッザクッザクッザクッ!!


「ブオオォォ!ブオオォォ!ブオオォォ!ブオオォォ!‥‥‥‥‥」

ドガァン!!!!


サンド・ホエールは数分間。暴れた後、その巨体を砂漠の地に倒し。生き絶えた。俺達は死んだサンド・ホエールの前で車を止めた。


「‥‥‥‥あんな、巨体をこんなに早く倒してしまうなんて‥‥‥‥驚きです」


「昔、何頭か討伐したことがあるからな。コイツの弱点の部位は知ってたんだ」


「ワハハハ!多量、多量だな!どうする?カミナリ様。『オアシス』で売り捌きますかな?これなら、相当な酒の金に」


「‥‥‥‥いや、食料として保存しておこう。魔法の袋(黄金の宝物庫)の冷凍エリアにそのまま保存する。それとさっきから倒してた魔獣の死骸も武器や防具に加工できるから転移魔法で回収してたんだ」


「保存ですか?‥‥‥それは何ゆえでしょうか?」


「夜叉巫女。オアシスの北には何がある?」


「北?北ですか?ヘファイス運河と港がありまするが?」


「そのもっと向こうには?」


「向こう?‥‥‥ヘスティア地方。紛争の地『ヘル・デア』ですが?それがどうかしましたか?セツナ殿」


ここで俺は『ガルクド』でのルシファーとのやり取りを思い出す。


(本番には間に合わせるから‥‥‥‥)


あの言葉。オアシスの『殺人鬼』達を倒しても、この先に何かあるって事だよな?ルシファー!


「ふむ、では、拙者はその紛争の地で必要であろう。食料を確保してこよう」


「ん?確保だと?」


「タマキ様よ!良いでしょうか?!!」


グレイがそう叫ぶと。


「はいはい、何でしょう?剣聖グレイさん」


いつの間にかグレイの前に姿を現すようになっていた。タマキが現れた。


「拙者が『オアシス』に行かなくても事足りるか?」


「んーーー!行けるんじゃないですか?痴女のアヤネ嬢変態娘の恵嬢の成長が恐ろしい程、早いですから」


「ふむ、ならば、良い機会だ。そろそろ、実戦を積ませる時かもしれませんな、カミナリ様」


「実戦?それにグレイさっきから何を言って」


「うむ!拙者、これから、次の舞台に備えて。物資や食料を調達してこよう」


「調達ですか?」


「あぁ、運が良いことにここは食料になる魔獣の巣窟。取り放題なのでな」


「そんな訳で、転移収納が使える、ウチもグレイさんっと一緒に一狩行ってきますね。ご主人様」


‥‥‥‥何処のモン○ンのソロプレイヤーとお供アイル○だよ。コイツら‥‥‥‥だが、しかし考えは悪くないか。


「あの二人の実戦と次に備えての行動か。悪くないか‥‥‥‥グレイ。何か起こったら直ぐにタマキに頼んで合流してくれよ。後、何個か旅用の魔道具を渡しとくから、使い方はタマキに聞いてくれ」


「うむ!了解した。では、さっそく行こう。タマキ様よ!ここは素材の宝庫なのでな!」

シュン!


「ウキウキウキウキ、私、ぞくぞくしてきましたぞ~!」

シュン!

「だから、それは何処の奴隷商人の物真似なんだよ‥‥‥って!もう出発しやがった」


「働き者‥‥‥とは違いますね。血に飢えている?獲物を探している様に見えました」


「剣聖、故の嵯峨(さが)ってやつか?何処の人斬りの幕末だよ。たくっ!」


こうして、グレイとタマキは食料調達の旅に出たのだった。

後で思い返してみたら、これはグレイによる、俺達に課した試練だったと思う。


剣聖の力に頼らずも、『オアシス』位何とかしてみてくだされ的なやつか?


‥‥‥‥もしかしたら、剣聖グレイ・オルタナティブは今後の‥‥‥更なる今後の闘いを見据えているのかもしれない。

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