夜叉VS剣聖 No.1 乗り越えろ
『イヤトスの町』
「あれはなんなの?何が起こったの?」
町の上空に突如、現れた天空闘技場に驚き、見上げていた。
「おっと!俺から離れるなよ!委員長。ここは治安が良いとはいえ、中世位の文化レベルだ。人攫いだって起こる。注意してくれ」
俺はそう言って。委員長の手を握る。
「う、うん!あれ?でもアヤネは?」
「アヤネは袋の中に入って休んでもらってるよ。あんな状態じゃあ連れ去って下さいって、言っているもんだからな」
「そ、そう、無事なら良かったわ‥‥‥‥それより。何なの?あの、上空の建物は?」
「あれか?あれは‥‥‥‥夜叉巫女の『七聖の祝福』だ」
『天空闘技場』
「ほう!このような、大魔法を初手から行うとは。何者だ?少女よ」
「七聖―女神―『ヘスティア』様が眷属兼『召喚者』の契約者の夜叉巫女と申す者。以後、お見知りおきを‥‥‥」
「何?お主は七聖―女神―の眷属なのか?」
「えぇ、そうですが。それがどうかいたしましたか?」
「いや、成る程‥‥‥‥ワハハハ!そうか!そうか!これは面白い!夜叉巫女様が自己紹介してくれたのだ。拙者も自己紹介しよう‥‥‥七聖―女神―『フレイヤ』様より『剣聖』の名を賜ったフレイヤ様の眷属だ」
「貴殿が?夜叉と同じ‥‥‥七聖―女神―の眷属?」
「あぁ、成る程、成る程。フレイヤ様が昔、言っていた通りか‥‥‥‥七聖―女神―の眷属達は引かれ合い。お互い闘うか、協力するかの二択になるだろうか‥‥‥‥相手にとって不足は無いな。来てみてくれ!夜叉巫女様よ!」
「スパイング山脈でセツナ殿が言っていた通り。他の資格者に本当に会うことになるとは‥‥‥‥しかも、相手は剣聖の名を持つ。資格者‥‥‥‥全力で行きまする。クロ」
(油断するな。夜叉‥‥‥奴も何かしらの『七聖の祝福』を与えられている筈だ)
「はい!クロ。勿論です!」
「いくぞ!!夜叉巫女様よう!!『オルタナ・地剣術』‥‥‥‥『地斬り』」
剣聖グレイは神速の斬撃を夜叉巫女に向かい放つが‥‥‥
「なっ?!速い!空間魔法『残空』」
その斬撃に対して夜叉巫女は的確に相殺の空間魔法を放った。
ブオン!‥‥‥‥
「ほう‥‥‥‥空間魔法とな?拙者の技がいきなり現れた次元の裂け目に吸い込まれるとは。流石はヘスティア神の眷属様だな!夜叉巫女様は!ワハハハ!では?これはどうかな?『オルタナ・地剣術』・大地斬り!!」
イヤトスの町の大空に地槍が作られていく。そして、その地槍は夜叉巫女の方へと吸い寄せられるように向かって行く。
「くっ!次から次へ‥‥‥空間魔法『大残空』」
(それでは間に合わん。夜叉よ!我を呼べ!夜叉よ!)
「クロ?わ、分かりました‥‥‥‥黒竜魔法・眷属召喚『黒竜・顕現』」
「ぬ?黒竜とな?いったい何を喚ぶきだ?ワイバーン種か?それとも地竜の類いでも」
「どちらも違うぞ!剣聖よ!我は『クロ』。夜叉の契約竜なり、その剣技!防がせてもらう!龍魔法・『龍撃』」
クロは召喚されたと同時に自竜の身体の鱗を大地斬りに向かって放った。
ドドドドドドドドドドドド!!!
『イヤトスの町』
「まるで映画見たいだな。早速、クロまで出てきてるって事は。あのグレイ・オルタナティブって人は本物の剣聖なのか‥‥‥‥あんな人がセシリアにお熱とは信じられんな」
「ね、ねぇ、いつまで私の手を握ってるの?人前なんだしあまり、長く握られると恥ずかしいわ‥‥‥」
「ん?あぁ、悪い。委員長‥‥‥だが、本当に俺の近くに居てくれよ。ここはヘファイストス地方とフレイヤ地方の境目。『シルクロ旅団』が現れた本当に拐われるぞ」
「シルクロ旅団?何よ?それ」
「ヘファイストス地方の荒野と砂漠を縄張りにしている連中だよ。人攫いやら、盗賊紛いの事をしている連中らしい。君みたいな若くて綺麗な子を拐ってガリアやオアシスの貴族連中に売り渡すんだ」
「わ、私が綺麗‥‥‥‥ふ、ふん!そんなこと言うなら私にもあれしてよ!あれを!」
「あれ?‥‥‥‥何のこっちゃ?‥‥‥まさか!」
「袋の中にある私の部屋に行くわよ!ほら、早く!」
委員長はそう言うと俺の右手を掴み、急がせる。
「ま、待て、こんな時にそんな」
「あっ!良いですよ。別に、二人きりでお話してきて。あの闘いはグレイ・オルタナティブの強さを見たいだけですし。上空にはあのお二人が認識阻害の魔法をかけているので大事にはならないと思いますし。どうぞ。神無月嬢の気が済むまで行ってきて下さい」
「ありがとう。タマキちゃん!行きましょう!カミナリ君」
「お、俺の話を聞け」
「聞かないわよ!全く!こっちに来てからアヤネとばっかりイチャイチャして!許さないんだから!行くわよ!」
「いや!だから‥‥‥‥」
シュイン!
シュイン!
「‥‥‥‥若さ故の暴走てすね。ちゃんと話し合いだけで解決すると良いですね。ご主人様‥‥‥しかし、あのグレイ・オルタナティブという方。『七聖の祝福』も使わずに夜叉嬢とクロさん相手に互角に闘うとは‥‥‥‥今回の旅はエスフィール嬢、ヒスイさん、セシリア嬢の3人はもういないのです。何処かで強力な人員を補強していかなければ‥‥‥‥」
『天空闘技場』
「空間魔法『天空』!!!」
「地剣術・『剛剣』!!!」
ザシュン!
パリンッ!
「成る程。基本的な技の威力はほぼ、互角か‥‥‥‥後はあの黒き竜が何時、動くかて闘いも変わってくるか‥‥‥」
「クロ!貴方も加勢してください!このままではラチがあきませぬ!」
「‥‥‥‥だろうな!」
「ですから!だろうな!ではなく」
「夜叉よ!最初、喚ばれた時は加勢せねばと思ったが。夜叉と剣聖の闘いを見て考えを改めた。この闘い、1人で乗り越えてみせてくれ」
「だそうだぞ!夜叉巫女様よう!ワハハハ!なかなか、ご主人思いの黒き竜様だな。ほらほら、行くぞ!行くぞ!『オルタナ・地剣術』・断末地剣」
「くっ!分かりました!やってみます!黒竜魔法『龍翼』!!!」
闘いは更に過熱する。




