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『聖抜祭』 ② catch fight(猫の戦い)

『体育倉庫』

「‥‥‥‥まさか、ここまで上手くいくとは思わなかったな。衆目の面前でエスフィールと星奈に俺を鎖で拘束させ。体育館の照明を落とし、佐助の情報を元に一年生の裏代表を割り出し討ち取ることができた。残りは三年生の裏代表のあの人を‥‥‥」


「何をこんな場所で独り言をずっと言っているのよ。神成君」


「なっ!君は委員長の分身?!何故ここに入る?君は体育館に入る(はず)だろう。それに体育倉庫には鍵もしっかり掛けてたはずだぞ」


俺の目の前に突然、制服姿の委員長が現れたのだった。


「わ、私は本人よ!体育館で騒ぎになったって、分身の子から連絡が来たから。心配になって袋の中から出て来たのよ」


「ほ、本人だと?何で服を‥‥‥しかも制服を普通に着ているんだ?委員長!いつもなら体操着で歩き回ってんのに‥‥‥」


「そ、それはアヤネだけよ!それに流石に外の世界じゃあ、制服くらいは着るに決まっているでしょう」


「そ、そうか‥‥‥‥ん?制服くらいは?‥‥‥‥という事は下着は着けてないのか?」


「ば、馬鹿な聞かないでくれる?()いてるに決まってるじゃない」


委員長は顔を赤面させながらスカートを(おさ)えた。‥‥‥‥いや、なんだその反応。


「ふーん。そうなのか」


「な、何よ?その反応。疑ってるの?」


「いや、別に疑ってはいないが」


ここが学校のせいなのか分からないが、委員長の口調が以前の様な強気な言い方に戻っている。昨夜の痴態や幼い言動は姿は隠れ。『鬼の神無月』に戻ってしまっている。プライベートであれだけニャン、ニャン言って女の子とは到底思えない。


「そ、そう!なら、私はアヤネの所に戻るから。聖抜祭の様子も分身の私を通じて。追体験できるから問題ないしね、それじゃあ、また、後でね!神成君」


「おっと!何処(どこ)に行こうってんだい?委員長。此方(こっち)にきて少し話そうか」


「い、イヤよ!此方には分身の私が入るのよ!早く袋の中に戻って、ミカエルさんと魔法の練習をす‥‥‥」


「倉庫の扉には鍵を掛けてあるから誰も入って来れないから大丈夫だ!」


俺はそう言うと委員長の手を引っ張り近くに座らせた。


「な、何にするのよ?」


「いや、ノリでな」 


「ノリでこんな跳び箱の上に乗せないでよ。お馬鹿」


「ムッ!なんか、アヤネに制裁して以来、以前の自身を取り戻したのか?強気な性格に戻ったな。委員長」


「も、元々、こんな、性格よ!私は、貴方とアヤネが私に悪戯(いたずら)してからおかしくなっていただきだし。いいから、離しなさい。神無月流‥‥‥‥」


委員長はそう言いながら。俺に攻撃を仕掛けようとするが‥‥‥‥俺は委員長のお腹辺りに手を回した。


「まぁまぁ、落ち着くんだ。委員長、君が俺にもう本気で技を掛けられないのはもう知っている。俺達は契約パスで深く繋がってるからな」



「ちょ、ちょっと。私に何をする気?」


「いや、何もせんが‥‥‥」


「つっ!このヘタレ!」


「なっ!誰がヘタレぢ!てっ!妙に身体に熱を帯びてるな。委員長」


「ちょっと!何処に手を置いてるの!神成君」


俺は聖抜祭のスタート脱出を上手く切れたことに気持ちが高揚(こうよう)し興奮していた。そして、最初から活躍したそんな自分自身に何かご褒美をあげたかったのだ。


「おっと!あんまり、大きな声立てるなよ!人が来るからな‥‥‥‥まぁ、人が来ても入れないように防犯やら、記録防止の魔道札をそこら中に貼っているから撮影されて記録に残ることも無いしな」


アリーナの時の様なヘマはもうしないのだ。


「そ。そんニャノどうでも良いのよ。そ、そんなことよりも‥‥‥」


「あんまり音を立てるなよ。委員長」


「ハァ、ハァ、ダカリャ‥‥‥ニャニ‥‥‥ヨ‥‥‥」


「体育倉庫で同じクラスの委員長と制服であれとはな‥‥‥」


「ソ、ソリェハ‥‥‥ア、ア‥‥‥神成が変態さんなだけで‥‥‥私は普通の子よ」


そんなやり取りを委員長としていると。


『体育倉庫』前


「セツナの奴は何処に逃げたのだ?」


「わ、分かりませんが!私の親友に手を出して。少しだけ意識を失わせて(もてあそ)んだって、未来が嬉しそうに言ってました」


「嬉しそう?‥‥‥‥くっ!奴を早く捕縛してこれ以上の被害者を出さねばならぬのう」


「はい!捕まえたら、必ず制裁しましょう!ユナさん」


私と星奈がそんな会話をしていると。


「ニャアアアアア!!!」


「な、何じゃ?猫二匹が倉庫に迷い込んだのか?」


「す、凄い乱れてますね!中でいったい何が?」



再び『体育倉庫』


シュイン!


「惠!帰りが遅いとウリエル様が心配してましたよ!貴女、いったい何をやってい‥‥‥‥て?」


「ん?次はアヤネか?」


「ニャ‥‥‥‥ニャ‥‥‥ニャヘヘ、ニャア~」


「セツ君‥‥‥惠‥‥貴方達!これは‥‥‥何を?」


「ありがとう。来てくれて。アヤネ!なんか、今日は気分が高揚してるんだ!」


「え?セツ君。ちょっと!何をするのです?!」


「今日はお祭りだ楽しもう!アヤネ!」


「ですから!セツ君!これは?!イヤアアアア!!」


そして、再び『体育倉庫』前



「ニャ、ヒアアアアア!!」


「‥‥‥‥今度は別の猫の鳴き声じゃ!」


「まぁ、今日はお祭りですからね。猫ちゃん達もタガが外れたんでしょう。フフフ。楽しそうですね」


「タガが外れたか」


私はそう言って体育倉庫の扉に手をかけた瞬間。


「おーい!エスフィールお嬢よ!あっちで神成らしき者を見つけたと言う者が入るぞ!」


「何?それは本当か?ゴリラ太郎!今、行く!行ってみよう!星奈」


「は、はい!ユナさん!って?ゴリラ太郎って、何?」


私達は体育倉庫から離れ。ゴリラ太郎の所へ向かっていったのだった。



再び再び『体育倉庫』


「ニャアハー、ニャアハー、ニャアハー‥‥‥ユルシャニャイ‥‥‥カミュニャリ‥‥‥‥」

「フー、フー、フー、フー、(わたくし)のお尻が」


疲れ果てて跳び箱にぐったりしている二人。


そして、体育倉庫の外から一般生徒の楽しげな会話が聴こえてきた。

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