恩賞と復興費
『キャメロット城』医務室
「‥‥‥‥ここは?‥‥‥確か、俺は魔力切れで‥‥‥‥」
「お、おぉ! 気づいたか?! セツナ!」
「セ、セツナ君。よ、良かった、 起きてくれた!」
エスフィールとアルディスが喜びながら。俺に近付いてきた。
「エスフィールにアル? ここは医務室か?‥‥‥あぁ、そうか。俺はエキドナとの闘いの後に意識を失ってしまって‥‥‥」
「うにゃあ! 良かったにゃあ~! セツニャ~! 目が覚めないから心配したにゃあ~! モグモグ」
セシリアが少し遅れてやって来た。手には何かの骨付き肉か?なんかを旨そうに食っている。
何処が心配したにゃあ~なのか。俺の身体が元気になったあかつきには、電流を浴びせて聞いてやる。
「そうじゃ、エキドナとの戦闘後。お主は、浮遊魔法を維持できなくなり。落下していったという。地面にぶつかる寸前でギャラハット卿が助けてくれたんじゃ」
「ギャラ先生が?」
「うん。ギャラハット卿の白銀の盾のお陰で無傷で助かったんだよ!セツナ君」
アルが涙を流しながら。俺の右手を握っている。
「‥‥‥‥そうだったのか。後で、ギャラ先生にお礼を言っておかないと‥‥‥‥そのギャラ先生は今、何処にいるんだ?それにメリュジーヌ卿は?」
「モグモグ。うにゃあ~! あの二人にゃら。円卓会議があるとかで。戦い終了後、『王の間』でずっと会議してるにゃよ」
「会議? 戦後処理か。なんかか?」
「まぁ、そんなところじゃ。反乱軍に加担した諸侯も含めて。今、現在。王座『ペンドラゴン』で『妖精国』の今後を話し合っているみたいじゃな」
「‥‥‥そうなのか‥‥‥‥まぁ、そうだろうな‥‥‥‥また、眠気が‥‥‥済まん‥‥‥また、寝る」
「あぁ、ゆっくり休め。セツナ」
「うん! おやすみなさい。セツナ君」
「起きたら。一緒に飯食うにゃよー! モグモグ」
「‥‥‥‥あぁ‥‥お休み‥‥‥‥」
そして、俺はまた眠りに落ち。起きて直ぐに三人の今後の話し合いに挑むことになったのだった。
『キャメロット城』・『円卓の玉座・ペンドラゴン』
私は、ギャラハット。円卓の騎士の一人で。『魔法中央国』では教鞭をとっている身だ‥‥‥‥‥‥玉座の空気が重い。まぁ、それは当たり前だろう。今後の『妖精国』の未来が決める。大切な会議が始まろうとしているのだから。
「モルガン女王陛下のおなり~!!」
カツン、カツン、カツン‥‥‥‥スゥー……
『妖精国』のアーサー王。不在の中、王代理を務める。モルガン様が妃の椅子へ向かっていく。
モルガン様が静かに妃の椅子へと座る。
「ご苦労様です。皆さん‥‥‥」
「「「「「「「「「「はっ!モルガン女王陛下!!!!」」」」」」」」」」
十名の円卓の騎士達が同時にモルガン女王に平伏した。
「さて‥‥‥‥では、始めましょうか。今後の『妖精国』の方針について‥‥‥進行はケイ卿。お願いいたします」
「はっ! モルガン女王。ではまず。今回、反乱に加担した円卓の騎士達の処遇の件なのですが‥‥‥‥」
ケイ卿がそれを言おうとした瞬間。
「今回、反乱軍に加担した方々については全て不問とします」
「はっ?モルガン様。今、なんと?」
ケイ卿が驚愕した顔でモルガン妃を見る。
「だから不問にすると述べました。これはアーサー王と話し合っている決めた事です」
「アーサー王ですか? いったいどの様にして?」
止めて下さい。ケイ卿。アーサー王の話をモルガン様に振るな! 振ったが最後。数日は‥‥‥‥
「えっ? 聴きたいんですか? 私とアーサー君とのなれ初めを!」
あぁ、始まってしまう。地獄のなれ初めを話が
「ではまず、私が彼を見つけた所から‥‥‥‥‥」
そして、あれから数日が経過した。
「‥‥‥で以上です。また、一から聴きますか?皆さん?」
「「「「「「「「「「いえ! 大丈夫です。モルガン女王様」」」」」」」」」」
「‥‥‥そうですか。残念です」
「で、ではモルガン様。数日前に仰られた。不問とするというのは?」
「はい。言葉通りですよ。ケイ卿。全て不問にします。今回の反乱軍の首謀者・『魔獣神・エキドナ』、他、円卓の騎士。2名は行方は分からないとの事ですし。アグラヴェイン卿、ベディヴィア卿、ユーウェイン卿、ぺリノア卿に関しても『エキドナ』の呪いのせいで彼女等に従う以外の選択筋はなかったと思われますし」
モルガン様は反乱軍に加担した。四人を見つめてそう言った。ぺリノア卿は呪いを受けていない筈だが、何故か顔中がぼろぼろで元の顔を維持していなかった。
「で、では、彼らの領地の兵士や武官達も同じように許すと? 彼等は北側の『妖精国』の者達を被害が少ないといえ殺しいるものも多数いますが」
ケイ卿は真剣な顔をしてそう言った。
「そうですね。北側の兵士達を殺した者達には奈落へと行ってもらいます。運が良ければ『暗黒大陸』まで着けるかもしれませんしね」
「な、奈落ですか? それはなんとも‥‥‥‥かの地に行けば。生きて変えることができますまい。あの地は魔窟か『暗黒大陸』にしか通じておらず‥‥‥‥‥」
その通りである。『妖精国』の地理は摩訶不思議の魔境も良いところである。
四方八方は四つの結界が張られ。北側は奈落へ。東側は魔窟へと繋がる。何故か、分からないが奈落と魔窟の終点地点は何処かで繋がっていると言われ。その終点の先にはアリーナ七大大陸が一つに数えられる『暗黒大陸』に行けるとか、行けないとか。
そして南は冥界。こちらは生前に罪をおかし、死者達が落ちる場所である。
生者はおらず、冥界に住む。神々が住むと言われている。
最後は西。『アヴァロン』最果てである。
この地は別名。桃源郷やエデン等と様々な呼び方をされている場所で。モルガン妃やマーリン理事長の故郷だとか。
九つの階層があり。一つ一つの階層を九人の姉妹が守っているとか。
その、姉妹の長女が何を隠そう。現在、王妃の椅子に座り。現在、不在中のアーサー王の変わりに『妖精国』を運営しているお方。モルガン様がその長女とのこと。
アーサー王とは、そのアヴァロン内で出会い。恋に落ちとかなんとか。
セツナから少し聞いた話では、地球での二人は宿敵同士だったとかなんとかで。こちらでは、考えられないことである。まさか、こちらで転生して添い遂げた等と夢物語であったら面白いものだが。
「そして、モードレッド卿とランスロット卿が行方不明になり。領主不在となった二つの領は。モードレッド領はケイ卿。貴方が円卓の騎士に復帰し。領内が安定するまで任せます」
「わ、私がですが? 私は残りの余生をゆっくり過ごして‥‥‥‥」
「やりなさい!」
「はい! モルガン様」
あぁ、可哀想な。ケイ卿。昔からモルガン様に頭が上がらない人だ。やれと言われたらやる男である。
「そして、ランスロット卿の領地は我が『キャメロット城』の統治領とし管理します。そして、領主には‥‥‥‥‥入って来なさい。ガレス!」
「はい! モルガン様」
モルガン様にそう呼ばれ。一人の騎士が私達の前に移動して来た。
玉座の前に金髪の中性的な顔の子が平伏し。モルガン様に跪く。
「この子はガレス。騎士見習いでしたが、アーサー王との相談の後。正式な新たな円卓の騎士に推薦することに決めました。意義がある者はいますか?」
シーン……周りは静まりかえっていた。居るもの等いないだろう。かの者は新世代の騎士の筆頭。ガウェイン家縁の者。ガレスその人なのだから。
「ありがとう。皆さん。では、ガレス。暫くの間。ランスロット領は貴方に任せます。分からないことがあれば、ケイ卿かガウェイン卿に聞きなさい」
「はっ! モルガン様。この大役。しっかりとこなしてみせます」
「フフフ。お願いしますね。アーサー王も貴方には期待していましたから」
「アーサー王が?‥‥‥‥‥はっ! 頑張ります」
「うわぁぁ!初々しいね。ギャラハット!此方にもあんな時代があったよ~」
呑気にそんな事を語るはメリュジーヌ・フローレンス卿。
「いや。フローレンス‥‥‥‥君はそんな、呑気なこと言えるような立場じゃ‥‥‥‥‥」
「? なんで?」
不思議そうな顔をする、フローレンス。
「いや‥‥‥それは」
「では次に恩賞の方ですが‥‥‥‥こちらは直接。モルガン様の方からお伝えしたいとの事で‥‥‥‥」
言葉を詰まられる。ケイ卿。
「うわぁ! 恩賞だって。ギャラハット! 何、貰えるんだろうね?」
また呑気にそんな発言をかます。フローレンス。
「では、第一の恩賞としてフローレンス卿」
「はい! モルガン様」
「貴方にはユーウェイン卿の領地の復興を命じます。そして、賠償を。そうですね。フローレンス領の地税を使われたらフローレンス領の民が困るので。貴女の財産の差し押さえと。今後の千年分のお給料全て復興費に当てることにしましょう。」
「は、はい? モルガン様! 今、なんてーー!」
「プププ、良いきみよ! フローレンス」
ベェデヴィアがそう言って笑いだした。
「そして、その隣のベェデヴィア卿はパーシヴァル卿の領の復興をフローレンス卿と同じように命じます。」
「は、はい?! モルガン様ーー?!」
「プププ、お馬鹿だね。ベェデヴィア」
フローレンスも同じ様に笑いだした。
「これも同じ様に貴女の財産の差し押さえと。今後のお給料全てを復興費に当てることにします。」
「そ、そんな~! ふぁい‥‥‥‥」
「はい! よろしい」
「いや、モルガン様!! 此方は‥‥‥‥」
「フローレンス!‥‥‥‥」
モルガン様がフローレンスを睨み付け。静かに彼女の名前を言う。
「ひ、ひい! はい! それで大丈夫です! モルガン様ーー! ひぃーーーん!」
「‥‥‥はい。よろしくお願いします」
‥‥‥‥力関係が垣間見得た瞬間であった。
「では、今回の『カムラン高原』で活躍した。ガウェイン卿、トリスタン卿、ギャラハット卿、報告、伝達に奔走してくれた。サグラモール卿には恩賞として財宝の贈呈をします」
「「「「はっ! ありがたき幸せ!」」」」
おぉ、これはかなり期待できるな。
「うぅぅぅ! ギャラハット! お金貸して~」
フローレンスが破産したエルフの様な顔をして俺にお金の貸し入れをせびり始めた。
「静かになさい! フローレンス卿」
「は、はひ! モルガンしゃま~!!」
‥‥‥力関係が垣間見得えた瞬間だった。
「そして、残りのアグラヴェイン卿、パーシヴァル卿、ユーウェイン卿には、領地の復興費として『キャメロット』から少しながら少し出します。大変でしょうが頑張って下さい。私達。国側も一緒に。領地の建て直しに協力しますので」
「「「はっ! 感謝致します」」」
「そして最後にぺリノア卿‥‥‥‥大丈夫ですか? その顔?」
「ふぁい! もるかん様」
「そ、そうですか‥‥‥今回の反乱では、内側から情報の伝達等。大変助かりました」
「へえ?」
何故か驚くパーシヴァル卿
「ふぁい! ありがたき御言葉」
「貴方には数ヵ月の休みと恩賞を彼等、4人と同等の恩賞を渡します。‥‥‥‥それから、『キャメロット』からリースを補佐に回すので暫く安静にしなさい。ぺ、ぺリノア卿。良いですね」
「ふぁい! モルガン様」
娘にボコボコにやられ。心身共にぼろぼろになってしまった。ぺリノア卿を見てモルガン様がものすごい同情したような目をしていた。
「ふぅ、これでとりあえず、急いで決める案件は片付きましたね。では、ケイ卿。今度は細かい。被害報告を‥‥‥‥」
その後は、戦後処理の復興費の予算編成や兵士の被害人数等の把握等々が話し合われ。あっという間に数日の時が流れていったのである。




