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20/82

019:一線を越える・段ボール・ダウト

「ダウトしようぜぃ」

 ある日の昼休み。

 そう言いながらトランプ片手にやって来た梓ちゃんを見て、キシさんはあからさまに嫌そうな表情を浮かべた。

「やらん。貴様らとのトランプにいい思い出がない」

「あんたに拒否権はないわよ。ビリはこの段ボールを職員室まで持ってくこと、いいわね」

 立ち去ろうとするキシさんの襟首をつかみ、無理やり座らせる梓ちゃん。その背後には回収された夏休みの課題が詰め込まれた段ボール箱がいくつか山積みになっていた。

「それは貴様の仕事だろうが!」

「か弱い乙女にこんな重いもん持たせるんじゃないわよ」

「貴様のどこがか弱いか! 術者を引退してもなお冥府の特記戦力に数えられとるわ!」

「え、あたしそんな扱いなの? 照れるなあ」

「褒めとらん!」

 キシさんは目じりを吊り上げるが梓ちゃんはどこ吹く風。その様子を眺めていたユッくんとビャクちゃんも苦笑を浮かべながら席に着いた。

「まあまあ、こうなったら大人しく流れに身を任せましょうよキシさん」

「だねー。普通にトランプで遊ぶと思ってさ」

「ちっ……」

 苦虫を噛み潰したような顔で舌打ちするキシさん。諦めたらしく、腕を組んで顎で梓ちゃんを指す。

「それで、なんだって? 大富豪や7並べの時のような初見殺しは御免だぞ」

「大富豪の時は見てないから知らんけど、7並べはあんたの引きがクソだっただけじゃん。えっと、ダウトのルールとしては――」

 言って、梓ちゃんがダウトについて簡単に説明した。


1.その場の全員にカードを配る。ジョーカーはあらかじめ除外する。

2.最初の人から時計回りにカードを1枚ずつ裏側で場に出す。

3.その際に「1」と口にし、次の人も「2」「3」と続く。

4.出すカードは自分が口にした数字でなくても良い。

5.ただし誰かが「ダウト」と指摘した際、出したカードの数字と口にした数字が異なっていた場合はアウト。その場のカード全てを手札に加える。

6.逆に誰かが「ダウト」と指摘した際、出したカードの数字と口にした数字が同じだった場合はダウト失敗。指摘した人が場のカードを全て手札に加える。複数人が同時に指摘した場合は山分けする。

7.最初に手札をなくした人が勝利。その時点でゲーム終了。2位以下は手札の枚数で決着する。


「――とまあ、こんな感じ。メジャーなゲームだからローカルルールとか色々あるけど、うちではこれで遊んでるわ」

「ほう、なるほど。つまりは腹の探り合いか。いいじゃないか」

 ルールを聞き、何故か謎の自信溢れる表情を浮かべるキシさん。大富豪の時も7並べの時もそれで惨敗したのに、どこからその自信はやってくるのだろう。

「まあとりあえずやってみましょ。カード配るわね」

 言って、梓ちゃんがその場の5人にトランプを配布する。

 そしてじゃんけんの結果、梓ちゃんからスタートとなった。

「こういう時って梓じゃんけん強いよな」

「あたしはいつだって強いわよ」

 ふふんと胸を張る梓ちゃん。確かに、梓ちゃんがじゃんけんで負けるイメージってないかも。

「さて順番はあたし、真奈ちゃん、ユーちゃん、ビャクちゃん、キシね。それじゃああたしから――1!」


・1巡目 1手目 「1」

梓:10枚 → 9枚

真:10枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 10 11

  ♢9 11 13

ユ:11枚

ビ:10枚

キ:11枚

場:1枚


 手札に2はないなあ……とりあえず適当にこの辺を。

「次は私ね……2」


・1巡目 2手目 「2」

梓:9枚

真:10枚 → 9枚(♧10)

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11 13

ユ:11枚

ビ:10枚

キ:11枚

場:2枚


「えー、3」


・1巡目 3手目 「3」

梓:9枚

真:9枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11 13

ユ:11枚 → 10枚

ビ:10枚

キ:11枚

場:3枚


「4!」


・1巡目 4手目 「4」

梓:9枚

真:9枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11 13

ユ:10枚

ビ:10枚 → 9枚

キ:11枚

場:4枚


「5」

「「「「ダウト」」」」


・1巡目 5手目 「5」

梓:9枚

真:9枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11 13

ユ:10枚

ビ:9枚

キ:11枚 → 10枚(♡10)

場:4枚


「……おい」

「バレバレよ」

「目が泳いでたので……」

「鼻の穴が大きくなってたので」

「汗のにおいが変わったから」

「貴様ら何だその無駄なスキルは!?」

 悪態をつきながらキシさんが場のカードを確認した。


場:♡2 ♧10 ♢5 ♡7


「全員が嘘をついているとはどういうことだ!?」

「「「「そういうゲームなので」」」」

「クソが!!」


・1巡目終了

梓:9枚

真:9枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11 13

ユ:10枚

ビ:9枚

キ:15枚

場:0枚


「そんじゃ次行くわよー。1!」


・2巡目 1手目 「2」

梓:9枚 → 8枚

真:9枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11 13

ユ:10枚

ビ:9枚

キ:15枚

場:1枚


 えっと、手札に2はないから……。

「それじゃあ……2」


・2巡目 2手目 「2」

梓:8枚

真:9枚 → 8枚(♢13)

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:10枚

ビ:9枚

キ:15枚

場:2枚


「3」

「ダウト!」

 あ、キシさんがダウトした。


・2巡目 3手目 「3」

梓:8枚

真:8枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:10枚 → 9枚(♧3)

ビ:9枚

キ:15枚

場:2枚 → ♡11 ♢13 


「すみません、ちゃんと3です」

「だはははは!!」

「穂波裕、貴様! 何故さっきは3を出さなかった!?」

「そういうゲームなので」


・2巡目 3手目終了

梓:8枚

真:8枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:9枚

ビ:9枚

キ:18枚

場:0枚


「……おい、既に嫌な予感がするのだが」

「あんたが下手なだけでしょ」

「ほら、ビャクちゃんだよ」

「う、うん。えっと、1」


・2巡目 4手目 「1」

梓:8枚

真:8枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:9枚

ビ:9枚 → 8枚

キ:18枚

場:1枚


「2だ」

「まあそれだけ持ってりゃあるでしょうね」

「黙れ!」


・2巡目 5手目 「2」

梓:8枚

真:8枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:9枚

ビ:8枚

キ:18枚 → 17枚

場:2枚


「あたしか。3」


・3巡目 1手目 「3」

梓:8枚 → 7枚

真:8枚

  ♤6

  ♡3 4 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:9枚

ビ:8枚

キ:17枚

場:3枚


 あ、今回はちゃんと持ってる数だ。

「4……」


・3巡目 2手目 「4」

梓:7枚

真:8枚 → 7枚(♡4)

  ♤6

  ♡3 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:9枚

ビ:8枚

キ:17枚

場:4枚


「ほい、5」


・3巡目 3手目 「5」

梓:7枚

真:7枚

  ♤6

  ♡3 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:9枚 → 8枚

ビ:8枚

キ:17枚

場:5枚


「ろくー」


・3巡目 4手目 「6」

梓:7枚

真:7枚

  ♤6

  ♡3 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:8枚

ビ:8枚 → 7枚

キ:17枚

場:6枚


「……7だ」

 キシさんが出して3巡目終了。そろそろダウト……いや、流石にキシさんの枚数的に普通に出してきてる気がする。ここは様子を見よう。


・3巡目 4手目 「7」

梓:7枚

真:7枚

  ♤6

  ♡3 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:8枚

ビ:7枚

キ:17枚 → 16枚

場:7枚


「結構溜まって来たわね。8」


・4巡目 1手目 「8」

梓:7枚 → 6枚

真:7枚

  ♤6

  ♡3 9

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:8枚

ビ:7枚

キ:16枚

場:8枚


「これが来るのは嫌だなあ……9」

「ならば貴様にくれてやろう、朝倉真奈! ダウトだ」

「あ……」


・4巡目 2手目 「9」

梓:6枚

真:7枚 → 6枚(♡9)

  ♤6

  ♡3

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:8枚

ビ:7枚

キ:16枚

場:7枚 → ♢1 ♧2 ♢3 ♡4 ♡5 ♡6 ♢7 ♧4


「だははははははは!?」

「返り討ちにあってーら」

「貴様ら越えたな!? 一線を越えたな!? イカサマだろう流石に!?」

「んなわけないでしょ」

「惜しかったねー。梓が出した時なら勝てたのに」

「あ、本当だ……危なかったあ」


・4巡目 2手目終了

梓:6枚

真:6枚

  ♤6

  ♡3

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:8枚

ビ:7枚

キ:16枚 → 25枚

場:0枚


「あそこだけゲーム違くない?」

「カードショップでも開いてんすか?」

「やかましい!! ほらさっさと次だ次!」

「はいはい。1」


・4巡目 3手目 「1」

梓:6枚

真:6枚

  ♤6

  ♡3

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:8枚 → 7枚

ビ:7枚

キ:25枚

場:1枚


「それじゃ、にー」


・4巡目 4手目 「2」

梓:6枚

真:6枚

  ♤6

  ♡3

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:7枚

ビ:7枚 → 6枚

キ:25枚

場:2枚


「3」

「まあ3よね」

「なんなら3全部持ってそう」

「やかましい!!」

 ……3は私も持ってるんだよなあ。


・4巡目 5手目 「3」

梓:6枚

真:6枚

  ♤6

  ♡3

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:7枚

ビ:6枚

キ:25枚 → 24枚

場:3枚


「ほいっと、んじゃ、4」


・5巡目 1手目 「4」

梓:6枚 → 5枚

真:6枚

  ♤6

  ♡3

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:7枚

ビ:6枚

キ:24枚

場:4枚


 あ、5はないなあ……。

「……5」

「ダウトだ!」

「あ……」


・5巡目 2手目 「5」

梓:5枚

真:6枚 → 5枚(♧4)

  ♤6

  ♡3

  ♧4 11

  ♢9 11

ユ:7枚

ビ:6枚

キ:24枚

場:4枚 → ♤11 ♢2 ♢3 ♧6


「ふはははは! リベンジだ!」

「あーあ」

「惜しかったねー、マナ」

「これがダウトの感覚か! なるほど、面白いじゃないか! 俺の手持ちには5が2枚あったからな、貴様は持っていないと踏んだのだ!」

「微妙な確率にかけたわね」

「あはは……」


・5巡目 2手目終了

梓:5枚

真:5枚 → 10枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧4 6 11

  ♢2 3 11

ユ:7枚

ビ:6枚

キ:24枚

場:0枚


「まあまあ、やっとダウトらしくなってきたってことで。ドンマイ朝倉。1」


・5巡目 3手目 「1」

梓:5枚

真:10枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧4 6 11

  ♢2 3 11

ユ:7枚 → 6枚

ビ:6枚

キ:24枚

場:1枚


「そうだねー。2」


・5巡目 4手目 「2」

梓:5枚

真:10枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧4 6 11

  ♢2 3 11

ユ:6枚

ビ:6枚 → 5枚

キ:24枚

場:2枚


「ふふふ、このまま勝ち上がって見せるわ。3」


・5巡目 5手目 「3」

梓:5枚

真:10枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧4 6 11

  ♢2 3 11

ユ:6枚

ビ:5枚

キ:24枚 → 23枚

場:3枚


「その枚数で勝ち誇られてもなあ。4」


・6巡目 1手目 「4」

梓:5枚 → 4枚

真:10枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧4 6 11

  ♢2 3 11

ユ:6枚

ビ:5枚

キ:23枚

場:4枚


 あ、これだけあるのに5がないや。キシさんに偏ってるのかなあ。あれ、いやでもキシさんに回ったカードに5ってそんなになかった。少なくとも1枚だから、他の3人が持ってる?

「……5」


・6巡目 2手目 「5」

梓:4枚

真:10枚 → 9枚(♧4)

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6 11

  ♢2 3 11

ユ:6枚

ビ:5枚

キ:23枚

場:5枚


「また結構溜まって来たな。6」


・6巡目 3手目 「6」

梓:4枚

真:9枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6 11

  ♢2 3 11

ユ:6枚 → 5枚

ビ:5枚

キ:23枚

場:6枚


「……キシ、まだダウトしなくていいの? 7」


・6巡目 4手目 「7」

梓:4枚

真:9枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6 11

  ♢2 3 11

ユ:5枚

ビ:5枚 → 4枚

キ:23枚

場:7枚


「ふは。まだだ、俺はまだ溜めるぞ。8」


・6巡目 5手目 「8」

梓:4枚

真:9枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6 11

  ♢2 3 11

ユ:5枚

ビ:4枚

キ:23枚 → 22枚

場:8枚


「うわ、さっきのダウト成功で完全に力に溺れてるわ。9」


・7巡目 1手目 「9」

梓:4枚 → 3枚

真:9枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6 11

  ♢2 3 11

ユ:5枚

ビ:4枚

キ:22枚

場:9枚


 う、10がない……11なら3枚もあるのになあ。

「だ、誰を狙ってるのかな……10……」


・7巡目 2手目 「10」

梓:3枚

真:9枚 → 8枚(♧11)

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6

  ♢2 3 11

ユ:5枚

ビ:4枚

キ:22枚

場:10枚


「これキシさんが誰に仕掛けるかのゲームになって来たな……11」


・7巡目 3手目 「11」

梓:3枚

真:8枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6

  ♢2 3 11

ユ:5枚 → 4枚

ビ:4枚

キ:22枚

場:11枚


「12! ホントだよ!!」


・7巡目 4手目 「12」

梓:3枚

真:8枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6

  ♢2 3 11

ユ:4枚

ビ:4枚 → 3枚

キ:22枚

場:12枚


「ふむ、ついにカードも一周したな。13だ」


・7巡目 5手目 「13」

梓:3枚

真:8枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6

  ♢2 3 11

ユ:4枚

ビ:3枚

キ:22枚 → 21枚

場:13枚


「じゃあまた最初からだから……1」

「ふふ……この時を待っていた! ダウトだ、瀧宮梓!」

「お?」

「1は俺が3枚持っている! そう都合よく貴様の手持ちにあるはずがない!」

「あー……」


・8巡目 1手目 「1」

梓:3枚 → 2枚(♤1)

真:8枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6

  ♢2 3 11

ユ:4枚

ビ:3枚

キ:21枚

場:14枚 → ♢8 ♤12 ♧3 ♤5 ♧4 ♢10 ♧13 ♡8 ♡12 ♧11 ♧12 ♧9 ♢13


 ぽきっ。

 そんな幻聴が聞こえた気がした。

「…………」

「なんでそんなピンポイントで失敗を……」

「力に溺れた結果よ」

「しかもアズサを狙わなきゃ誰でも成功してたんだ」

「もはや可哀そうになってきた」

「…………」


・8巡目 1手目終了

梓:2枚

真:8枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧6

  ♢2 3 11

ユ:4枚

ビ:3枚

キ:21枚 → 36枚

場:0枚


「えっと……続ける?」

「……やる」

「やるんだ……えっと、1……」

「…………」

 1は全部キシさんが持ってるはずなのに指摘してこない……まあ、ここでダウトしてもしかたないけど、もはや自棄なだけが気もする。


・8巡目 2手目 「1」

梓:2枚

真:8枚 → 7枚(♧6)

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:4枚

ビ:3枚

キ:36枚

場:1枚


「えっと、2」


・8巡目 3手目 「2」

梓:2枚

真:7枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:4枚 → 3枚

ビ:3枚

キ:36枚

場:2枚


「さ、さん……」


・8巡目 4手目 「3」

梓:2枚

真:7枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:3枚

ビ:3枚 → 2枚

キ:36枚

場:3枚


「……4」


・8巡目 5手目 「4」

梓:2枚

真:7枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:3枚

ビ:2枚

キ:36枚 → 35枚

場:4枚


「手札も碌に見えてなさそう……5」


・9巡目 1手目 「5」

梓:2枚 → 1枚

真:7枚

  ♤6 11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:3枚

ビ:2枚

キ:35枚

場:5枚


「6です……本当です。ダウトしない方が良いです……」


・9巡目 2手目 「6」

梓:1枚

真:7枚 → 6枚(♤6)

  ♤11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:3枚

ビ:2枚

キ:35枚

場:6枚


「やばい、目がやばい。僕も本当です。7」


・9巡目 3手目 「7」

梓:1枚

真:6枚

  ♤11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:3枚 → 2枚

ビ:2枚

キ:35枚

場:7枚


「は、8……わ、私も本当だよ?」

「……ダウト」

「ああ……」


・9巡目 4手目 「8」

梓:1枚

真:6枚

  ♤11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:2枚

ビ:2枚 → 1枚(♡8)

キ:35枚

場:7枚 → ♧6 ♡7 ♤8 ♢4 ♧5 ♤6 ♤7 ♡8


「本当だって言ったのに……!」

「後半に慈悲を感じるわね」

「……1」

「続けるんですか!?」

「もう、やめましょう……?」

「1」

「ああ……」


・9巡目 5手目 「1」

梓:1枚

真:6枚

  ♤11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:2枚

ビ:1枚

キ:43枚 → 42枚

場:1枚


「えっと……2だけど……ちなみにこれであたしは上がり。ダウトがなければあたしの勝ちだけど……」

「……ダウト」

「まあ、そうよね……そうだけど……」


・10巡目 1手目 「2」

梓:1枚 → 0枚(♤2)

真:6枚

  ♤11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:2枚

ビ:1枚

キ:42枚

場:2枚


「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」


・10巡目 1手目 ゲーム終了

梓:0枚

真:6枚

  ♤11

  ♡3 9

  ♧

  ♢2 3 11

ユ:2枚

ビ:1枚

キ:44枚

場:0枚


「……………………」

「…………」

「…………」

「…………」

「……なんか、ごめん」

「……………………」


 段ボールは五人で分担して運んだ。

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