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転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件【2026年アニメ化決定】  作者: 雲雀湯@てんびん2026年アニメ化決定
第8章

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337.変わらぬ友人


「伊織、それに伊佐美さんも」

「恵麻さん、ありがとうございます!」


 伊織と恵麻は正月以降も、一緒に登校するようになっていた。もし春希が急に顔を出せば、騒ぎになって困るだろうとの理由からだ。

 こうした友人たちの春希への心遣いが、自分のことのように嬉しくもありがたい。

 恵麻が沙紀の変えた髪型について「雰囲気全然違うね!」「慣れないから準備が大変で」と盛り上がっている中、伊織が周囲を見回して呟く。


「妹ちゃん、ホントにいないんだな。確か、あの名門校に受かったんだっけ」

「あぁ、今日は朝早くから出掛けて行ったよ」

「ははっ、なんかちょっと寂しいな」

「伊織……」


 伊織がそんな風に思っていたということに、目をぱちくりさせる隼人。そして口元を緩め、皆に向かって明るい声を意識して言う。


「っと、そろそろ学校に向かおうぜ」


 隼人が歩き出せば、すぐに他の皆も続く。

 そしてしばらくしてはたと何かに気付いた様子の伊織が、隼人へ話を切り出す。


「そうだ隼人、今日()バイトのヘルプ頼めるか?」

「いいよ。俺も教習所代ですっからかんで、バイク費用稼ぎたいし」

「すまん、助かる」


 そのやり取りを聞いた沙紀は、ふと疑問に思ったことを伊織に訊ねる。


「あれ、今日()……ってことはバイト、人手不足なんですか?」

「先月で卒業とか受験とかで一気に抜けちゃって、この時期はどうしてもな」

「それだけじゃなく、募集掛けようにも春希ちゃん目当ての人たちも多くて」


 続いて恵麻が補足説明してくれ、なるほどと得心する沙紀。

 春希はデビュー以来御菓子司しろのバイトに出てきていないものの、それでももしかしてと、一目見ようとやってくる客は多い。それだけ、春希は人気なのだ。

 やがて俯き何かを考え込んでいた様子の沙紀は、片手を上げおそるおそる尋ねた。


「あの、それじゃ私がバイトに入るっていうのは……」


 すると伊織がすかさず目を丸くして答える。


「お、いいのか!? 巫女ちゃんなら大歓迎、っていうかすごく助かる!」

「わぁ! 私もいつ頃合いを見計らって声を掛けようと思ってたし!」


 恵麻もおどけた様子で歓迎すれば、皆からあははと笑い声が上がる。

 その後、「あそこの制服少し憧れてて!」「忙しいときはホントきつい」「でも時給いいよね」とバイトの話で盛り上がりながら通学路を歩く。

 やがて校門が近付いてくると、周囲に真新しい制服姿の生徒も増えてくる。沙紀と同じ、新入生だろう。

 沙紀は彼らを見ながら少し硬い声で、ぽつりと言葉を零す。


「うぅ、緊張してきたかも」


 その呟きを聞いて、隼人は伊織と恵麻と顔を見合わせ苦笑を零す。

 なんだかんだ根は隼人と同じ、田舎者の沙紀のこと。見知らぬ人が大勢の中に1人で放り込まれるのには、不安もあるだろう。

 その気持ちがよくわかる隼人は、慎重に言葉を選びながら声を掛ける。


「姫子、いないもんな。中学の友達とかで来る人とかいないのか?」

「仲の良かった子たちは姫ちゃんを始め、バラバラになっちゃって。ほのちゃんが受かってるけど……うぅ、同じクラスになれるといいなぁ」


 すると今度は沙紀の言葉を聞いた伊織から、不安そうな声が上がる。


「そうだった、オレたちもクラス替えがあるんだった。うぅ……もし恵麻と離れ離れになったらどうしよう……っ」


 一方恵麻はといえば、あっけらかんとした様子で伊織を慰める。


「その時は私の方から会いに行くから」

「お、オレの方から行くし!」

「それだと入れ違いになっちゃわない?」

「うぐ……っ」


 揶揄い交じりの恵麻の言葉に、涙目になる伊織。その反応に、恵麻は満更でもなさそうだ。2人の力関係が窺える。

 その様子を見て、お腹いっぱいとですといった顔で苦笑する隼人と沙紀。

 ややあって隼人は少し迷った後、頭を掻きながら気恥ずかしそうに沙紀に言う。


「もし沙紀さんも何かあったら、俺らのクラスに訪ねてきてくれたらいいから。その、教室に馴染めないとかそういうこととかで」


 沙紀は目を瞬かせた後、ふにゃりと頬を緩め、元気な声で返事した。


「はいっ、そうさせていただきますね!」


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― 新着の感想 ―
穂乃香さん、沙紀さんが同級生から誘われてた際に守ってましたから、別のクラスになって多少疎遠になっても関わらないということはないでしょうね。
伺い知れない行動は身近な人間でも寂しくなりますね。
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