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闇に潜む復讐  作者: 神無 乃愛


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10/11

怪奇三 ジェットコースター(その二)

連続更新でございます。こちらが先の方は、一つ前からどうぞm(__)m


 何故、何故。こんなことに。

「大内君がぁ、誘ったからかなぁ。君のせいだよぉ」

 後ろからぽたんと、鉄臭い水滴が落ちる。

「いつか君たちに復讐したかったんだぁ。ありがとう」

 じわりと、股間から何かが染み出てきた。

「あはははは。ねぇ、恥ずかしいよ。お漏らしなんてしてさぁ」

 囃し立てるように言われるが、大内は何も答えられない。


「ねぇ、知ってた? ここのジェットコースターって、二周回る間に誰も乗ってない場合、お客さんが来るんだってさ」

 楽しみだねぇ、そう言ってくるが、何故か歯がカタカタとなって、何も話せなかった。


 カン、カン、カン、とうとうジェットコースターが戻ってきた。


 完全に止まった時、べちょりという音がした。


 ズズッ、ズズズ、ズズズズズ!

 真っ黒な靄が、こちらに近づいてきた。


 シュッという音とともに、目の前にあった首はなくなり、あるのは暗闇だけ。


 周囲は、これでもかというほどに暗くなる。

『ようこそ、久しぶりだ。生きた人間は』

 靄が完全に大内を包み込み、そして投げ捨てた。



 気が付けば、明るい場所にいた。目の前にいるのは、幸せそうな親子。大内は悔しいと思う以上に、憎らしかった。

「ほら、――の大好きなジェットコースターだ!」

「うん! 僕一人で乗ってみる!!」

 身長制限をクリアしたばかりの子供が嬉しそうに笑っていた。

 事故ってしまえ。そんなことを思った。


 その子供が乗ったジェットコースターは真上で止まって動かなくなった。

 ざまぁみろ。そう思った瞬間、子供が落ちた。


 そして、いきなり動き出した。緊急停止も効かず、ジェットコースターは勢いをもって動く。

 止まった時、子供はどこにもいなかった。


 次の瞬間、また真っ暗になった。


「おかえり、人殺し」

 そう、水沢になじられた。


 そこで大内の意識は途切れた。


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