闘技場で確認した
朝までやった結論。
やっぱレナ達の方がいいや。
いや~技術に関しては確かに悪くなかったよ。
自分自身の強みを生かしたエロテクも多かったし、何度もヤってるだけあって抵抗感も少ない。
でもな……体力が少なすぎるんだよ。
それともあれか?精力の弱い男しか相手したことがなかったんだろうか?
とりあえず全員と10回ずつ中に出そうと考えていたのに人間組は3回くらいでリタイア、獣人達は8回ともう少し頑張ってほしかった。
インプ達に関しては1回でリタイア。サイズが違い過ぎて俺のを入れるのも苦労したし、やっぱり短小な連中向けだったのかね?
まぁ育てればサキュバスになれるのにインプのままって事はやっぱり経験が少ないか、短小しか相手させてもらえなかったんだろう。
そう思いつつ金を払って店を出てる。
俺は店を出た後コロッセオに向かった。
コロッセオは年中無休でやっているらしく、朝から晩までずっとやってる。
と言っても人気のある選手が出てくる時間帯以外は閑散としている物で大した事のない選手だと人気も薄いしレートも低い。
でもまぁ出店でちょっとした祭りのようになっているので食う物などで困る事はない。
朝一番の試合からなんとなく眺めているが……確かに賭け事をして稼いでいるような感じだ。
前は席のチケット代で稼いでいたイメージだったが、ずいぶん変わったもんだ。
そして人気ないからなのかバトルロワイヤルではなく1対1の試合が続く。
それでも賭けをしている人達はいるが必ずと言っていいほど奴隷を連れている。
俺のように外から来た人間はあまりいないようだ。
そして目当てである貴族の類も姿を見せない。
今日はハズレかと思いながら少し早めの昼飯を買って席に戻り、飯を食いながら昼になりそうなときに人が増えてきた。
なんだろうと思いつつ今日の試合予定を確認すると、結構レートの高い試合がそろそろ始まるらしい。
いつ始まるのかは分からないが、4つ後の試合としか表示されていない。
この辺の緩さはスポーツではあるあるなのかと?考えつつもこれなら貴族も現れる可能性が高いのでちょうどいい。
ぶっちゃけ俺は本当に貴族の首にも隷属の首輪があるのかどうかというところを確認しに来ただけだ。
遠目から貴族達の首輪を確認できればそれで充分。
どうもこの国はキナ臭い部分が非常に多い。
この国の者全員が奴隷。
しかも王族貴族を含めたエジック全体での話だ。
普通であれば異常としか言いようがない状況に誰も気が付いていない。
いや、気が付いていてもそれを異常と感じる事すらないのは習慣や文化と言う言葉では表せない。
さらに言えばこの国を裏から支配しているの誰なのか特定するのも非常に難しい。
これはまだ想像の段階だが、この国を支配しているのは確実に『怠惰』を所有してる誰かさんなのは確かだ。
そうでなければ国規模で隷属化させて支配するなんて不可能だし、女帝に付与していた効果も説明できない。
ただの隷属化で奴隷を強化する事は不可能だ。
強化したとしても普通の魔法『付与魔法』を使用するか、自身の能力を向上させる消耗品アイテムを使用するしかない。
普通のいい装備を渡すという方法もあるが……それなら隷属の首輪を装備させる必要はない。
それに女帝から情報を引き出されていた、そして思考を操作されていたのは事実。
隷属化しても主人に情報を渡す手段は手紙を書いて送るか、長距離通信用アイテムを使用して直接話すかのどちらかのみ。
転移して情報を伝えるという方法もあるが、どれも直接主人に伝える必要がある。
これらの事から現在進行形で隷属化させた相手から情報を引き出すのは『怠惰』しかない。
まぁ他のスキルとの併用で似たようなことをした、という可能性もなくはないが……ものすごく可能性は低い。
仮に他のスキルで再現していたとしてもこれは複数人で行わないといけないほどの規模になる。
情報収集、隷属化、付与魔法による強化、隷属化した相手の思考操作。
国という大規模な数にそこからさらに正確な数が分からない『隠者』達も含めるとなると何万人いるのかどうか分からん。
これだけの事をポラリスとはいえ出来るとはとても思えない。
だからサポート役はいたとしても必ず『怠惰』は存在する。
できれば特定して殺しておきたいところだが……この国に居る保証はないからな~。
なんて思いながら飯を食い、周囲から違和感を与えないように1番人気の奴隷剣闘士に安い金をかけておく。
最低の額だけだがまったく賭けていないよりは空気を乱さない。
そして貴族席っと言うよりは最近の金を払って座れる席に貴族達が座り始める。
貴族達の首を見てみると……あった。隷属の首輪だ。
鉄製の分かりやすい物ではないが、愛玩用奴隷のあまり外で付けていてもチョーカーとか、ネックレスに近い形状の物ばかりだがあれは隷属の首輪だ。
これで噂は本当だったと証明された。
そうなると後は王族だが……とりあえず今日の所は貴族がそうだったと分かっただけ十分か。
とりあえず賭けは負けた。
1番人気を選んだが3番人気の奴に負けてた。
周りからは悲鳴と怒号が飛んでいたが俺の目的はこれで十分。
俺はメインの試合が終わって帰る客に交じってコロッセオを離れる。
それにしても本当に貴族にまで隷属の首輪を付けさせているという事は、本当に『怠惰』がこの国を支配していると言っていいと思う。
よくもまぁこれだけ大規模な事が出来たもんだ。
国規模の人間を本当に支配しているのだから大した頭脳を持っているに違い………………
ちょっと待て。
本当にそんな使い方をして『怠惰』所有者は無事なのか?
確かに『怠惰』は自分自身で行動せずに済むスキルであり、発見が非常に困難なスキルの1つだ。
だが大罪スキルはそんなに甘くはない。
強力な分デメリットだってある。
1番分かりやすいのは『憤怒』だろう。
敵を殺せば殺すほど自身のステータスを上昇させる事が出来るが、代わりに回復が出来なくなる事とバットステータス『怒り』状態になる事。
いくらステータスが上昇してもHPを回復できないのは危険だし、魔法が一切使えない状態はキツイ。
だから俺は魔法ではなくスキル系を重視してきた訳だし、スキルの併用は可能だからだ。
そして『怠惰』のデメリットは自身のステータスが低下する事。
基礎的な部分、隷属化させた相手を意のままに操るようにするだけでステータスが半減してしまう。
生きた人形として1体使役するのにそれだけステータスが低下してしまうのは非常に厳しいと俺は判断したからユウ達には自由行動にしている。
自由行動ならただ隷属化させているだけなので情報共有は出来るがステータスの上昇は出来ない。
ただし隷属化している状態でステータスを上げると相手のステータスを上昇させる代わりに使用者のステータスは下がる。
つまり隷属化している奴のステータスを上昇させない限りは自身への影響はほぼない。
だが俺の場合最大で50人の冒険者や騎士達を隷属化して『怠惰』で強化した時は俺自身のステータスは1にまで減少。
ここから予想できるのは10人で半分、20人でその半分、30人でさらにその半分という感じでどんどん減少していったのだろう。
そしてバグなのかそれ以上表示できなかっただけか、1より下になる事はなかったがそれでも自分の力では起き上がるどころか指1本すら動かす事が出来ない状況になってしまった。
だから俺の中では使えないスキル、という立ち位置になりろくに使う事はない。
精々デメリットが現れない、今ユウ達に使っている程度だ。
ステータスの低下は普通一時的な物だ。
例えばバッドステータスによるステータスの低下。
毒や麻痺、火傷のような物から魔法による相手の防御力や魔法防御力を下げる魔法を食らった場合だ。
でもこれらは一時的な物だし、バッドステータスを受けないように対策するスキル構成やアイテム、魔法を準備していれば問題ない。
それに基本的に一時的な物で、時間経過で解除される物の方が圧倒的に多い。
それをスキルによる効果とはいえ半永続的にステータスの低下をし続けているとしたら使用者は今どんな状態になっているんだ?
おそらく使用者は生きているのか死んでいるのかも分からない状態になっている可能性が非常に高い。
仮に姿は常人と変わらない物だったとしても俺が試しに使ってみた『怠惰』の状態よりひどいのではないか。
対象のレベルの高さによって『怠惰』のデメリットが大きくなる事はないが、この国規模と言える人数を『怠惰』で支配しているとすれば今どんな状態になっているのか全く想像がつかない。
あの指1本動かせない状態で満足に飯を食えるとは思えないし、生きていると言えるのかどうかも怪しい。
俺も人の事を言えないが、ずいぶん奇妙な人生を生きることを決めた奴がいたようだ。
さて、そうなると動いていない生物も探してみようかな。




