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47 話せばわかるギラの旅…連合国に、いってらっしゃい!

そろそろ地図くらいあったほうがいいかなって作者は思ってます。

さて、勇者たちと戦ったのはいいが少しやりすぎたかもしれない、城の騎士や兵たちが爆発音に驚いて集まってきた。

ここに居たらいくら王と公爵が後ろ盾になっているとはいえ、勇者に加担する貴族や教会の勢力に目をつけられそうだ。

もう遅いかもしれないが。


ただ、難癖をつけられるタイミングというものがある、ここで棒立ちしているよりはマシだろう。


「じゃ、さっそく王と父さんの所に行こう、ここにいるとめんどくさくなりそうだ」

「そうだね、あとあの攻撃をするときは一言いってもらえると助かるよ」


すまん、以後気を付ける。


「やっぱりゼノンくんはすごいよ! ボクも強くなったつもりだけどまだまだだ、がんばらなきゃ。うんっ」

「あなたはあの攻撃の恐ろしさを知らないからそう言えるのです、前に使ったときはあの程度の威力ではありませんでしたわ」


ヴァニエの顔色がちょっと悪いが、まあ最初の時は加減を間違えたからな。

匿われてた小国の森の一部が焼け野原になった時は、俺も死ぬかと思った。


「まああれは若気の至りってやつだ、もう調整もマスターしてるから大丈夫だって。たぶん」

「たぶんなんだね」


たぶんだ。

まあ結果良ければすべて良しだ、今はとりあえずここから離れないとな。



──────────

──────────


ゼノンが勇者との決闘を終えてそそくさと帰っていった頃、広間の影で冷や汗を流す者がいた。


「なんなのあいつらは、勇者たちと聖女をまとめて一撃? ありえない。魔王を奪還しようにも剣聖に匿われて消息がつかめないし、わからないことばかりだわ」


(このことは魔公爵様に伝えないと……っ、勇者以上の第3勢力が存在するなんていずれ脅威になるわ。確か召喚される前にも勇者並みの少年がいたっていう報告はあったけど、デマかなにかだと思ってた)


彼女は羽藤へ接触しようにもロイルに匿われているために手が出せないでいたのだ。

結局は最後まで任務を遂行することはできなかったが、人間の国家にもぐりこめる立場は貴重であるために潜入捜査を続行することになっていた。

そして彼女はおもむろに近くの森へと入っていく。



「魔公爵様、緊急の報告があります」


彼女がなにもない空間に声をかけると、突然フードを被った人形のような人物が現れた。


「ン? 定期報告にしては早いネ?それほどの事態があったということでいいのかナ?」

「はい。以前噂があった勇者並みの少年の噂の真偽が確認できました。結論からいいますと、少年は実在します。今日の昼頃に召喚された勇者たちと少年が決闘騒ぎを起こしたのを確認し、第3勢力である少年の一撃が聖女と勇者4人を一網打尽にする光景を目撃しました。推定される戦力はおよそ伝説級を上回るかもしれません」

「うーン、伝説級以上、勇者以上ってことカ。となると、将来的に太刀打ちできるのはあの優秀な魔王くらいかナ?これは魔王の件は早急に片づけないといけなくなったネ。情報に感謝するヨ、君は引き続き調査だネ」

「……はっ」


彼らにとっての伝説級、つまり伝説となりうる英雄や勇者といった存在の次元を超えると言う事は想定の範囲ではなかったが、それでも対応できるレベルだと人形姿の魔族は考えた。

もちろんそれは羽藤の件に頼るところが大きいが。


「ククッ、さてさテ、膨大な戦力を保持した第3勢力の出現カ。面白くなってきたじゃないカ。ゲームというのハ一方的では面白くなイ、魔王の件も勇者の件もその他全て含めてネ。……ハハッハハハハハハ!!」


人形の魔族は愉快そうに笑う…まるでゲームを楽しむ子供のように。


──────────

──────────



あの決闘騒ぎからそそくさ逃げ出した俺は、パパンの所に逃げ帰っていた。

というか人あつまりすぎだろ、そりゃ勇者がぶっとばされるなんてスクープでしかないんだけどさ。

まぁ俺は彼らの立場を知らなかったというこにしよう、そういうことにしよう。


……無理っぽい。


「ちーっす!決闘してきあしたー」


開き直った。


「……お、ゼノンか?早かったな。その様子を見ると充分懲らしめてきたみたいだな」

「ガッハッハッハ! こりゃ傑作だぜ、これであいつらも少しは大人しくなるだろう。最近のあいつらは力に溺れてロクに修行もしなかったからな」

「あー、やっぱりそうだったんだ。召喚されて半年たっているのにヤケに弱いと思ってたところなんだよね」


パパンから聞いたハドウって人はかなりの成長を遂げたらしいから、ちょっとだけ期待したんだけどね。



「それとヴァニエちゃんの事についてだが、とりあえず魔族ということだけは伏せて普通にしてれば問題ないだろう。まぁ俺やギルバートクラスじゃないと違和感なんてもたないしな…おそらく大丈夫だ」


やっぱり大丈夫だったか。

いや、大丈夫じゃないんだよな、聖女にバレちゃったし。


「そのことなんだけど、ヴァニエが魔族であることが聖女にバレちゃったんだよね」

「なんだと!? あのバカ聖女、俺の命令も聞かずにまた勝手な行動をとっていたのか。不用意に接触しすぎれば、教会と国のバランスが不安定になると言っているんだがな。あいつは他人からみた状況というのがわからねぇのか……」


教会の聖女とこの国で匿われている勇者が特定の国でなんども接触すれば、教会がこの国に肩入れしている可能性を疑われるんだろう。

あの聖女はバカなのかもしれない。


「しかし参ったな、これでは父さんたちだけではどうにもできない。ヴァニエちゃんが魔族でも大丈夫な国か。ギルバート、お前そこらへん詳しくないのか? 国王だろ」

「まぁ、魔族かどうかではないが、特例として挙げるなら帝国とは反対側の連合国あたりだろうな。あそこなら様々な身分の者が種族に限らず存在する。もちろん魔族はやつらにとっても敵だが、ハーピィ系やドリアード系の安全な魔族とは比較的に調和がとれた地帯だ。ヴァニエが変な犯罪を起こさなければなんとかなる可能性はあるな」

「なるほど、連合のほうか。ここからはだいぶ距離があるが、そこにも迷宮都市やそれに連なる魔法学校なんかもある。現状ではそうするしかないな」


なにやら連合国に向かうことになったっぽい。

しかし帝国とは反対側か、エレンの里帰りはまだ先になりそうだ。


「ああ、距離のことは気にしなくていいよ。ギラ、黒竜なんだけどさ、たぶん俺が頼めば乗せていってくれるくらいならしてくれるはずだ。意外と話しのわかるやつなんだよなあいつ」

「……ばかな」

「ゼノンその話は本当か? あの黒竜はお前にそこまで友好的なのか?」

「まぁ友好的っていうかノリがいいんだよあのドラゴン」

「「なるほど」」


結局そのあとの話し合いでも有効な解決策がないために、パパンと王のおっさんがなんとかしてくれるまで連合国にいくことになった。

かなり遠いらしいが、まあギラにのるなら旅行レベルだ、大したことはない。


聖女がいつもやらかしますね。

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