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45 確信犯あらわる。被告は「……えへへ」と供述しており

確信犯現る…

俺は夕食を食べながら魔大陸での出来事をみんなに話していた。

みんなといってもパパンとママン、それとアベルとフィッテだけだ。

ミュラ姉さんは騎士学校だからな、ギル兄さんはもう卒業して新米騎士だとは思うが。


正直ヴァニエが魔族かどうかバラすのは考えものだが、ここで隠して気づかない所で問題が生じるよりはいいと思ったからだ。

まあ最悪ヴァニエが窮地に陥ったら俺が助ければいいだけの話しだし。


「という訳で、俺が蝙蝠女の魔族を倒したら転移魔法陣が作動したんだ。転移した先にいたのがヴァニエだったって事だよ」

「ふむ、ヴァニエちゃんが魔族であることは気配から若干だが気づいていた。しかし、ヴァニエちゃんの人間への価値観は他とは違うようだな。父さんから見ればただの少女だよ、ゼノン」


よかった、パパンは種族ではなくヴァニエ本人を見ていてくれたようだ。

まあヴァニエを見て狡猾で残虐な魔族だと思うやつはいないだろうけどな。


「だが、やはりあの上級魔族を倒したのはお前だったのだなゼノン。……何があったのかはわからないが、ギールの言っていたことは当たっていたわけか」

「……そもそも兄さんが死ぬなんて僕は最初から思ってなかった、兄さんが負けるところなんて想像もつかないよ、父さんは焦り過ぎなのさ。まあそんなことは置いといて、僕の発明をみて? フィッテさんの精霊魔法の原理を参考に、常時魔力を吸収して出力をあげる事に成功したんだ。ここの冷却装置を稼働させることで……(略」


ギル兄さんとアベルは俺が生きているという確信があったらしい。

だがアベルがなんで俺の生存を確信しているのかは謎だ、ギル兄さんは俺と戦ったからという根拠があるから分かるが。

アベルの魔道具論はもはや理解できないので聞き流した、なにやらラジコンのような偵察魔道具らしいが、アベル、お前は別の方向で勇者を完全に超えてるよ。


その後、ここまでの経緯をちょこちょこと隠しながらみんなに話して解散となった。

ちなみにあとは寝るだけだ、エレンとヴァニエの部屋はそこらへんにいくらでもある。


ということで、俺も寝よう。

……じゃ、グッナイ!



……「Zzz」………。

…………。

………………ゴソッ……

………ゴソゴソ…

…………。

「「Zzz」」……。


俺が寝ているとなにやら布団がうごめいた。

今日はそういう日らしい。

……寝息までたてるとは高性能な布団だ。

…………。


いやちがうだろ、そうじゃない。

なんで布団にもう一人入ってくるんだ?


「なんでや!?」

「ふぇっ!? ……あれ、まだ夜だよ?」


オアシスが布団に侵入していた。

だが、そうか、まだ夜か。


「いや、そうじゃねえよっ! なんでここにいるんだっ」

「……えへへ」

「……」


……どうやら確信犯のようだ。

何か理由があるのかは知らないが、このままでは俺の精神衛生上よろしくないので心を鬼にしよう。

オアシスには退室してもらうほかあるまい。



「ま、まあ、居たいならいればいいけどな」


ヘタレ申した。


俺にはオアシスを追放するなんて無理だったんや、許せ。

そしてその後、まともに寝付けないまま、朝まで我慢大会が続いた。



─翌日。


現在俺たちは屋敷の庭にいる。

とりあえず3年もパーティを組んでいなかったことと、新しくヴァニエが参入してきたということもあり庭で軽く模擬戦をするこにしたのだ。


「エレンくん、その剣はいったい? 精霊さんがすごく集まっている」

「まあやってみればわかるさ、軽く腕慣らしといこうじゃないか」


エレンが異様に自信満々だが、フィッテのほうも<ブレイブソード>をみてただの剣じゃないと気づいたみたいだな。

それになにか隠しているような気がする、成長したのは俺たちだけじゃないってことか。

鑑定ではスキルやステータスしかわからないからな、どんな隠し玉があるのやら。


「むぅ~、いいよ、奥の手ってわけだね? どんと来いだよっ」

「はは。審判は別に必要ないよね、それじゃあいくよ!【光騎士・ブレイブ】ッ!!」


エレンがスキルを発動したとたん虹色に輝く光のオーラを放出し、エレンの髪の毛が銀色に変わった。

まさに誰おま状態である。

勇者の剣を所持して身体強化系のスキルを使うと、謎の変身を遂げるんだよな。


ちなみに通常の強化とは違い、剣からエネルギーが供給され続けるために変身中は強化に対する消耗がない。

まさに最大出力のバーゲンセールだ。

魔法や剣技を使えば消耗はするが、強化に消耗が必要じゃなくなっただけでも普通は物凄いアドバンテージだと思う。

なにせこの世界の人魔力が低いもんな。


「……っ! エレンくんが変身したっ!? くっ、【身体強化】【ウィンドアクセル】!」

「ははは、それでも遅いよっ!」


エレンがオーバードライブを使っていない俺並みのスピードとパワーでフィッテに猛攻をしかける。

フィッテも奥の手があったみたいだが、こりゃあ出す暇ないかな?


「もらったよっ!【極光剣・瞬】っ」


ガリガリとフィッテの防御を削っていったエレンが隙を見つけ、恐ろしい速度で剣を一閃した。


「うっ、出てきて<シルヴ>!!」


……ガンッ!


「「……は?」」


なんだ!?

フィッテが何かを叫んだ瞬間、謎のオーラをまとった女性がエレンの剣をガードした。

しかもあの女性宙に浮いてるぞ。


『私を呼ぶなんて試練の迷宮で契約して以来かしら? まぁ暇だからいいのだけど』

「ありがとうシルヴっ、今はとりあえずエレン君を抑えておいて!」


……なんだ、試練の迷宮?

フィッテは3年の間なにをやっていたんだ。

とりあえず鑑定だ、たのむぜ鑑定さん!


【名前】シルヴ

【種族】風の大精霊

【Lv】???


……ふぁ?

風の大精霊だと。


しかもレベル鑑定が弾かれている、俺のレベルよりだいぶ上ということだろうがそんな存在とどうやって契約したんだ?

試練の迷宮と言っていたが。


その後、エレンの猛攻を風の大精霊が抑え、フィッテが追撃をしていくことでエレンがぐんぐん押し返されていった。

あれ、これフィッテのほうが強いんじゃね。


だがやはり持久力に差がでたのか、瞬間的な戦力ではエレンを大幅に上回るフィッテも精霊の維持に魔力を使い過ぎバテてしまった。

結局勝負はエレンの勝利で終わったが、今後ステータスとスキルレベルが上昇していくにつれて維持できる時間も変わるだろう、とんでもない隠し玉だったな。


その後は魔力が切れたフィッテでは模擬試合も続けられないため、いったん中止となった。

まあこれだけお披露目できればあとはパーティ組んで慣れるだけだな。

3日後の王都までなんやかんやしてよう。


「あなたフィッテとかいいましたわね? いいでしょう、この私のライバルとして認めてあげますわっ! さあ勝負しなさい!」


ヴァニエが話を聞いていなかった。



【ブレイブソード】

└強化エネルギーチャージLv.10

└自己修復Lv.10

└剣術効果上昇Lv.8

└体術効果上昇Lv.3


魔力残量[無限]

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